「なんで俺がお前なんかと2人でこんなところに来てんだよ!」
ぶつぶつと文句をたれるイェンスだが顔はへにゃへにゃに笑うのを隠せなかった。
本当はもちろん嬉しいのだ。
誘ってもらえたことが…何より長い時間一緒にいられることが。
「別にいいんだぜ?お前が嫌なら帰っても。」
ニヤリと笑ってキアはイェンスを挑発する。
余裕のキア。
答えなど最初から出ているから…
「べ…別に行かないなんていってないだろ!それに…キア1人じゃ…か…可哀想だしな…」
相変わらずの強がりにキアも苦笑するしかなさそうだ。
隠し切れない想い
2人は近くのテーマパークに遊びに来ていた。
なんだかんだと文句をつけたところでイェンスも子供なのである。
騒いではしゃいで楽しそうに笑顔をこぼしていた。
しかしとあるアトラクションの前にきて急にイェンスの顔が曇りだした。
「ほ…ホラーハウス…。」
「は~ん,もしかして怖いのか?」
面白がってキアはまたまたイェンスを挑発する。
もちろんその通りにイェンスはキアの挑発にのってしまうわけで…
「こ…怖いはずないだろ!ざけんなよ!」
歯をぎりぎりむき出すようにイェンスはそんな言葉を吐き出した。
ドスドスと大きな音をたてて先導するように先を行く。
「この俺がこんなのごときに怖がるはずないだろ!」
それは自分に言い聞かせているようにも見える。
「早く来いよ!」
ったく怖いなら怖いって言えばいいものを…
早速2人でホラーハウスに入った。
しかしやはり怖いのだろう,おぼつかない足取りで前に進むイェンス。
どんなに意地を張っていてもボロは出てきてしまう。
何か出てくる度に身体がビクッと震えているのも後ろから見ていると簡単にわかってしまう。
「無理すんなよ。」
ちょっとからかい過ぎたかなとキアが声をかけると案の定
「うるさい!無理なんてしてない!」
という言葉が返ってきた。
どうしてもキアにボロを見られたくないという変に高いプライドが
譲れないと頑として…
しかしやはり我慢の限界というものはあるようで…
最後に後ろから襲ってきた包帯男にイェンスは思わず後ろにいるキアの方へ
走るとその手をぎゅっと握った。
ずっと我慢していたのだろう,その手はかすかに震えていた。
キアはその背中をぽんぽんと安心させるように優しく叩くと
そのままその手をひいて表へ出る。
「怖かったのか?」
ベンチに座った2人。
キアがイェンスに問う。
「違う!キアが怖いんじゃないかって手握りに行ってやったんだ!」
もちろん心の中では認めているのだ。
その無機な怒り方からしてそれは明確である。
それでも素直に言葉に出来なくて…。
悶々とするイェンスを見てキアもまた苦笑をこぼす。
「さーって,次は何乗るかな!」
もう忘れたいとでもいうようにイェンスはベンチから立ち上がった。
じっとパンフレットを手にしたと思えばそう
何の前振りもなく唐突にこんなことをぽつりと呟いくようにキアに向けた。
「…さっきは…ありがと。」
酷くぶっきらぼうでお礼を言うような態度には程遠いが
普段滅多に素直にならないだけにキアにはなんだか酷く可愛らしく
見えてしまう。
くすくす笑うとまた笑うな!と大声でキレてしまったけれど。
…今夜は寝かせないぜ…
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難しい…。
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