J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番
フリッツ・フート&ワルター・ロイバンド(1956) |
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CD(TELDEC WPCS-22005/6)2枚組
バッハ/ブランデンブルク協奏曲集
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2. 〃 第2番ヘ長調BWV1047
3. 〃 第5番ニ長調BWV1050
4. 〃 第3番ト長調BWV1048
5. 〃 第4番ト長調BWV1049
6. 〃 第6番変ロ長調BWV1051
フリードリヒ・ヴューラー
(ヴァイオリン)(1〜3&5)
ハラルド・ケーネ(オーボエ)(1)
ハインツ・ノルトブルック(オーボエ)(1&2)
フリッツ・フート(第1ホルン)(1)
ワルター・ロイバンド(第2ホルン)(1)
アドルフ・シェルバウム(トランペット)(2)
パウル・マイゼン(フルート)(3)
クラウス・ショヒョー(第1フルート)(2&5)
ブルクハルト・シェーファー(第2フルート)(5)
カール・リヒター(指揮、チェンバロ)
カール・リヒター室内管弦楽団
録音 1956年(1、3、4&6)(擬似ステレオ)
1957年(2&5)(ステレオ)
カール・リヒター1回目のブランデンブルク協奏曲です。テレフンケンに録音していました。第2番と第4番のみオリジナル・ステレオ録音、1番3番5番6番はモノラル録音の擬似ステレオ化です。名録音で音質の良さに驚きます。
第1番は第1楽章がやや速めのテンポで始まります。2本のホルンと3本のオーボエ、ヴァイオリンとファゴットの調和のとれた演奏は素晴らしく、弦楽の美しさにも驚きます。第2楽章のオーボエとヴァイオリンの美しさも絶品。第3楽章:アレグロはホルンの響きがあまく、レガート奏法も巧みです。第4楽章のメヌエットはやや遅めのテンポで演奏しています。第1トリオのオーボエとファゴットは大変きれいです。中間部のポロネーズは踊るようなリズム感で楽しそうな雰囲気があります。第2トリオのホルンとオーボエの演奏はやや速めのテンポで見事な演奏です。
第2番はシェルバウムの吹くピッコロ・トランペットとノルトブルックのオーボエの響きが素晴らしい。またここではリコーダーではなくフルートで演奏しています。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、フルートのトリオ・ソナタのようで大変素晴らしい演奏です。第3楽章ではトランペットの高域の音が素晴らしい。オーボエやヴァイオリンも良い響きです。
第5番はフルート、ヴァイオリンとチェンバロがソロ楽器になります。ここでフルートを吹いているのがドイツの名手パウル・マイゼンです。太くやわらかな響きが大変きれいです。ヴューラーのヴァイオリンとリヒターのチェンバロも素晴らしく、第1楽章後半では長いカデンツァがチェンバロだけで演奏されますが、さすがにリヒターは素晴らしい演奏です。
第3番は厚みのある弦楽の素晴らしいアンサンブルが聞かれます。響きが大変きれいです。第2楽章のアダージョは第1楽章の最後になっていますがリヒターによるチェンバロのカデンツァが入ります。第3楽章(第2楽章)のアレグロは弦楽の緻密な演奏が素晴らしく、67年の録音同様見事な響きです。
第4番は2本のフルートが美しい響きです。リヒターはこの時はフルートを使っていました。2本のフルートのための協奏曲のようです。ヴァイオリン・ソロの響きがまた素晴らしいものです。第2楽章の響きは冒頭の弦楽が素晴らしい。第3楽章の冒頭はフーガですが、この演奏も素晴らしいです。ステレオ録音で残っていることも嬉しいことでしょう。
第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる編成ですが、ここではガンバの代わりにチェロを使っています。第1楽章はシンコペーションの主題が交錯しますが緻密で素晴らしい演奏になっています。第2楽章はヴィオラとチェロで穏やかな演奏です。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。低弦の響きが見事です。 |
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