タイトル『Very berry Strawberry』















「これ……買ってきてくれたの?」
「えぇ、このケーキ今、巷で美味しいって評判なんですよ」

慣れない手つきでそっと、ヒカルくんはケーキにナイフをいれた。
動いてしまわないように、と私がケーキを押さえると
初めての共同作業ですね、と何の悪びれもなく笑う。

「な、何恥ずかしいこと当たり前のように言ってるの!?」
「ほら、きちんと持っていてくださいね。ナイフは刃物なんですからね」
小さく笑みをこぼすヒカルくんに、私は年上の立場なし。
「むくれないでくださいよ、ね」
ケーキを切り終えるとナイフを置いて、ヒカルくんはそのまま私の頬に手を滑らせた。
親指を目の下にするり、
深春 さんは笑顔が一番、可愛いんですからね」

本当にどっちがどっちなんだかなぁ……
でも、そんなヒカルくんだから私は好きなんだと、飛び切りの笑顔を向ける私。
するととても嬉しそうにヒカルくんもまた、笑ってくれた。

「さて、食べましょうか」
先ほど切り分けたケーキを各々の皿に乗せる。
さぁ準備も整った。
「いただきます!」
噂どおり、とても美味しそうなケーキに私は今更ながらに目を輝かせた。
そして当たり前のように、ざくっといちごにフォークを刺し、
そのまま口へと運んだ。
「う~ん、美味しい!」
甘くて、でもちょっぴり酸っぱい、そんないちご。

深春 さんって、先にいちごを食べるタイプなんですね」
そんな私を見て、自らはゆっくりとスポンジを口にするヒカルくん。
「え?ヒカルくんは違うの?」
驚いて目をぱちぱちさせる私に、今度はヒカルくんが驚いたようにそうして。
「僕は……最後までとっておく派です。なんとなく、もったいなくて」
「もったいないなんて、言ってられないわ……よっと!」

そんなヒカルくんの余裕のない顔が見てやりたくて、
彼のケーキの上のいちごをひょいとつまみ食い。
「ほら、こうやって盗られちゃうかもしれな……んん……!?」
見れば、ヒカルくんの顔が私の物凄く近くにあって、
熱い吐息が鼻腔をくすぐっていく。
唇をちょいちょいとつついて、そして私のこじ開けて、
何をするかと思えば程よく噛み砕かれたいちごを少しだけ自分の口の中へと持っていった。
それでもまだ、少しの間そうして唇を重ねて、
名残惜しそうにちゅっと音をたてて、そしてやっとそれを放した。

「そんなことがあれば、こうやって取り返したらいいんですよ」
真っ赤な顔でかたまる私に、ヒカルくんは涼しい顔でそう微笑んだ。
「美味しいですね、本当にこのいちご」

結局余裕のない顔を見せたのは私で、
ヒカルくんは年下のはずなのに結構強引で、
ドキドキさせられっぱなし。

「ヒカルくんには勝てないよ」














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070310 久々に甘ったるいの書いた。栄光学院大学でプレイしたい。



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