J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番
ミシェル・ガルサン・マルー&ヨス・コーニングス(1983) |
|
|
CD(ERATO WPCS-4603/4)2枚組国内盤
バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2. 〃 第3番ト長調BWV1048
3. 〃 第4番ト長調BWV1049
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
5. 〃 第6番変ロ長調BWV1051
6. 〃 第2番ヘ長調BWV1047
モニカ・ハジェット(ヴァイオリン)(1&3)
ミシェル・ガルサン・マルー(ナチュラルホルン)(1)
ヨス・コーニングス(ナチュラルホルン)(1)
ク・エビンゲ(オーボエ)(1&6)
ミシェル・アンリ(オーボエ)(1)
ポール・ドンブレヒト(オーボエ)(1)
リカルド・カンジ(リコーダー)(3&6)
レイヌ=マリー・ヴェラーハン(リコーダー)(3)
ロイ・グッドマン(ヴァイオリン)(4)
ヴィルベルト・ハーゼルゼット(フラウト・トラヴェルソ)(4)
トン・コープマン(チェンバロ)(4)
クリスティアン・スティル・バーカンス(トランペット)(6)
アリソン・バリー(ヴァイオリン)(6)
トン・コープマン指揮&チェンバロ
アムステルダム・バロック管弦楽団
録音 1983年11月&12月
オリジナル楽器のアムステルダム・バロック管弦楽団のブランデンブルク協奏曲です。コープマンの解釈に注目でしょう。ヴァイオリン・ソロにモニカ・ハジェットとロイ・グッドマンの名前がありますのでその演奏にも注目です。
ブランデンブルク協奏曲第1番はバロック・オーケストラの渋い響き、ナチュラルホルンの太い響きがあります。ホルンのストップ音はきれいです。バロックオーボエとヴァイオリン(ヴァイオリーノ・ピッコロ)そしてホルンが調和のとれた演奏になっています。第2楽章のオーボエは古風な響きがきれいです。ハジェットのヴァイオリンも良い響きを出しています。第3楽章は速いテンポでホルンがにぎやかに演奏しています。ヴァイオリンの力強い演奏も注目です。オーボエの響きもきれいです。第4楽章のメヌエットは速めのテンポで演奏しています。3本のオーボエとホルンの作る響きが素晴らしい。第1トリオのオーボエとファゴットはやわらかな響きで大変きれいな演奏です。中間部のポロネーズは弦楽が大変速いテンポで踊るような演奏で、跳ねるようなリズムは見事なものです。第2トリオのホルンとオーボエの演奏も速いテンポで驚きます。ホルンのストップ音はきれいに響いています。この演奏も大変素晴らしいものです。
第3番は弦楽器奏者とチェンバロによる演奏です。速いテンポで踊るように演奏しています。第2楽章のアダージョはコープマンのチェンバロで3分に及ぶ長いカデンツァが入ります。第3楽章のアレグロは速いテンポで弦楽のアンサンブルが素晴らしい。
第4番は2本のリコーダーが主役の名曲です。この演奏ではリコーダー明るくきれいな響きを出しています。ハジェットのヴァイオリンが加わりますが、このソロの流麗な演奏がまた素晴らしい。弦楽の力強い演奏はコープマンらしいところです。第2楽章のリコーダーと弦楽の作る響きの良さはなんともいえません。第3楽章は速めのテンポでリコーダーと弦楽の鮮やかな演奏がききどころでしょう。
第5番の演奏は弦楽合奏による爽やかな響きで始まります。フラウト・トラヴェルソとグッドマンのヴァイオリンそしてコープマンのチェンバロが対話するように絡み合う演奏は素晴らしい響きです。コープマンの長大なチェンバロ・ソロは力強く響きます。第2楽章はチェンバロのアルペッジョのあとヴァイオリンとフルートのやわらかな響きが大変きれいです。チェンバロの響きもまた素晴らしい。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとトラヴェルソ・フルートの息の合った演奏が聴きどころでしょう。大変楽しい雰囲気が伝わってきます。
第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。重みのある響きが特徴です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますがテンポの速い演奏になっています。力強さを感じさせる演奏です。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが悠々と演奏します。優雅な響きです。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。これも素晴らしい演奏です。
第2番はクラリーノ・トランペットとヴァイオリン、バロック・オーボエの柔らかな響きが大変きれいです。またリコーダーの響きもきれいです。トランペットは中音域の響きが古楽器独特の響きで鄙びた音が印象的です。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、リコーダーのトリオ・ソナタのようですが、オーボエの音がコールアングレのようにも聞こえて面白いです。第3楽章ではトランペットの高域の音が特徴的できれいな音になっています。オーボエ、ヴァイオリンとリコーダーもこの曲では聴きどころになっています。 |
|
|
|