タイトル『諦めきれない!』
「だって好きなものは好きなの!今から嫌いになるなんて……無理だよ。」
あの人に告白して見事に玉砕してしまった。
今は女の子のこと見ていられるような状況じゃないって。
あっさり振られちゃった……。
何日も何日も辛さが抜けなくて泣きじゃくった。
世の中上手くいかないなぁ……。
何度も諦めようとした。
それでもどうしても焼きついた彼の笑顔が脳裏から離れなくて
ここまで彼にのめりこんでいたのかと笑ってしまった。
俺,今はとにかくプロにならなくちゃいけないから
そういえば彼は振った理由を尋ねた時,そんなことを言っていたことを思い出す。
だから女の子を見ている余裕がない,そう言っていた。
それなら……それなら時間をかけて振り向かせて見せる!
プロになった時,きっといい返事がもらえるように。
「頑張れ友沢くーん!」
それからというもの私の猛烈アタックは始まった。
……といっても私が始めたのは彼の応援。
カロリーを考えたお弁当とか
毎日とにかくタオル持ってきたり
鬱陶しがられても迷惑がられてもそれは承知の上だった。
やれるとこまでやって出来ることは全て全うして
それでも嫌われたらそれで諦めようと思った。
それくらいの覚悟で毎日毎日ただただ彼に出来ることだけを考えて
突っ走ってきた。
そんなことをしばらく続けていたら
本当に少しずつ……少しずつだけれど距離も縮まった
そんな気がしてた。
「
!ジョギング……付き合ってくれないか?タイムはかって欲しいんだ。」
最初は困った顔をして断っていた彼が
仲良くなるにつれてこんなことも言ってくれるようになって。
その時,嬉しい気持ちと同時に気づいたことがあった。
もう当初の想いと同じくらい,彼の夢を応援したいという想いが
いつの間にか強くなっていることに。
友沢くんがプロになれるように!……って。
そんな出来事もおこり,小さなことの積み重ねだけど
気づかぬ内に私たちの仲はだんだんと
進展していっていたんだ。
そうして出会ってからどれだけの時間が経ったのか。
それはいつもと変わらずタオルと蜂蜜に漬けたレモンを渡した時だった。
「はい!今日も頑張ろうね!」
そういってまたクラスに戻ろうとすると
私の手はぎゅっと誰かにひっぱられた。
そっと振り返ると……
「と……もざわくん?」
不思議な顔で私が覗き込むと彼は照れたように鼻の頭を掻いて
言ったんだ。
「
!そ……そのプロになるまでにもう一回,前の返事。考え直しとく……から。」
信じられない言葉に耳を疑って
その顔を目で確かめ
そしてそれが夢じゃないことに気づいて……!
みるみる内に熱が集中する顔
火照る身体に頬をぎゅっと握って……
「うん!」
と大きく返事した。
やっぱり諦めなくて良かった!
あとは彼がプロになれるように
―――祈るだけ。
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何年か後には好きになってるかもな!というそんなセリフを言わせてみたかっただけ。
それだけだったのにいつの間にか長くなりましたよコレ(笑)
つぅかうーん…女の子が頑張る話が書きたかったのです,いつのもことですが。
難しいですよ難しい(汗)うひゃー……orz
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