「ん……ぅん……あ……。」
しかしその相手の姿はどこにもない。
思い出すあいつの声と身体と
そしてその言葉に身体が震えた。
思い出す通りに手を動かすと
電撃のように快感が走る。
切なかった。














A shadow of that …













自室に伏せてある写真立てを
そっと立ててみる。
サッカーの試合会場で笑う男2人が映った写真。
微笑みかける写真の中の2人は幸せそうだった。

もともとそういう仕事をしていたってこと、知らなかった。
なんだかんだってからかうけどずっと俺だけ
ずっと俺だけ見ていてくれるって思ってたのに……。
あいつを見てそんな風に思っていたのは俺だけじゃない。
それさえ受け止めて付き合っている男もいるって聞いたけど
やっぱり俺には耐えられなかった。

別れてどれだけの時が経ったのだろう……

思い出すとどんどん苦しくなって切なくなって
それだけで身体まで反応してしまう。
あいつはこんな風に触れてくれた、
こんな風に囁いてくれた、
その欲望の赴くままに手まで動いてしまうんだ。

「う……ぐ、はぁ。」
何度でもよみがえる声。
もう身体が覚えてしまっているあいつの手の動きを真似て
触れるあの場所……。
「ふぁぁ……んん……」
まるであいつに触れられているような気分になる。
今更思い出してももう、どうすることもできないのに
狂おしいほどの快感に埋められる。
「あ……や……キアぁ……っ」
目を瞑ると浮かぶあいつの姿。
あいつが俺に触れる時のあの顔、手つきも
鮮明に描かれる。
……あいつが俺に触れてる。
考えるだけでゾクゾクする。
同じように自身に触れる手も早くなって、強くなって……。

「あ、あ……っ、うぁぁっ。」
白く濁った液体が宙に舞った。
「はぁ、はぁ……っ、はぁ。」

何故だろう……涙が出てきた。
気持ちいいことは確かで、でもその事実が苦しくて切なくて
嫌になる。

でもひくつく穴はまだあの存在を覚えていた。
早く早くとせかすようにうずく。
「うぁ……あ……ぐ、あっ、ああぁぁっ。」
指を埋めるときゅっと絡み付いてきて
俺に快感を走らせる。
「んん……あ、キア、キアぁ……。」
忘れられるはずもない自分の感じる場所を
指で刺激すると、たまらない電撃。
キアはこんな風に触って……指を折り曲げて……
「や……やめ……キアぁ……。」
はやる気持ち、全部覚えてる感じるところ。
「あ、もう……イくっ、あ、んんーっ!」





どうして……?
身体は確かに気持ちよかったはずなのに。
今の俺には虚無感しか、ない。
「……はぁ、はぁ。んっ……はぁ。」

もう忘れようって思ってるのに
思い出しては消えていく、そしてまた思い出す。
一緒にサッカーしたことも、バイクで走り回ったことも
元気のない俺を励ましてくれたことも、ぎゅっと抱きしめられたことも
あいつを……キアを好きだったことも。
そう、シャボン玉のように。

あぁまた……涙が出てきそうだ。



















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そうです、完全に趣味です。
このシチュエーションが一度書いてみたかった……。
ひとりえちーネタ大好きです、ごめんなさい。

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