呪わしきハムレット10'




 湊の唇が首筋を伝う。 
 身体が否応なく震える。
 やばい……こっちが籠絡しなきゃいけない立場なのに、俺の方がオチそうだ。
 なんとか余裕の笑みをうかべ、湊の目を見つめる。
 既にスーツもワイシャツも取っ払い、上半身は裸。
 この身体も、カメラ越しに写るんだろうな。
 まぁ、既にドラマでも裸体見せてたりするけどさ。
 でもこうやって触ることができるのは俺だけ。
 胸板をそっと触れてみる。
 しっかり鍛えてあるよな。俺もここまでじゃなくてもいいから、ある程度鍛えたいんだけどな。
 すると湊はかすかに、にやっと笑みを浮かべた。
 あ、この前の意地が悪い笑みだ。
 ふ、藤木はそんな笑顔浮かべないだろ。湊。
 やや笑顔を引きつらせる俺に、湊はすかさず俺のジーンズのボタンを外し、一気に引き下ろす。
「あ……せ、先生」
「駄目だろ、支祐君。学校でこんなにしたら」
 下着越し、固くなってしまったものを触れてくる藤木───じゃなくて、湊。
 馬鹿野郎、何、台本脱線してんだよ。
 藤木はそんなことしないっつってんだろ。
「せ……先生の所為だ」
 一応、台本の中にある台詞を俺は懸命に言う。
 湊の手が俺の下着を下ろし、今度は直に触れてくる。
「そ、そこ出すのはNGだろ。先生」
「先生……って言われるの久々だな」
「……」
 くすっと笑う湊に、俺は顔を真っ赤にする。
 そう言われたらそうだ。
 以前は来嶋って呼んでいたし、今では下の名前でずっと呼んでいて。
「たまにそう呼ばれると萌える」
「馬鹿言うなよ───ったく。結局役が続かないじゃん、これじゃ」
「まだまだ修行が足りないな」
 一度俺自身を離し、湊は既に透明な液で濡れた自分の指を軽く嘗める。
 そして今度はズボンも下着も脱ぎすてた。
「あんたから離脱したくせに。大体好きな人にこんな……触られたら……演技なんか吹っ飛んでしま
うよ」
 俺も上のシャツを脱いでから、再びソファーの上に横たわる。
「嬉しいこというな。お前から好きって言われたの、初めてかもしれない」
「そ、そうかな?」
「ああ、そうだよ。ま、実を言うと俺も同じ気持ちなんだ」
「湊……」
「好きな奴にそんな目で見られたら、演技どころじゃなくなるだろ」
───
 湊はそういうと、俺の上に身体を重ねて、それから唇にキスをしてきた。
 ……やっぱり、家の中じゃ駄目かな。お互いオフ状態だし、それに今は演技をしたいよりも、どっち
かというと、湊としたい気持ちの方が大きくて。
 口に舌を入れながら、湊の指が胸の先端を掴んできた。
 ひとりでに身体がびくんっと震える。
 指先が遊ぶように先端を転がす。
 否応なく固くなる乳首に、湊はキスをやめて、今度はその部分を強く吸う。
「ひ……っ!」
 いつにない刺激に身体がまたびくんと跳ねた。
 胸の部分を唇と舌で攻めながら湊は俺の右膝を持ち上げた。
 そしてもう一方の手は、広がった後口に伸びてきて、二本の長い指を押し当ててきた。
「あ」
 一瞬、声が詰まる。
 つぷっと軽く異物の抵抗の音が聞こえるものの、いざ中に入るとすんなり根元まで受け入れてい
た。
 指の先端は一番感じる部分を擦ってくるから、背筋に快感が走る。
「み……湊……」
「ますますエロい身体になっているな。指もこんなに締め付けてきて」
 湊は挿入している指をわざと出してから、また入れる行為を繰り返す。
「そ、そんなこと……」
 俺は思わず首を横に振る。
 しかしそれに反して、指の動きに合わせて腰を振っている自分もいる。
 後ろの入り口が解れていくのも、既に感覚で分かる。
 湊の指が引き抜かれた。
(あ……来る)
 大きく脚を開かれ、解れた入り口が晒される。
 こんな恥ずかしい格好、絶対湊以外の男には許さない。
 十分に解れた入り口に固くなった湊自身が入ってくる。
 後ろが満たされていくのが分かる。
 湊と関係するようになってから知った快感。
 後ろに入れられるこの快感は、きっと湊以外の男からは得られない。
「あ……はっ……」
 自分の吐息が熱くなっている。
 湊が腰を打ち付けて来る。
 太い杭は何度も出し入れを繰り返し、そして最も感じる場所を穿ち、気の遠くなるような快感をもた
らす。
 ふと湊の顔を見ると、頬を紅潮させ気持ち良さそうな顔をしている顔が間近にあった。
 きっと誰も見ることのない湊の顔だ。
 俺は湊の頬を両手で挟み、キスをする。
 湊がすぐに唇を割って、舌を入れてきた。
 唾液と熱い吐息が絡み合い、静かな部屋に唇を貪り舌を絡める音と、湊自身が俺の中で激しく律動
する音のみが響き、なんかやらしい雰囲気が充満している。
「お前は本当に最高だな」
「あんたが最高、だからだろ」
 俺はふっと笑って言った。
 以前だったら、湊に言われるまま、されるままだったけど、今は言葉を返す余裕ぐらいは出来てき
た。
「色っぽく笑いやがって」
 どこか嬉しそうに言う湊。
 まだまだ向こうにリードされっぱなしだけど、その内、俺の方が主導権握って、あんたを翻弄させて
やる。
 ああ、それぐらいの男になってやるさ。
 湊が俺の中で、熱い奔流を放ったと同時に、俺もまた絶頂を迎えた。
 結局、俺たちは晩ご飯も食べないまま、三回……いや四回だったかな。いつも通り、一回では済む
わけがなく、疲れたからそのまんま眠ることになるのであった。




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呪わしきハムレット11

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