シューベルト/八重奏曲

エルケ・シュルツェ・ヘッケルマン(1995)
CD(IPPNW CD-13)

シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
   〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
    コントラバス、クラリネット、ホルンと
    ファゴットのための

 ドイツ・カンマーフィルハーモニーのメンバー
 ダニエル・セペック(ヴァイオリン)
 トーマス・クルーグ(ヴァイオリン)
アスディス・ヴァルディマルスドッティル(ヴィオラ)
 マルク・フロンクー(チェロ)
 マティアス・ベルティンガー(コントラバス)
 ウルフ=グィド・シェーファー(クラリネット)
 エルケ・シュルツェ・ヘッケルマン(ホルン)
 フォルカー・テスマン(ファゴット)
 録音 1995年4月27日ライヴ
 ベルリン・フィルハーモニー、室内楽ホール

 ドイツ・カンマーフィルハーモニーのメンバーによるシューベルトの八重奏曲のライヴ録音です。
 シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョからよい響きを出しています。続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。セペックのヴァイオリンとシェーファークラリネットが素晴らしい響きで歌います。続くヘッケルマンのホルンは流麗で勢いのある演奏です。展開部も勢いがあり緻密なアンサンブルで素晴らしい演奏です。この楽章では同じ音型が楽器を変えて幾度も繰り返されます。再現部はファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンのソロが高らかに歌われて終わります。第2楽章:アダージョはシェーファーのクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。ユニゾーンの美しい響きは格別です。中間部ではホルンのソロが歌われますが、ヴァイオリンとの対話もまた大変きれいです。後半の盛りあがりは素晴らしいです。ファゴットの響きも魅力です。コーダのコントラバスのピツィカートはよく響きます。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。ドイツ・カンマーフィルのアンサンブルは素晴らしい演奏をしています。ホルンの高音がよく響きます。クラリネットとファゴットが大変よい響きを出しています。楽しいスケルツォです。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンが良い響きで演奏しています。第1変奏のファゴットとホルンの絡みもきれいです。ヘッケルマンの吹くホルンの第3変奏はよい響きです。ヴァイオリンがきれいに対話します。続くチェロの第4変奏もまた聞きものです。クラリネットが応答します。変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。ヘッケルマンのホルンは明るいです。トリオのファゴットの響きも素晴らしいです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な前奏に続くアレグロはオーケストラのような素晴らしいアンサンブルでまとめています。大変良い響きを出しています。
演奏時間62分27秒。


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