その他のホルン作品
クレイグ・ラッセル/ホルンと管弦楽のためのラプソディ |
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CD(NAXOS 8.559168)
クレイグ・ラッセル/作品集
1.ホルンと管弦楽のためのラプソディ
2.ミドル・アース
3.ゲート・シティ〜メソジストの賛美歌
リチャード・トッド(ホルン)(1)
マイケル・ノワク指揮
サン・ルイス・オビスポ交響楽団
録音 2000年3月4〜6日
クレイグ・ラッセル(1951〜)はアメリカの作曲家。この作品集は面白いです。ホルンと管弦楽のためのラプソディ(狂詩曲)は5つの楽章からなる大曲で演奏時間は41分を超えます。ホルンを吹いているリチャード・トッドはロスアンジェルス室内管弦楽団の首席ホルン奏者でジャズ・ホルンも吹きます。
第1楽章「朝の決心」はホルン・ソロに始まり広大な田園風景を思わせます。伴奏のホルンと和音を作るのも楽しいです。この楽章はかなりのロマン的な作風で古典的ともいえそうな美しい楽章です。後半にハンドでワンワンやるところはユニークです。形式にとらわれないポエムのような楽章です。
第2楽章「ディジィ・バード」は完全にスイング・ジャズになっています。ここにはジャズ・ピアノが挿入されて途中から聞いたらジャズそのもです。ミュートを使いピアノとのセッションの妙は絶品です。後半サックスとの絡みが素晴らしい。
第3楽章「物思いにふけって」は牧歌風の冒頭に美しいオーボエ・ソロが入ります。緩徐楽章にあたるこの楽章はホルンの牧歌がゆったりと歌われます。やがて即興的な部分になり低音から高音まで自在に吹かせるところではオーケストラとのからみが絶妙です。中間部には弦楽によるアメリカ民謡的な主題が歌われます。なぜかチェロのソロが入るのが面白いです。
第4楽章「ティト・マチート」はクラベスがサルサのリズムを刻むラテン音楽です。ラテンの打楽器やドラムスが入ると完全にラテン音楽です。ホルンはラテンミュージックを演奏しています。
最後の第5楽章「フラッシュ(閃光)」は速いテンポの楽章です。楽器はあらゆるものが入ってきます。ホルンのパートは長大で息継ぎが難しそうです。それにしてもリチャード・トッドは綺麗なホルンです。暴れることなく安定した音色のホルンです。
「ミドル・アース」はトールキンの「ミドル・アース(中つ国)」を元に作曲した9つの小品からなる組曲です。描写音楽といえるかもしれません。
「ゲート・シティ」は交響曲第2番の第2楽章にあたり、作曲者の母への賛美歌ということです。ゲート・シティはヴァージニア州の町です。 |
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