「いい加減…会いにきてくれたって…。」
今日も仲間とそっと時間をずらして駐車場にきたのに
その黒い姿は見えなくて。
思わずため息をついてしまう。

「き…きっとキアも何かあるんだろうな。それなら…それなら俺が呼んでやるか。」
仕方ねーな仕方ねーなとぶつぶつ念仏のように唱えながらイェンスは受話器をとった。














2人のバイクデート!













「……」
とったはいいがどうやって誘おうか…イェンスは何も考えていなかった。
「おいイェンス?俺に用があったんじゃねぇのか?」
受話器の向こうでキアの少しだけ高揚する声が聞こえる。
「あぁ…えっと…。」
素直に会いにきて欲しいなんてとても言えない。
イェンスは思わずどもってしまった。
一方でそんなイェンスの気持ちが電話越しにさえ
手にとるようにわかるキアはそんな可愛いイェンスに笑みを浮かべる。
しかしそれだけで…いや,だからこそキアは助けの言葉など出さない。
「用がないなら切るぞイェンス?」
わざと素っ気ない響きを織り交ぜたキアの最後の釘。
それが最後でないことなどわかっているから。

「お…お前と会った時のバイクレース!もう一回やろうぜ,俺お前に負けっぱなしってのは気に食わないし!」
一気にまくし立てるように思い付きをべらべらとイェンスは並べた。
もちろん本当はそんなことどうでもいい。
会いにきてくれればなんだっていいんだ。

「はぁん。」
どんな風に俺様を誘うのか…
ゾクゾクしていたキアにはちょっと腑に落ちない誘い文句ではあったが
イェンスなりには精一杯の誘いだったのであろうことはもちろんわかっていた。

「べ…つにお前が俺に勝つ自信がないんだったら,いいぜ。お…俺の不戦勝だな。」
きちんと返事をくれないキアにイェンスは焦ったように挑発する。
挑発されて,むしろ手の上で転がされているのはイェンス自身なのにも気づかずに
またまた可愛らしい反応を見せる意地っ張り。
片手で漏れる笑みを隠し必死に誘っているのであろうイェンスに
キアはようやくうなづいた。
「ま,俺が負けるわきゃねーんだけど。どうしてもっていうからなイェンスが。」
「…そっか。…ってべつにそんなこと言ってないだろ!」
怒ってわめいたようなその口調の中にも
甘えるような嬉しそうな響きがその言葉にこもっているのは間違いなかった。





*****************************




「久々のデートだな。」
くすくすと笑いながらバイクに乗りちょこんと待っていたイェンスに
キアは元気良く笑って話し掛けた。
「…あ!違う!デートじゃない!」
せっかく思わずあげる声に嬉しそうな響きが混じっていたのに
すぐに予想通りの反応に戻ってイェンスはキレだす。

「い…いいから!さっさとバイクの勝負するぞ!」
そう言ってイェンスは目の前に大きく広がる草原を指差す。
こうやってかまっているのもキアにとっては楽しいのだがあまりにかまいすぎると
ご機嫌を損ねかねないので話をあわせてやった。

「男なら1発勝負だよな,イェンス。それと…わかっているとは思うが…」
ニヤリと笑みを浮かべ舐め回すようにイェンスを見ると
さらに言葉を続けた。
「その身体が罰ゲーム,今回はきちんと先に言っておいてやったんだ。感謝しろよ。」
ぼっと紅く染まるイェンスの頬を片手でそっと包み込む。

「…要するに俺が負けなきゃいいんだろ。」
キアのドライビングテクニックの凄さはわかっているから
心の底では初めから勝てるなどとイェンスは思っていないことを認めていた。
このバイクレースもキアに会うための口実の一つに過ぎないのだから。
だからこの言葉も単なる強がり。
しかし素直に最初から負けを認めるほどイェンスの中の男は廃れちゃいない。

2人はバイクを発進させた。
スタートから差は開いてしまったが前を行くキアをイェンスも必死に追いかけた。
しかしながらキアの圧倒的なテクニックの前にはなすすべもなく
キアはあっという間にゴールについてしまった。
負けるとはわかっていたがやっぱりどこか悔しいイェンス。

「ちぇ…やっぱりキアはすげぇなぁ……。」
ついぽろりと本音が漏れてしまったイェンスにキアもまた
ようやく認めたかとぽんぽんと頭を撫でた。
案の定……
「別にそんなつもりじゃ!」
とイェンスも必死に言い訳を模索する。
しかし一度口に出してしまったことを覆すいいわけなどすぐに思いつくはずもなく
イェンスは観念したように小さくため息をついた。

「で?もちろん俺の罰ゲームは受けてもらうからな。」
キアがそう口にすると何を言うまもなく深く荒々しいキスが降る。
あたりはすっかり夜になっていた。
面白そうに観戦していた周りの野次馬もいつしか消えていて。
今ここには2人の姿だけが浮かんでいた。

「ん…んぅ…キアぁ…」
久しぶりのキアとのキスに酔いしれるようにそんな荒々しいキスにも
イェンスは鼻にかかったような甘い声を漏らしてしまう。
「嬉しそうな声出しやがって。本当は今日だって…いや,それは言わないでいてやるよ。」
全てを見透かされているようで恥ずかしいけれど
もう言い訳を考える余裕もないほどにキアに酔ってしまっていて。

バイクの上にイェンスを押し倒し,薄いイェンスの服をたくし上げると
キアは胸のかざりを転がす。
しかし久々だということもあってかいつもよりも感度もよく
キアを煽るように甘い嬌声をあげるイェンス。

「あ…んん…ぅ…あぁ…」
夜風がイェンスの肌を撫でるように吹き抜ける。
キアももうそんな前戯など楽しんでいられるような状況ではいられなくなり…
そのハーフパンツの上からキアはダイレクトにそれを掴んだ。
キスに酔い頬を染めていたイェンスは突然の快感に
先ほどとは違う大きな喘ぎ声を漏らした。
「や…あぁぁ!…ん…」
その甘い声に性急になってしまったキアはイェンスのハーフパンツを剥ぐように下ろし
中のパンツもの中をまさぐる。
「…っ…あ…やぁ…」
息をゆっくりと吐きだす間もなく喘がされとろとろと白く濁った液体が溢れる。
バイクのサドルが濡れタイヤを伝って草の上に落ちていく。
ベッドと違い安定しないそのバイクのサドルが初めての興奮と快感を与え
いつも以上に熱くなった身体はほどよい外気に晒される。
熱さと涼しさがあいまって身体が甘くとろけてく…

「あっ…キア!…あぁ…ん。」
何の予告も無しに,つぼみには突然指を入れられる。
中を擦られいじくられまさぐられ,イェンスの中のすっかりご無沙汰だった快感を目覚めさす。
加えていつもとは違う周りの環境が伴いたまらないといった表情を見せるイェンス。
早く…早く…欲しい。
しかし段々と増えていく指の数にあわせて深く喘がされ続けるイェンスには
そんなこと伝える余裕すらない。

「キアぁ…あっ…んっ…。」
力の入らない手でキアの黒い軍服のすそを掴む。
それはサイン。
もう欲しい…たまらない,その時のサイン。

「わぁってるって。」
キアがそう言って自らの汗を一度拭うとそれはすぐに満たされた。
ずっと待っていたもの…

「あ…あぁぁぁぁぁぁぁ…ふぁあ…ん…」
ずっと奥まで貫かれ,イェンスは今までとは比べ物にならないくらいの甘い甘い嬌声をあげた。
たまらなく疼いていた中が満たされまた抜けていこうとするキアをぎゅっと捕らえるように
妖しくうごめく。
何度もそんなことを繰り返している内に快感の波は押し寄せてきていた。
その幅もそしてスピードももうわからない。
身体はただその快感に飲まれていくかのよう…
もう…

「あ…だめ…俺…キアぁぁぁぁぁぁ!!」
大きな弧を描くように白濁は放たれる。
バイクのサドルにのけぞるようにイェンスはイってしまった。

「はぁ…はぁ…。」
甘い余韻に浸るイェンスにキアも満足そうに自らのバイクに背をもたれた。
「お前,前よりバイク早くなったんじゃねーか?」
そういえば,と思い出したようにキアがイェンスの方を振り向く。
思ってもみなかった言葉にイェンスは驚いたような顔をキアに向けた。
「俺のバイク…?」
そう言ってまだ淡い桃色に色づく顔がバイクとキアを交互に見る。
「あ…ありがと。」
もちろん褒められて嫌なことなんてなく,素直に喜ぶイェンスをキアは横目でちらりと見る。
でもやっぱりキアらしいところは相変わらずで。

「ま,俺のテクには到底叶わないだろうけどな。バイクも,それと忘れちゃいけないセックスもな。」

なんてニヤリと笑う。

もう,すぐ何分か前の出来事を思い冷めてきていた身体もあの熱を思い出す。
「う…うるさい!いつか絶対キアを抜かしてやるからな!バイクも!…セックスだって…」
強気だった最初の言葉とは裏腹に最後の方はぼそぼそと聞こえないくらいの小さな声になってしまう。
「待ってるぜ!」
ことさら大きな声で挑発するキアにイェンスはやっぱり負けじと叫ぶのだった。

「せいぜい余裕で待ってろよっ!!」

久々のバイクレースデートはイェンスにとってはもちろん
キアにとっても楽しい1日となりました。

















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ということでリクエストいただいたので書いてみましたイェンスたんの18禁でした。
なんだか私…18禁となると妙に話が長くなるところがあります。
まぁ普通の話+えちーなわけですから当たり前といえば当たり前ですが。
やっぱりえちーしてるだけじゃ18禁の魅力も半減すると私は思うわけですよ。
というか何私は偉そうに言ってるんだろうか…。
まだ全然書きなれていないくせにえちーな場面をよ!(汗)
今回はちょこっとですがプロットたててみたので話もすんなり出来てよかった。
しかしえちーなところイェンスたんに甘えさせすぎた気が…。
もうちょっと怒らせてみてもよかったかなと思いつつ書き直さない私がいる(爆)


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