J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

ヨーロッパ室内管弦楽団(1990)
CD(DGG POCG-1084/5)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.       〃      第2番へ長調BWV1047
3.       〃      第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.      〃       第5番ニ長調BWV1050
6.      〃      第6番変ロ長調BWV1051

 ヨーロッパ室内管弦楽団
 マリーケ・ブランケスティーン
           (ヴィオリーノ・ピッコロ)(1)
 マーク・ベネット(トランペット)(2)
 ティエリー・フィッシャー(フルート)(2&4)
 ダグラス・ボイド(オーボエ)(2)
 マリーケ・ブランケスティーン(ヴァイオリン)
                   (2、3、4、5)
 ジョジーヌ・バター(フルート)(4)
 ティエリー・フィッシャー(フラウト・トラヴェルソ)(5)
 イアン・ワトソン(チェンバロ)(5)
 ディミュート・ポッペン(ヴィオラ)(6)
 コリーネ・コンタルド(ヴィオラ)(6)
 ワルター・ワイドッシュ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 デントン・ロバーツ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 ウィリアム・コンウェイ(チェロ)(3&6)
 通奏低音
 エンノ・ゼンフトゥ(コントラバス)
 イアン・ワトソン(チェンバロ)
  録音1990年1月(2、4&5)
     1990年4月(1、3&6)

 ヨーロッパ室内管弦楽団が演奏したブランデンブルク協奏曲全集です。指揮者はいません。
 ブランデンブルク協奏曲第1番は冒頭から素晴らしい響きが流れてきます。ホルンのソリスト名は記載がありませんが、2本のホルンと3本のオーボエがとてもきれいです。オーケストラも良い響きです。第2楽章はオーボエの美しい響きとヴァイオリンの響きがきれいです。第3楽章は2本のホルンと3本のオーボエがきれいに響きます。速めのテンポですがホルンが素晴らしい響きです。ヴァイオリンのソロもきれいです。第4楽章のメヌエットは程よいテンポです。第1トリオはオーボエとファゴットが素晴らしい響きです。ポロネーズは程よいテンポできれいに演奏しています。弾むようなリズムは圧巻の演奏です。第2トリオのホルンとオーボエは速めのテンポで大変素晴らしい演奏です。ホルンが力強く響きます。このメヌエットは素晴らしい演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第2番は第1楽章からマーク・ベネットのトランペットが大変きれいに響きます。ダグラス・ボイドのオーボエとベネットのトランペットの対話が素晴らしい。ヴァイオリンとフルートもきれいに響きます。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、フルートのトリオが大変きれいです。通奏低音もよく響きます。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。ベネットのトランペットは大変素晴らしい演奏です。フルート、ヴァイオリンとオーボエの響きもまたきれいです。

 ブランデンブルク協奏曲第3番は速めのテンポの第1楽章は弦楽の美しさがあります。これは素晴らしい響きの演奏です。第2楽章のアダージョは弦楽にヴァイオリンの短いカデンツァが重なって終わります。第3楽章のアレグロは緻密な演奏の弦楽が素晴らしいです。これは見事な演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第4番は2本のフルートで演奏しています。第1楽章はヴァイオリンの響きもまたきれいです。ティエリー・フィッシャーとジョジーヌ・バターのフルートの響きは実に美しいものです。第2楽章は冒頭からフルートと弦楽がよい響きです。ブランケスティーンのヴァイオリンも良い響きを出しています。第3楽章の冒頭はフーガですが、このヨーロッパ室内管弦楽団の演奏はさすがに素晴らしいものになっています。フルートとヴァイオリン・ソロも見事な演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第5番は弦楽の爽やかな序奏とフルート(フラウト・トラヴェルソ)、ヴァイオリン、チェンバロが演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。第1楽章はティエリー・フィッシャーのフラウト・トラヴェルソ、マリーケ・ブランケスティーンのヴァイオリンとイアン・ワトソンのチェンバロの素晴らしい演奏が聞かれます。後半のチェンバロ・ソロも見事なものです。第5番はここが聞きどころです。第2楽章はチェンバロ、フルートとヴァイオリンのトリオ・ソナタのような演奏がきれいです。チェンバロのメロディもまた聴きものです。通奏低音のチェロは入りません。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が聴きどころでしょう。イアン・ワトソンのチェンバロもきれいな演奏です。これは素晴らしい演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章は速めのテンポです。ヴィオラとチェロが主役でシンコペーションの主題が交錯しますが緻密で素晴らしい演奏になっています。勢いがあります。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。通奏低音は良い響きです。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。速めのテンポでこれも素晴らしい演奏です。


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