それからリョウマ達は、氷の女魔人の繰り出す霙嵐や無数の矢に苦しめられたが、事前に女先生とのデートの約束があった

ゴウキが一人活躍してくれたおかげで無事倒すことが出来た。

「デミグラスソース一瓶にバター一個・・」

「悪いな、二人とも。買出し付き合わせて」

「今日は俺とヒュウガの当番なんだけど・・」

薄茶色のメッシュを入れた黒髪を垂らしたハヤテは、両脇の連れに声をかけた。

昼間の都会の大通りは、買い物客や外国人観光客でけっこう混み合っていた。

さん、ヒュウガはゴウタウラスのとこにいってるんでしょう?」

勇太は隣の大きなお姉さんに尋ねた。

「うん、それにサヤは別の仕事があるっていってたし・・」

は(本当は最近、サヤの視線が怖いからなんだけどね〜)と心の中でため息をつきながら

思った。



「ほら、二人とも。これ飲むか?」

と勇太をちょっと待たせて、ハヤテがどこかでコーヒーを三つ買って戻ってきた。

「今日は俺のおごり。買出しに付き合ってくれた礼だ」

「ここのコーヒー旨いんだ」

は歩き回ってちょうど喉が渇いていたところだったので、喜んで受け取った。

こんな時には甘いコーヒーがことのほか美味しい。

三人はスチール製のベンチに腰掛けて休憩し、コーヒーを楽しんだ。

ハヤテはのどんな表情でも見ていて飽きなかった。

(何だか今日は俺達、デートしてるみたいだ・・)ハヤテは自分に笑いかけてくる

見て不覚にもそう錯覚してしまった。

たちまち彼はどぎまぎして、それを隠そうとコーヒーカップに顔をうずめた。

「あのさ・・」

「え、何?」

ハヤテの真剣味を帯びた声に、は飲みかけのコーヒーから顔を上げた。

「お前、ヒュウガのことは・・」

「あっ、コーヒーで思い出したけど、ヒカルの好きなドーナツ買い忘れてた!」

はコーヒーカップを持ったまま、ベンチから立ち上がった。

「今頃、すっごくお腹空かしてるもの。買って来るね!」

「あっ、おい・・」

「すぐ戻るから待っててね〜!」

ハヤテの声が後ろから追いかけてきたが、は花のような笑顔でくるりと振り返ると

駆け出していった。















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