J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番
アンドリュー・ジョイ&ラファエル・ヴォスラー(1986) |
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CD(ARCHIV UCCA-5025/6)2枚組
バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2. 〃 第2番ヘ長調BWV1047
3. 〃 第3番ト長調BWV1048
4. 〃 第4番ト長調BWV1049
CD2
5.ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
6. 〃 第6番変ロ長調BWV1051
7.フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための
協奏曲イ短調BWV1044
ラインハルト・ゲーベル(ヴァイオリン)
(1、2、4&5&7)
アンドリュー・ジョイ(コルノ・ダ・カッチャ)(1)
ラファエル・ヴォスラー(コルノ・ダ・カッチャ)(1)
ハンス=ペーター・ウェスターマン(オーボエ)(1&2)
ミヒャエル・ニースマン(オーボエ)(1)
ピエト・ドント(オーボエ)(1)
ミヒャエル・マッククロー(ファゴット)(1)
フリーデマン・インマー(トランペット)(2)
ミヒャエル・シュナイダー(リコーダー)(2、4)
ザビーネ・バウアー(リコーダー)(4)
ヴィルベルト・ハーツェルツェット
(フラウト・トラヴェルソ)(5&7)
アンドレアス・シュタイアー(チェンバロ)(1〜5&7)
ラインハルト・ゲーベル(ヴィオラ・ダ・ブラッチョ)(6)
カールハインツ・シュテープ
(ヴィオラ・ダ・ブラッチョ)(6)
クリスティーナ・キプリアニディス
(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
コレット・ハリス(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
フィービー・カライ(チェロ)(6)
ジョナサン・ケイブル(ヴィオローネ)(6)
ティエリー・メーダー(チェンバロ)(6)
ラインハルト・ゲーベル指揮
ムジカ・アンティカ・ケルン
録音 1986年6月(1〜3)
1987年2月(4〜6)
1987年6月(7)
オリジナル楽器のオーケストラ、ムジカ・アンティカ・ケルンのブランデンブルク協奏曲全集です。
ブランデンブルク協奏曲第1番はコルノ・ダ・カッチャ(狩猟ホルン)を2本使っていますのでかなり太い響きのナチュラルホルンです。冒頭から異様なほどの響きで始まります。またテンポも速く、ホルンの演奏が入るとゲシュトップの金属音で遠慮なくバリバリ吹いていますので大変面白い演奏です。このホルンが目立ちますのでバロックオーボエはおとなしく聞こえています。第2楽章はオーボエがヴァイオリンと共にきれいに響きます。第3楽章は2本のホルンが明るく賑やかに響きます。オーボエの響きがきれいです。ゲーベルのヴァイオリン(ヴィオリーノ・ピッコロ)は強いタッチの強烈な演奏をしています。
第4楽章のメヌエットは踊るメヌエットのような演奏になっています。第1トリオのオーボエとファゴットは優雅な響きがきれいです。中間部のポロネーズはテンポが速く勢いのある演奏です。第2トリオのホルンとオーボエの演奏はホルンの大きな響きと閉止音の金属的な響きが度々出ますので印象に残ります。
それにしても、これは素晴らしい演奏です。
ブランデンブルク協奏曲第2番は古いクラリーノ・トランペットでナチュラル・トランペットですから演奏は難しいでしょう。このやわらかな響きのトランペットにはバロックオーボエも合います。第2楽章はオーボエ、リコーダー、ヴァイオリンが通奏低音と共に大変きれいな演奏です。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。オーボエとリコーダーの演奏も素晴らしいのものです。
ブランデンブルク協奏曲第3番はテンポの速い演奏です。第1楽章はゲーベルの指揮で素晴らしいアンサンブルです。第2楽章のアダージョは弦楽だけの短いものです。第3楽章のアレグロはプレストのような速さです。これはこれで弦楽の腕のみせどころでしょう。素晴らしい演奏です。
ブランデンブルク協奏曲第4番はミヒャエル・シュナイダーとザビーネ・バウアーの2本のリコーダーとゲーベルのヴァイオリンのソロが入ります。第1楽章から大変よい響きです。第2楽章のアンダンテはリコーダーの響きと弦楽の厚い響きが素晴らしいです。第3楽章冒頭の弦楽の響きがきれいです。2本のリコーダーもよい響きです。ヴァイオリンのソロも素晴らしい演奏です。
ブランデンブルク協奏曲第5番は冒頭の軽やかな弦楽による演奏に続くハーツェルツェットのフラウト・トラヴェルソ、ゲーベルのヴァイオリン、シュタイアーのチェンバロによる演奏です。フフラウト・トラヴェルソは独特の響きですがきれいな演奏です。後半のチェンバロのカデンツァは素晴らしい演奏です。第2楽章のフラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリンとチェンバロのトリオ・ソナタはよい響きです。第3楽章もフラウト・トラヴェルソの良い響き、ヴァイオリンとチェンバロも素晴らしい演奏です。これは見事な演奏です。
ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ・ダ・ブラッチョ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、ヴィオローネとチェンバロで演奏しています。中低音楽器の美しい響きがあります。ラインハルト・ゲーベルがヴィオラ・ダ・ブラッチョを演奏しています。第1楽章から勢いのある演奏が聴かれます。第2楽章はガンバが抜けますが、中低音の弦楽器の美しい響きがあります。第3楽章も勢いのある大変素晴らしいアンサンブルです。これは素晴らしい演奏です。
フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲イ短調はブランデンブルク協奏曲第5番と同じ組み合わせの協奏曲です。ハーゼルツェットのフラウト・トラヴェルソ、ゲーベルのヴァイオリン、シュタイアーのチェンバロというメンバーのソロです。ブランデンブルク協奏曲と似たような響きになるのはバッハならではのことでしょう。チェンバロの扱いが素晴らしいです。第1楽章:アレグロの素晴らしい響き、第2楽章のアダージョはトリオ・ソナタの美しい響きがあります。第3楽章の響きはチェンバロ、弦のピツィカートとバッハの作品の美しさがあります。チェンバロのカデンツァもあって、これは名曲名演です。 |
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