ぷっちんワンクッション。
こちらは、本編の方ではばっさりとはしょられている
艶司がどういう風にギルドメンバーと打ち解けていったか
というのを簡単にまとめたものです。
仲良くなった順に書いていってます。
あくまで箇条書きでSSではありません。
それでもよろしくてよという方はスクロールをば。
*黒松*
仲良くなったというか加入の段階で既に仲良しだった!
ギルド加入後アルデバランにある黒松宅(一戸建て)に住まうことになりそのまま現在に至る。
同居当初は黒松の優しさに触れれば触れるほど自らが犯した過去の過ちを嫌というほど思い知らされ
何度もギルドを去ろうとしたがその度黒松は艶司を優しく諭し続けた。
雅楽によってある意味精神面をコントロールされていた
状態ではあったが元々の本質は優しい人柄のため、
黒松やギルドメンバーと関わることでヒトをいたわる心を思い出し、
他攻城戦ギルドをはじめとした冒険者らへの信頼を少しずつではあるが取り戻していっている。
黒松を師として尊敬し、同時に父親のような感情も持っている。
最近は黒松との魔法論議に夢中で、疑問があればどんな時間だろうと2人で狩場へでかけたり
明け方まで話を白熱させて最後は居間でもつれるように眠って
山茶花に「ちゃんとベッドで寝なさい!」と怒られている。
最近は近所の人に『息子さん』といわれるようになり
それが実はちょっと嬉しい。
*椚*
ノンケの割合が高い黒松のギルド内で数少ない同性スキ。
ME型とい事から攻城戦と殆ど関わらない生活をしてきたため艶司の悪行(?)を全くといっていいほど知らなかった、
艶司の顔が好みのタイプだった(??)ということもあり加入に関しても反対もせず迎え入れた。
艶司のほうもハイプリという職業、大好きと言いながら一方的に別れを告げ離れていった雅楽への恋しさから
心の隙間を埋めるように椚に甘えるようになる。身代わりと分かっていても椚はそれを拒む事はなかったが
ハグをしたりおでこやほっぺにキス程度でカラダの関係は無し。艶司から何度か誘った事はあったらしいが
椚:「いいよ、父上に『遊びで椚とSEXしました』って話せるのならね?」
艶司:「むーっ!もういいっ!」
このやりとりで大体終わるらしい(笑)
オトコとしてよりもおにいちゃん属性が先にきたらし無心に甘えてくる艶司はとっても可愛いけど、
自分を含めいたずらにカラダを許してほしくないし過去に悲しい思いをしたのなら今度は
大好きな人とちゃんと幸せになってほしいと願っている。
なにより現在は今までの自分の好みとはおおよそ
かすりもしないとあるヒトに片思い中なのが大きな理由かもしれない。
*山茶花*
料理を全くしたことのない艶司が淹れたコーヒーを「毒豆の煮汁」と称し
「人が飲めるものを淹れろ!」とコーヒーの淹れ方をはじめ料理の基本を
教えたのをきっかけに会話するようになる。(というよりもこの段階では山茶花が一方的に話しかける形)
ただ、艶司の方は過去に自分がやってきたことがどれだけ
酷い事だったということを実感しはじめた時期だったため
疎まれるのではと中々うちとけることが出来ずにいた。
そのさなか、攻城戦において共闘を結んでおきながら艶司の
勝手な振る舞いで砦を取るための踏み台扱いにされたギルドに遭遇。
責め立てられる艶司の間に入るように立ち山茶花は頭を下げ詫びた。
関係ないのにどうしてそんな事をするんだと言う艶司に
「関係なくない、私たちギルドメンバーなんだから。毒豆の煮汁を飲ませような
ら怒るし上手くできたらほめてやるし何かやらかしたんなら割って入って頭下げるし手だってつないであげるし」
と言われ、やっと過去の出来事ごと自分の存在を受け入れて
くれていることに気づきそこではじめて山茶花に対し心を許した。
全くと言っていいほど怒らない黒松に代わりゲンコツものでがっつり艶司を叱るのはもっぱら彼女の役目。
それでもちゃんとできればそれを素直に褒め、見守り、そして支える。
艶司にとっておねえちゃんのような存在。
*竜胆*
極度の方向音痴が禍し、ダンジョン内で迷っていた所に艶司が腕だめしにソロで狩りにきていたところに偶然遭遇。
他のメンバーと関わるのにまだ抵抗を感じていた艶司はすぐにその場を離れようとしたが
「うわぁぁぁぁぁまってええええいっちゃやだああああああ!!!」
絶叫しながらペコに乗って突撃してこられ逃げるタイミングを完全に失った。
話を聞けば蝶の羽を忘れて歩いて出ようとしたがどうがんばっても外に出られないとのこと。
艶司も蝶の羽は1枚しか持っておらず、仮にもギルドメンバーである竜胆を
見捨てるわけにもいかずPTを組んで徒歩での脱出を試みる。
しかし、艶司の想像を上回る竜胆の方向音痴ぶりとモンスターの沸きの激しさで
「あ、デスペナと引き換えに戻った方が賢いかも」
と艶司が考えたのは一度や二度ではなかった。
それでも何とか無事脱出できたものの、その前にも参加した臨時公平PTで自分の方向音痴で
迷惑をかけた事もあって艶司の目の前で泣き出してしまう。
驚くほどの方向音痴ぶりは全く理解できなかったが今竜胆は自分が許せなくて情けなくて仕方ないという
気持ちであるとというのは理解できたと共に艶司自身の存在が重なり、
「泣かないで、大丈夫だから」と頭を撫でて竜胆が泣き止むまで傍にいた。
その時言われた「ありがとう」の言葉は自分の存在が誰かの支えになれたという大きな喜びとなった。
以降、竜胆がどこかで迷ったと聞くと心配でいてもたってもいられなくなり
すぐにギルドチャットで事細かに案内を始めるので
「また艶司おにいちゃんがリンを甘やかしてる」
と、他メンバーにたびたび突っ込みを受けている。
*菫*
加入当初なるべく誰とも関わりたくないと思っていた艶司だったが、
菫にだけは色々話してみたいなと思っていたらしい。
普段はほわわわ〜んとした印象を受ける彼女だが、
艶司と同じく黒松を魔法の師と仰ぎ、進化を続ける魔法の研究と自身の練磨に決して妥協を許さない。
PTは勿論ソロや新しいダンジョン攻略にも積極的に取り組む姿に深い関心と
自分もこうなれればいいという憧れがあったからだ。
しかし、なかなか話しかけられずもちゃもちゃしているとその心情を知ってか知らずか
艶司を臨時公平へと誘う。中には艶司の過去の事で難色を示すものもいたが
菫がそのたび仲介に入りその場を丸くおさめた。
何度も臨時に誘われている内にPTメンバーからの信頼を
得られるようになり、今では「今魔法職がいないから来て!!!」
と、wisでPTへと誘われるまでになる。
その頃には艶司の方から菫に話しかけられるようになっており、
狩場へ一緒に出かけたりして共に魔法の腕に磨きをかけた。
顔なじみの人らには菫と共にいる時はこっそり「まじょっこペア」などと呼ばれているらしい。
ギルドメンバーや親しい人間に対してはちゃん付け・愛称で呼ぶ事が多く、
艶司の事は「えーちゃん」と呼ぶ。
それにつられてか艶司もギルドメンバー内で菫に対してだけちゃん付けで呼んでいる。
*楠*
艶司にとって♀プリ系といえば
「甘ったれ、わがまま、八方美人、理由つけて仕事しない、何かあると同情誘おうとして自分を有利にしようとする、いいこぶりっこ」
などなど、非常に偏った印象しか持っていなかったせいか
楠は特に敬遠するメンバーの1人だった。
そんな中、黒松がとあるダンジョンの進入クエストをやっていなかった
という事でたまたま手の空いていた楠と共にその材料集めに行くことになる。
楠:「ブレッシング!!速度増加!!てぇぇぇぇぇいっ!!!!」(ドカカカカカカカカ)
艶司:「!?( д) ゚ ゚」
プリ系といえばINT型だと思っていた艶司にしてみれば
鈍器片手に果敢にモンスターに挑む楠の姿はかなり衝撃的だったらしい。
我慢強く、よく働き、夫である白樺に一途で貞淑。
楠と関われば関わるほど今までの艶司の♀プリ系の印象はことごとく覆されていった。
そんなある日、それこそ艶司が今まで考えていたものを
具現化したような♀ハイプリが楠につっかかっているところに出くわす。
その絵に描いたような♀ハイプリが話すのを聞くとどうも白樺のことが好きだったようで、
私は白樺と結婚する約束をしていたのに楠が横取りしたという根も葉もない言いがかりに始まり、
SPもろくに渡せない殴りのクセに結婚なんて不相応だだの
あんたみたいな野蛮な女白樺に似合わないだの白樺がかわいそうだから
いますぐ離婚なさいだのとにかく言いたい放題。
それを見ていた艶司の中でなにかがぷっちーんとなり、
気がつくとその♀ハイプリと向かい合うように楠の前に立っていた。
暴君であった過去の経験に現在の知識を上乗せした
華麗なる話術という名の暴言攻撃を絵に描いたようなハイプリに
向かって発動、完膚なきまでに言い負かした。
「本当はあんな事言っちゃだめだよって言わなきゃなんだろうけど…ありがとう、ちょっとスっとしちゃったわ」
♀ハイプリが奇声のような声を発しながら立ち去った後、
そう言いながら微笑んだ楠を見て以降、
艶司の♀系プリに対する極度の偏見は嘘のように鳴りを潜めた。
魚介類の好きな彼女の作るアマツ風おさかな団子汁が大好き。
*白樺*
加入当初からずっと変わらず優しく接してくれたので
決してキライではなかったが、後に琉風の兄弟子だった事を知る。
過去琉風らにしてきた事を知られた時の事を思うと途端に
怖くなり白樺とあからさまに距離を置くようになってしまった。
白樺の方は周囲の話から琉風の所属するギルドと
何かがあった事はある程度知ってはいたものの、
もしそうだったとしても琉風はいつまでも根に持つ性格ではないこと、
つらいことがあってもちゃんと乗り越える力を持っているということ、
何より今までの行動を改め前進しようとする艶司を純粋に応援したいと考えていた。
一向に関わるまいと脱兎の如く逃げ続ける艶司との距離を縮めるため白樺はある行動に出る。
向かった先は琉風のいる色即是空及び同盟ギルドの空即是色。
白樺:「艶司、今からPV来てくれ。そんでもって琉風の所属するギルドの人らに片っ端からぶっとばされろ」
艶司:「Σ(゚д゚ )!?」
あれよあれよというまに白樺に捕獲・PVへ連行。
白樺:「琉風んトコのギルドは一発思いっきり殴らせてくれたら今まで艶司がしてきたこと
水に流してもいいって言ってくれてるんだ。ヒールはするから相手の攻撃ひたすら受けろ、
そうしたら俺たちきっと仲良くやっていけると思うんだ」
艶司:「仲良くなるための前提おかしい!!!やだやだ僕帰るー!!!」
白樺:「逃ぃげんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!阿修羅覇凰拳!!!!!!!!!」
艶司:「ぶぇあああああああああ!!!!」
逃走を図ろうとした艶司へ白樺の阿修羅が炸裂し、それを皮切りに
『痛恨の一撃おみまいPV』は開催される事となった。
白樺は相手の攻撃に対していっさい割ってはいる事はしなかったが、
ヒール等艶司の回復を一手に受け、史乃に対して極度に怖がる艶司を
抱きしめ攻撃を一緒に受けるなど、艶司の傍を片時も離れなかった。
白樺:「よし全員の攻撃受けたか、がんばったな艶司」
艶司:「全然よしじゃない!痛い!全身痛い!特に(白樺が阿修羅した)背中が一番痛い!!」
白樺:「あーごめんな、手加減全然してなかったから痛かったろ。でもお前えらいよ、
全部向き合って受け止めたんだ。それが出来た艶司はえらい、本当えらいぞ、よく頑張ったえらいえらい」
艶司:「……………………えっ、ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
タコ殴りのお膳立てをした事に腹を立て、全身痛くてムカついて、
でも何度もえらいぞって言ってぐしゃぐしゃ頭撫でて
褒めてくれるのが嬉しくて、泣きつかれてそのまま眠ってしまった後、
おぶって帰ってくれた白樺の背中が広くて温かくて。
そして今は、艶司にとって大好きなおにいちゃん。
*栴檀*
艶司のギルド加入に最後の最後まで反対し、加入以後も
「俺は認めてねえから!」と艶司に一切関わろうとしなかった。
艶司の方も自分に非がある事は十二分に承知していたし、
何より敵意むき出しの栴檀に関わりたいとは思っていなかったらしく
ギルドチャットは勿論、栴檀が黒松宅を訪れても顔を合わせようともしなかった。
外見的には険悪ムードの2人ではあったが、栴檀の方は艶司の過去の行動は少なくとも
艶司1人だけが悪いわけではないということ、現在は改心の意思があり
一生懸命頑張っているのは認めており、艶司も艶司で口調が荒く
自分に対してはものすごい嫌な態度だが、根はとても優しく、いつも
ギルドメンバーの事を大切に思っているという事をちゃんと分かっていた。
認めていつつも、分かっていつつも一向に歩み寄ろうとしない
2人に最初に業を煮やしたのは山茶花だった。
山茶花:「あぁもうまだるっこしいな!2人ともちゃんと頭つき合わせて話し合いなさいよ!!!っていう訳で今すぐPV集合!!!!」
艶司:「なんでそうなるのー!!!」
栴檀:「なんでそーなんだよ!!!」
栴檀は山茶花のカートに詰め込まれ、艶司は竜胆のペコにくくられPVへと連行された。
正直この状況は2人にとって不本意でしかなかったが、
お互い「あーもうコイツマジ気に入らないし、とりあえず殴る!!」
という考えにいたったらしい。
話を聞きつけた他メンバーが次々と顔を出し、
艶司と栴檀によるスキル一切使用禁止のガチの殴り合い開始。
ステータス的に艶司の方が圧倒的不利なため装備や支援などのハンデは
あったものの、文字通りの拳語りが展開された。
ギルドメンバーに囲まれながらHiwizとクリエが素手で
ぽかぽかやってるその光景は周囲から見ると何か
ほのぼのギルドイベントのように見えなくもなかったらしい。
さんざん殴りあった後、栴檀が
「お前の事……その、別に言うほど嫌いじゃねえぞ」
の言葉で散々ギルドメンバーに冷やかされたのを合図に殴り合いは終了。
その一件から今までの事が嘘だったように2人はごくごく普通に会話するようになった。
職業は違えど思考がよく似ているらしく行動パターンや台詞がよく被る。
「そこの2人仲良すぎでしょ」「なかよくなーい!!!(2人同時)」
までがギルドチャットのお約束展開。
*御形*
実は仲良くなれたのは彼女が一番最後。
艶司がまだギルドに馴染めてない内に、傭兵として参加している
ギルド九曜から加入申請があったため
期限付きという条件で一時脱退していく。
脱退の間に艶司は他メンバーとの交流を深めていったが
御形は一向に戻らない。もしかして自分の存在が嫌で
脱退したのではという不安がよぎるが
「大丈夫、戻ってきたらちゃんと仲良くなれるから」
と、皆そろいも揃ってそう言ったのだ。
しかし約束の期日になっても御形は戻らず艶司の不安は募るばかり。
みんな『御形姉』と呼んで彼女の事を慕っているのに
自分ひとりだけが御形とのつながりがない、
そう考えると疎外感を感じずにはいられなかった。
期日を過ぎて1週間後、漸く御形が戻ってくる。
黒松:「なかなか戻らないから心配していたんだよ」
御形:「ごめんね父さん、延長は私からお願いしたの。次の攻城戦で相方のクラウンとの
演奏スキルできちんと連携取れるようにしたくて…あら艶司、君にこうやって会うのも久しぶりね、ギルドには慣れた?」
艶司:「………僕もみんなが呼んでるみたいに御形姉って呼んでもいい?」
御形:「呼んでくれるの?勿論よ」
艶司:「みんなみたいに僕とも仲良くしてくれる?」
御形:「あら、君からそう言ってくれるなんて嬉しいわね。私がギルドを出ている間に
皆とすっかり仲良くなってたみたいで私だけ完全に出遅れたって思ってた所だったの」
艶司:「(ぶわっ)」
御形:「え!?どうしたの!!なんで泣いてるの!?」
艶司:「うえええええええええんっっ」
御形:「ちょっとなになにどういうことよー!!!!」
他ギルメン:「「「「御形姉が悪い」」」」
御形:「ちょ、私のせい!?」
メンバー曰く、あれほど動揺した御形を今まで見た事がなかったとか。
自分が中々ギルドに戻らず艶司が不安がっていたということを聞くと
「そりゃ確かに私が悪いわ」とあっさり非を認め、
艶司の大好きなケーキを買ってきてその日ずっと艶司と共にすごしたとか。