タイトル『嬉しくて照れちゃって。』













私に背中を見せて去っていく守くんが映る。
私がいくら手を伸ばしても,いくら叫んでも
振り向いてもくれなくて。
嫌だよ。
怖い!
怖い!
怖い!

かすんだ意識の中ででもはっきりとわかった。
不安でどうしようもなくてとめどない涙を流している自分。
怖くて嫌でいてもたってもいられなくて
気づいたら近くにあった大きな枕に私は顔をうずめていた。

















そうしてどれだけたったのだろう。
何時間もの長い時間だったかもしれないし
もしかしたらほんの何秒かの短い時間だったのかもしれないけど
私の頭の上には彼の大きくてちょっと硬い手の平がのっていて
身体は彼の一回り大きな腕に抱きしめられていた。

こうされると忘れてしまう。
今まで涙をこぼしていた理由も。見ていた怖い夢のことも。
吹っ飛んでしまった,何もかも全部の不安が。
ばかばかしくさえ思えてきて何だか笑えてきてしまう。
こんなに想われてるのにって,笑えてきてしまう。

「えへへ…ふふ…」

なんだか嬉しくて,照れちゃって。
そうしたらそっぽ向いて言われた。

はそうやって笑ってる方がいい。」

それからまたこちらを向いて
でも顔は見られたくないのかちょっとだけ伏せて
ぎゅっとしてくれた。




























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守はツンデレだと思う。


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