その他のホルン作品

ヴァイオリンとホルンのためのアメリカ音楽/ハワード・ウォール(2017〜20)
CD(Affetto AF2007)

ヴァイオリンとホルンのためのアメリカ音楽
1.デューク/エチュード(ハワード・ウォール編)
2.クラーク/子守歌(ハワード・ウォール編)
3.ヒッキー/マラ・ストラナ
4.レイミー/2つの二重奏曲
   1)瞑想曲
   2)バラード
5.セレブリエル/一つの心が壊れるのを
  とめられるなら、私は無駄に生きてはならない
6.アムラム/ブルガリアの結婚式
7.トレスター/ヴァイオリンとホルンのための
              プロホドナ
8.バグ・バウアー/バップ・デュエット第8番
             (ダルヴァロワ&ウォール編)
9.デューク/4月のパリ(スコット・ダン編)
10.ヤン・バッハ/4つの2ビット・コントラクション」
         (抜粋)(ダルヴァロワ編)
      2)カリオペ  3)グラモフォン
11.フィリップ・レイミー/ヴァイオリン、ホルン、
     ピアノのための協奏曲エピソードから
    2)抒情的なデュオ (アンダンテ)
    8)悲しみのデュオ (アンダンテ・ペンシボ)
12.バグ・バウアー/バップ・デュエット第9番
          (ダルヴァロワ&ウォール編)
13.デューク・エリントン/ブラック・ビューティー
           (ダルヴァロワ&ウォール編)
14.クラーク/グロテスク(ハワード・ウォール編)
15.トンプソン/「ウン・ディアリオ・エスパニョール、
        パギナ92」の断章(ダルヴァロワ編)
16.ポール・ネロ/ピッツィ・キャッツ
         (ハワード・ウォール編)

 エルミラ・ダルヴァロワ(ヴァイオリン)
 ハワード・ウォール(ホルン)
 録音 2017〜2020年

 アメリカのホルン奏者ハワード・ウォールとヴァイオリンのダルヴァロワの二重奏です。いずれも世界初録音になります。
 ヴァーノン・デュークの「エチュード」はハワード・ウォールの編曲です。ホルンを伴奏にヴァイオリンが演奏しているような小品です。とはいってもホルンは縦横に楽しそうに演奏しています。
 レベッカ・クラークの「子守歌」はハワード・ウォールの編曲です。この作品もヴァイオリンが歌う子守歌のようです。中間部ではホルンが朗々と歌います。
 シーン・ヒッキーの「マラ・ストラナ」はヴァイオリンとホルンのためのオリジナル作品です。この作品ではヴァイオリンとホルンが対等に演奏しています。ホルンが歌うとヴァイオリンが応答したり、大変よくできた作品集です。二人の息の合った演奏が素晴らしいです。
 フィリップ・レイミーの「2つの二重奏曲」はヴァイオリンとホルンのためのオリジナル作品です。第1曲「瞑想曲」はアダージョです。ホルンとヴァイオリンが瞑想するように穏やかに歌います。第2曲「バラード」はアダージョ・コン・モトです。穏やかな主題をホルンとヴァイオリンが歌います。そしてこのバラードはホルンがミュートを使うなど多彩な音色を楽しめます。
 ホセ・セレブリエルの「一つの心が壊れるのをとめられるなら、私は無駄に生きてはならない」はエミリー・ディキンソンの詩集をもとに書かれたものです。ヴァイオリンの力強い演奏にハワード・ウォールの詩の朗読が入ります。そしてホルンが縦横に演奏します。またウォールの朗読が入ります。後半にはダルヴァロワも詩の朗読をしています。良い演奏です。
 デイヴィッド・アムラムの「ブルガリアの結婚式」はヴァイオリンとホルンのためのオリジナル作品です。結婚式の華やかな雰囲気を楽しそうに演奏しています。お互いに語りかけるように、仲良く演奏しています。
 フランシーヌ・トレスターの「ヴァイオリンとホルンのためのプロホドナ」はオリジナル作品です。冒頭に朗読が入ります。そしてホルンとヴァイオリンが語り掛けるように歌います。ホルンの抒情的な演奏が素晴らしいです。ヴァイオリンが時折聴かせるピツィカートは良い響きを出しています。
 バグ・バウアーの「バップ・デュエット第8番」はエルミラ・ダルヴァロワとハワード・ウォールが共同で編曲しています。快適なテンポで楽しそうに演奏しています。
 ヴァーノン・デュークの「4月のパリ」はスコット・ダンの編曲です。パリの街を表現するようにヴァイオリンとホルンが演奏しています。芸術の都パリを自在に表現しています。楽しそうに演奏しています。
 ヤン・バッハの「4つの2ビット・コントラクション」からの抜粋はダルヴァロワの編曲です。第2曲「カリオペ」はワルツのテンポでホルンとヴァイオリンが歌います。互いに応答するように演奏しています。第3曲「グラモフォン」は速いテンポでヴァイオリンが演奏して、ホルンがついていきます。
 フィリップ・レイミーの「ヴァイオリン、ホルン、ピアノのための協奏曲エピソード」から2曲演奏しています。第2曲「抒情的なデュオ」は(アンダンテ、ホルンが低音を朗々と演奏して、ヴァイオリンが対話します。第8曲「悲しみのデュオ」は(アンダンテ・ペンシボ、このデュオはホルンに始まり、応答するようにヴァイオリンが歌います。ヴァイオリンのすすり泣くような響きが美しいです。そこにミュートをつけたホルンが歌います。
 バグ・バウアーの「バップ・デュエット第9番」はダルヴァロワとハワード・ウォールの編曲です。これも楽しそうな小品です。
 デューク・エリントンの「ブラック・ビューティー」はダルヴァロワとハワード・ウォールの編曲です。アメリカの演奏家ですから、このスイングジャズ風の曲を楽しそうに演奏しています。これぞアメリカの音楽です。
 レベッカ・クラークの「グロテスク」はハワード・ウォールの編曲です。題名の通りかなり強烈な表現を要求しています。楽しい作品です。
 ブルース・トンプソンの「ウン・ディアリオ・エスパニョール、パギナ92」のフラグメントはダルヴァロワの編曲です。ホルンの演奏にのってヴァイオリンが美しい主題を演奏しています。きれいな小品です。
 ポール・ネロの「ピッツィ・キャッツ」はハワード・ウォールの編曲です。元気な猫をヴァイオリンが表現しているようです。原曲はヴァイオリンとベースのようです。ホルンは低音が多いですが楽しい作品です。これは良いアルバムです。


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