J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

ゲルト・ザイフェルト&ノルベルト・ハウプトマン(1978〜79)
CD(DGG 415374-2)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.      〃        第2番ヘ長調BWV1047
3.      〃        第3番ト長調BWV1048
4.      〃        第4番ト長調BWV1049
5.      〃        第5番ニ長調BWV1050
6.      〃       第6番変ロ長調BWV1051

 トマス・ブランディス(ヴァイオリン)1、2、4&5)
  ゲルト・ザイフェルト(ホルン)(1)
  ノルベルト・ハウプトマン(ホルン)(1)
ハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)(1&2)
  ブルクハルト・ローデ(オーボエ)(1)
  ゲルハルト・シュテンプニク(オーボエ)(1)
  コンラディン・グロート(トランペット)(2)
  カール・ハインツ・ツェラー(フルート)(4&5)
  アンドレアス・ブラウ(フルート)(2&4)
  ウィリアム・ティム・リード(チェンバロ)(5)
  フィリップ・モル(チェンバロ)(1〜6)
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
   ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    録音 1978年7月1〜3日&
        1979年1月28&29日

  このアルバムはカラヤン2度目のブランデンブルク協奏曲全集録音でした。70年代カラヤン/ベルリン・フィル全盛期の演奏がここにあります。
  ブランデンブルク協奏曲第1番ではホルンにザイフェルトとハウプトマンの両首席を起用しています。カラヤンのバッハは美しい響きを大切に歌い上げています。第1楽章のホルンは速いテンポでレガート気味に吹いています。フィルハーモニー・ホールでの録音はホルンが前面には出ませんがその存在感はやはり凄いです。第2楽章で響くシェレンベルガーのオーボエとブランディスのヴァイオリンは絶品です。第3楽章のホルンは勢いのある演奏が素晴らしい。第4楽章のメヌエットは大変遅いテンポで始まります。ゆったりとした演奏です。第1トリオのオーボエとファゴットは遅いテンポですが響きがやはり素晴らしい。中間部のポロネーズも遅いテンポで演奏していますが強弱ははっきりとつけています。第2トリオのホルンとオーボエの部分は速いテンポで演奏しています。ザイフェルトとハウプトマンは軽々と吹いています。メヌエットに戻るとゆったりとしたテンポで終わります。

  ブランデンブルク協奏曲第2番はコンラディン・グロートのピッコロ・トランペットが明るく響きます。シェレンベルガーのオーボエとブラウのフルートがまたきれいです。カラヤンはトランペットを奥にして木管楽器を前面に出していました。第2楽章はオーボエ、フルート、ヴァイオリンがうっとりするほどきれいでした。第3楽章もトランペットを押さえてバランスの良い演奏になっています。

  ブランデンブルク協奏曲第3番の弦楽合奏はまさにカラヤンの求める響きそのものでしょう。第1回目の録音同様よく響きます。第2楽章のアダージョは弦楽にチェンバロに重ねた短いものです。第3楽章の勢いのある演奏は絶品。

  ブランデンブルク協奏曲第4番はツェラーとブラウのフルートが華やかです。大変美しいフルートで、第1回目の録音と並ぶ輝きのある演奏です。ブランディスのヴァイオリンがまたつやのある響きで見事です。第2楽章のアンダンテはカラヤンの引き出す音の奥深さが素晴らしい。遠近感のある演奏は驚きました。第3楽章冒頭の弦楽の響きも絶品。

  ブランデンブルク協奏曲第5番ではツェラーのフルート、ブランディスのヴァイオリン、リードのチェンバロと華麗な演奏になりました。この作品は現代のフルートで演奏しても大変良い響きになります。リードのチェンバロのきらめきが素晴らしい。

  ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、チェロ、コントラバスとチェンバロで演奏しています。チェロのパート分けでガンバのパートはイェルク・バウマンとゲッツ・トイチュが弾いています。チェロの美しい響きがあります。カラヤンの引き出すバッハの音楽はやはり偉大です。


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