タイトル『先輩彼女』
「
空美
先輩……。」
「ほら!だらだらしないの!一緒に頑張ろうって言ったばっかりでしょ。」
そうなんだけど……。
俺の彼女である
空美
先輩は属にいうスパルタだ。
そんなところも嫌いじゃないけれど
折角彼女と一緒の時間に過ごしているんだから
もっと俺だっていちゃいちゃとか、したいッス
なんて言える空気じゃ、とてもない。
「今日はあと計算のプリントだけッスから、夜にでもやりますよ。」
「ダメよ優くん!今片付けるの!」
午前中は野球部、午後は宿題、
なんだか疲れがたまっていくような感じさえする。
ため息混じりにファイルにとじているそのプリントを取り出す。
「わかったッスよ~……。」
真面目に問題を解きだす。
正直数学は得意ではないけれど、いつまでもこのままではいられない。
「はぁ~、やっと終わったッス。」
そうして解き終わったプリントをファイルに戻そうとした
そのとき……
ぎゅっ
その手を
空美
さんにとられてしまう。
どうしたのだろう、と振り返るまもなく
その手を強くひかれて唇に、触れた。
「やっといちゃいちゃ出来るね。」
ただ驚く俺の唇から離れたと思ったらそんなことを
恥ずかしげもなく口にする
空美
さん。
嬉しそうに笑って俺のほっぺに頬ずりする。
今更になってなんだか照れてしまう。
さっきのスパルタが嘘のように甘える彼女。
不思議に思ってちらっと横目にみると
それに気づいたのか頬ずりを止め、
空美
さんは少しだけ恥ずかしそうに目を伏せた。
「だって……何の気兼ねもない方がずっと一緒にその……。」
急にしおらしくなる彼女。
けれど、ようするにそれをまとめると……
「それって、そのままの意味で受け取っていいんスよね?」
「う、うん。」
つまり、何の邪魔もなく俺と一緒にいたくて
宿題を心を鬼にしてさっさと片付けさせた、ってことだよな。
「
空美
さん。」
「……もう!何言わせるのよ!」
俺の胸に飛び込んできて思いっきり顔をうずめて
彼女はいやいやと首をふる。
こんなだから彼女に惚れてしまったのかもしれない。
誰よりもスパルタで
誰よりも頑固で
けれど、誰よりも俺のことを考えてくれて
そう、誰よりも甘えっこな彼女。
また余計に好きになってしまったみたいだ。
「じゃあ思い切りいちゃいちゃしましょうッス、ね。」
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ツンデレ彼女が出したくてかきました。
しかし猫たんとかこんな口調でいいんだっけ……
しばらくやってないとどうも忘れてしまいます。
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