ベートーヴェン/七重奏曲
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CD(ARTE NOVA 82876 64015 2)
ベートーヴェン/作品集
1.ヴァイオリン、チェロとピアノのための
三重協奏曲ハ長調Op56
2.七重奏曲変ホ長調Op20
イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)(1)
ギル・シャハム(ヴァイオリン)(1&2)
トルルス・モルク(チェロ)(1&2)
デイヴィッド・ジンマン指揮
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団(1)
ミヒャエル・ライド(クラリネット)(2)
フローレンス・ジェニー(ファゴット)(2)
ヤコプ・ヘフティ(ホルン)(2)
ミヒャエル・ロウイリー(ヴィオラ)(2)
ロナルド・ダンゲル(コントラバス)(2)
録音 2004年10月20&21日(1)
2004年10月30&31日(2)
デイヴィッド・ジンマンのベートーヴェン・シリーズの中の1枚です。トリプル・コンチェルトを録音したときに、同時にトーンハレの首席奏者たちと七重奏曲を録音しました。
ベートーヴェンのヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲はトリプル・コンチェルトの愛称で親しまれています。1803〜4年に書かれた作品でピアノ・トリオが独奏楽器となった協奏曲です。ベートーヴェンはピアノ・トリオを生涯にわたり作曲しましたので、この協奏曲ができるのは自然だったのかもしれません。第1楽章:アレグロ、第2楽章:ラルゴ、第3楽章:ロンド・アラ・ポラッカの3つの楽章で構成され、3つの独奏楽器が目まぐるしく活躍します。中でもチェロは聴かせどころが多く、名チェリストの録音が多いのはうなずけます。それだけにヴァイオリン独奏も対抗できる名手が演奏することになります。ブロンフマンのピアノ、シャハムのヴァイオリン、モルクのチェロと素晴らしい名演を聴かせてくれます。
ベートーヴェンの七重奏曲は第1楽章の序奏の響きが重厚です。ギル・シャハムのヴァイオリンが際立っています。主部のクラリネットとヴァイオリンの演奏が素晴らしいです。展開部のホルンのソロもやわらかな響きが印象的です。ファゴットとホルンの和音がよい響きです。第2楽章「アダージョ・カンタービレ」はクラリネットのきれいな主題に始まりヴァイオリンに受け継がれます。ファゴットとホルンのソロもあります。ホルンの哀愁的な歌がきれいです。ここでもギル・シャハムの美音が聴かれます。第3楽章「メヌエット」は親しみやすい主題に始まります。ヴァイオリンで始まります。トリオにはホルンの鮮やかなソロがあります。楽しそうです。第4楽章の主題と変奏は軽快な主題が大変きれいです。続く変奏はスタッカートが生き生きしています。ヴァイオリンや木管楽器の変奏が楽しそうに聞こえます。ホルンの変奏も良い響きです。第5楽章「スケルツォ」はホルンで始まります。このホルンがリードするところが楽しいです。トリオではモルクのチェロが優雅に歌います。第6楽章は序奏でホルンが哀愁的な主題を吹いています。ヴァイオリンが続きます。プレストからは息の合った見事なアンサンブルを聞かせます。ヴァイオリンが主題を提示します。ホルンの響きが印象的です。ギル・シャハムの弾くヴァイオリンでカデンツァが入ります。 |
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