J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番
デレク・コンロッド&ウィラード・ジルク(1999) |
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CD(AVIE AV2207)
J.S.バッハ/協奏曲集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2. 〃 第2番へ長調BWV1047
3. 〃 第3番ト長調BWV1048
4. 〃 第4番ト長調BWV1049
5. 〃 第5番ニ長調BWV1050
CD2
6.ブランデンブルク協奏曲第6番
変ロ長調BWV1051
7.チェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV1052
8.チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056
9.ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV1052(復元版)
デレク・コンロッド(ナチュラルホルン)(1)
ウィラード・ジルク(ナチュラルホルン)(1)
ゴンサロ・X・ルイス(オーボエ)(1&2)
スティーヴン・バード(オーボエ)(1)
メグ・オーウェンズ(オーボエ)(1)
キース・コリンズ(ファゴット)(1)
シンシア・ロバーツ(ヴァイオリン)(1、2、4&5)
マイケル・スポンセラー(チェンバロ)(1)
ジョン・ティーセン(トランペット)(2)
マイケル・リン(リコーダー)(2&4)
キャシー・リン(リコーダー)(4)
ジャネット・ソレル(チェンバロ)(2〜6)
マイケル・リン(フラウト・トラヴェルソ)(5)
キャサリナ・メインツ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
アン・マリー・モーガン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
ジャネット・ソレル(チェンバロ)(7&8)
エリザベス・ウォルフィッシュ(ヴァイオリン)(9)
ジャネット・ソレル指揮
アポロズ・ファイア
(クリーヴランド・バロック管弦楽団)
録音 1999年10月(1〜5)
2000年2月(6)
2002年10月(7)
2004年5月(8)
2005年2月(9)
クリーヴランド、セント・ポール教会
ジャネット・ソレルのチェンバロと指揮、アポロズ・ファイア(クリーヴランド・バロック管弦楽団)の演奏によるブランデンブルク協奏曲全集と2つのチェンバロ協奏曲、そしてヴァイオリン協奏曲です。
ブランデンブルク協奏曲第1番は第1楽章の冒頭から素晴らしい響きが流れてきます。2つのナチュラルホルンと3本のバロック・オーボエがとてもきれいです。オーケストラもよい響きです。第2楽章はルイスのオーボエの美しい響きとロバーツのヴァイオリン(ヴィオリーノ・ピッコロ)の響きがきれいです。第3楽章は2本のホルンと3本のオーボエが華やかに響きます。デレク・コンロッドとウィラード・ジルクのナチュラルホルンが素晴らしい響きです。ヴァイオリンのソロもきれいです。第4楽章のメヌエットは程よいテンポです。第1トリオは3本のオーボエとファゴットが素晴らしい響きです。ポロネーズは程よいテンポでさわやかに演奏しています。弾むようなリズムは勢いのある演奏です。第2トリオのホルンとオーボエは程よいテンポで大変素晴らしい演奏です。アドリブを入れた2本のホルンがきれいに響きます。このメヌエットは素晴らしい演奏です。
ブランデンブルク協奏曲第2番は第1楽章からジョン・ティーセンのトランペットがきれいに響きます。ルイスのオーボエとティーセンのトランペットの対話が素晴らしい。ロバーツのヴァイオリンとマイケル・リンのリコーダーもきれいに響きます。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、リコーダーのトリオが大変きれいです。通奏低音も大変よく響きます。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。ティーセンのトランペットは大変素晴らしい演奏です。リコーダー、ヴァイオリンとオーボエの響きもまたきれいです。
ブランデンブルク協奏曲第3番は程よいテンポの第1楽章は弦楽の美しさがあります。勢いもあります。ソレルの指揮は素晴らしい響きです。第2楽章ではチェンバロのカデンツァが入ります。そしてヴァイオリンと弦楽が重なって終わります。第3楽章のアレグロは緻密な演奏の弦楽が素晴らしいです。これは感動的な見事な演奏です。
ブランデンブルク協奏曲第4番は2本のリコーダーで演奏しています。第1楽章はヴァイオリンの響きもまたきれいです。マイケル・リンとキャシー・リンのリコーダーの響きは実に美しいものです。オーケストラもよい響きです。第2楽章は冒頭の弦楽とリコーダーがよい響きです。ロバーツのヴァイオリンも良い響きを出しています。第3楽章の冒頭はフーガですが、このアポロズ・ファイアの演奏は素晴らしいものになっています。リコーダーとヴァイオリン・ソロも見事な演奏です。
ブランデンブルク協奏曲第5番は弦楽の爽やかな序奏とフルート、ヴァイオリン、チェンバロが演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。第1楽章はマイケル・リンのフラウト・トラヴェルソ、シンシア・ロバーツのヴァイオリンとジャネット・ソレルのチェンバロの素晴らしい演奏が聞かれます。後半のチェンバロ・ソロは素晴らしい演奏です。第5番はここが聞きどころです。第2楽章はチェンバロ、フラウト・トラヴェルソとヴァイオリンのトリオ・ソナタがきれいです。チェンバロのメロディもまた聴きものです。通奏低音は入りません。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフラウト・トラヴェルソの息の合った演奏が聴きどころでしょう。ジャネット・ソレルのチェンバロもこれは素晴らしい演奏です。見事な演奏です。
ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますが緻密で素晴らしい演奏になっています。勢いがあります。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏しています。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。
チェンバロ協奏曲第1番ニ短調はジャネット・ソレルのチェンバロ・ソロと指揮による演奏です。第1楽章:アレグロ、第2楽章:アダージョ、第3楽章:アレグロの3つの楽章で構成されています。チェンバロは音が大きくないので目立ちませんが、第1楽章のソロ部分はきれいな響きです。第2楽章はチェンバロのきらめきが印象的です。第3楽章はチェンバロの高音域のきれいな響きが素晴らしいです。
チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調もジャネット・ソレルのチェンバロ・ソロと指揮による演奏です。第1楽章:アレグロ、第2楽章:ラルゴ、第3楽章:プレストの3つの楽章で構成されています。ピアノでも演奏される名曲です。第1楽章はチェンバロのソロもよい響きです。第2楽章のラルゴは大変有名な曲です。演奏も素晴らしいです。第3楽章も華やかで素晴らしい演奏です。カデンツァも見事な演奏です。
ヴァイオリン協奏曲ニ短調BWV1052は紛失されていたもので、チェンバロ協奏曲第1番に編曲されていたものを復元したものです。エリザベス・ウォルフィッシュのヴァイオリン・ソロです。第1楽章:アレグロ、第2楽章:アダージョ、第3楽章:アレグロの3つの楽章で構成されています。第1楽章からヴァイオリンの魅力的な響きが聴かれます。第2楽章は美しいアダージョです。第3楽章は快適なアレグロで見事なヴァイオリンの演奏です。これは名曲、名演奏です。 |
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