「ほら、もう起きなさい。いくらお休みだからって、あんまり遅いのはよくないよ」
「だって、せっかくの休日なのに」
「まだ言う?痛い思いをして起きたいなら、それでもいいけど」
「えぇ?!やだよ、そんなの」
朝から、そんなやりとりの末に起こされちゃって。
まあ、そうは言ってもいまは9時半。平日よりはもちろん、ずいぶん遅い。
「ふゎぁ・・・」
朝ごはんも食べて、お布団干して、お洗濯。
もうちょっと寝たかったなぁ、なんて思いながら、洗濯物をはたいて伸ばして。
「う~ん、まぶしい」
日射しは、すごく鮮やかだ。物干し竿に掛けた洗濯物が、風にはためく。
「もう夏かぁ」
早起きも、悪くない。
起きてしまってお日様をあびれば、そう思えるんだけど。
でも、きっと明日も修ちゃんが起こしてくれるから、
だからお寝坊できちゃうんだよね。
つい呟いたら誰もいないのに「まったく、この子は・・・」って声が聞こえて。
思わず振り返ると修ちゃんのシャツがぱたりとなびいてあたしの頬を撫でていく。
「叱られたいなら、止めないけどね」
日射しの中で、真っ白なシャツが風に踊る。
ええっと、あの、その、冗談だよっ。ちゃんと、自分で起きるから。
焦ったあたしにぱたぱたと。がんばってね、とそれは笑った。
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