皆此処へ 7話

 

『事情は分かりました、今から上の方に掛けあってみます』
『ありがとう……ごめんね左内』
『いいんですよ。言ったじゃないですか困ってる事あったら力になりますよって』
『そうじゃないの。君に色々情報を教えて貰った矢先にこんな事になって』
『これは御形姉さんのせいじゃありませんよ、そんな風に自分を責めちゃだめです』

「めっ」と付け加えてきた左内からのwisにほんの少しだが御形に笑顔が戻る。

『姉さんも忙しいでしょうから一旦wis切りますね。そちらも何か情報が入ったら連絡下さい。小さな事からとんとん拍子にってのもありますから』
『分かった』

wisが切れると同時に御形ははぁ…と大きく息を吐いた。

黒松のライセンスとエンブレムがゲフェンフィールドで見つかり、その持ち主の行方は勿論連絡すら取れなくなってから5時間が経とうとしている。
ギルドメンバーそれぞれが各都市やダンジョンを探し回っているにも関わらずこれといった手がかりは見つからない。
申し訳ないと思いつつも左内に助力を求めると快く引き受けてもらえたので、
攻城戦ギルドの情報網に期待しながらも今は虱潰しに探し続けるしかない。
「御形姉!」
騎士団の方から出てきた竜胆が名前を呼びながらベンチに腰かけている御形の方へと走ってくる。
「どうだった?」
「やっぱり明日まで待ってくれって」
「剣士系の竜胆相手でもダメだったか」

騎士団の方にも黒松の捜索願いを届け出たものの、『しばらく様子を見ましょう』と捜索を断られてしまったのだ。
今度はと御形の代わりに同じ職業系列であるロードナイトの竜胆が行ってみたもののやはり結果は同じだったらしい。
「パパのライセンスの事とか説明したんだけどとにかく様子を見ましょうの一点張りで…」
「タイミングもタイミングだったしね」
「う~なんでこんな時に9連続なんて~っ!!」
竜胆の言う9連続とは2人が騎士団に相談にくる前の行方不明者捜索願いの件数の事である。

『騎士団らが総出で捜索したものの、どれも何事もなかったかのようにひょっこり出てきた』

そんな事が今日だけで9件連続で続いたため、10件目となった御形らに対し騎士団も捜索をかなり渋っているようだ。
「ごめんね役に立てなくて」
「気にしないの。傭兵行ってるギルドに情報提供お願いしたしきっと見つかるわ、大丈夫だから」

――――――何が大丈夫なの?

しゅんとしている竜胆の頭を撫でながらそう自身で口にしたものの、言った御形自身がどう大丈夫なのかさっぱり分からない。
最悪なイメージばかりが頭を過る、胸騒ぎが収まらないのだ。
それでもそれを全て胸にしまい自らを奮い立たせるように立ち上がる。
「さぁ行こう、竜胆は機動力があるから…」
「御形姉」
歩き出そうとした御形の手が強く引かれ不思議そうに振り返る。
御形の手を掴んだまま竜胆は泣きそうなのを必死に我慢して口をへの字に曲げていた。
「なんでいっつもそうやってなんでもかんでも我慢するの?パパの事心配で心配で心配で心配でたまんないのにどうして冷静なフリするの!!」
「竜胆……」

そんなことない、父さんが見つかる事を私は信じているもの。

言いたい筈の言葉が上手く出ず、代わりに口から零れたのは消え入りそうなくらいの小さな声。
「ギルドで一番年上のお姉さんだからってそこまで無理することないじゃない、あからさまに心配ですって顔すればいいのよ私と一緒に…!」
気が付いた時には涙をいっぱい溜めている竜胆をそっと抱きしめていた。
「そうよ、本当はその場に崩れてしまいそうな位不安でたまらない。でも皆がいてくれるから
 こうして立てるの。我慢しないでって竜胆が言ってくれるから私はがんばれる」
「………あたし、ね」
抱きしめられたままでぽそっと口にした言葉は御形に届く。
「パパが戻ってこなかったらどうしよう、死んじゃってたらどうしようって嫌な事ばっかり考えちゃうの。
 だってパパがこんな風に連絡一つ寄越さないなんておかしいもん、絶対事故か何かに巻き込まれちゃってるんだ」
「…うん」
「もしそうだとしても私はあきらめない。絶対にあきらめない!無事なパパを必ず見つけてやるんだっ!!」
「うん、うん」
ほとんど自分に言い聞かせるような言葉にただただ頷き御形は優しく背中を撫でてやる。
「…………てえぇぇぇぇぇいっっ!」
身体を離して竜胆を見ればその顔は涙でくちゃくちゃになっていたが、自身にに喝を入れるかのようにそんな事を叫びながら顔をごしごし拭う。
「誰もまだ行ってないって言うからあたしこれからフェイヨンに行くね。町からダンジョンまで全部全部練り歩いてくる!」
繋いでいたペコペコの手綱を取り、御形はペコペコのヘアバンドを身に着ける。
「SP足りないって言ってるから私は楠の所に行く、場所連絡はギルチャでこまめにね。あんたすぐ迷うんだから」
「らっじゃーっ!!」

「は~い到着」
2人がその場から離れた直後、ほぼ入れ違いで杜若が騎士団前にペコペコを止めた。
「ここにウィザードがいるの?」
「うぅん。ちょっと情報仕入れてくるからここで待ってて」
「あっ待って僕も行く…!」
艶司はやっとの思いでペコペコから降り、騎士団へと向かっていく杜若のあと追った。
今は助けると言ってくれたこの男を信じるしかないのだ。
「はぁ~い♪杜若ちゃんが来たよ~ん」
騎士団内部に入り、軽く手を振った杜若に応じた。というよりも憎悪にも似た視線を寄越したのは受付にいた一人のナイトだ。
「杜若さんっっ!!!」
「はいはいなぁ~に?」
「なぁ~に?じゃないですよ!!!!!wis来たと思ったら5分で調べろとか鬼ですか!?あなた鬼ですよ鬼ですね!!!!!」
受付から飛び出し杜若に詰め寄ったナイトは涙目で叫んでいる。
「いやーん♪3回鬼って言われちゃった~…で、分かった?」
「ええ………記録はこちらになります」
散々大声で叫んでいたナイトはそこでやけに声を潜めながら1枚の封筒を杜若に差し出した。
「はーいありがとーん」
指先でつい。と封筒をつまんで出て行こうとした杜若のマントをナイトが必死の形相で引っ張ってくる。
「絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対上には秘密にしてくださいね!!!バレたら文字通り俺の首が飛ぶんですから!!!ほんと!マジでっ!!!!!」
「分かった分かった。じゃあまた何かあったらよろしくね~」
「もう2度とこないでくださいぃぃぃぃッッッ!!!!」
半泣きで叫ぶナイトを尻目に杜若は艶司の肩を抱きながらさっさと騎士団を後にした。

一体これでどうやってウィザードの行方が分かるというのだろうか。

明らかに疑惑の目で見上げる艶司の言わんとしている事が分かったのだろう。
「大丈夫だよ、もう居場所分かったから」
「え?」
「ここに書いてあるの」
言いながら艶司の前に差し出したのは先ほどナイトから渡された封筒だ。
「何?どういうことなの?」
一人の冒険者をほとんど情報もない状態で1から探す。
どれだけ途方もない事だというのに騎士団に行って封筒をもらっただけで居場所が分かった等訳が分からない。
「そうだよね訳わかんないよね~」
正に艶司が今考えている事をそのまま代弁した杜若は封筒の中身を取り出した。
「冒険者に一度登録するとね、何に転職したのか何時何処で何をしたのかっていうのを全部記録されちゃうの。
 勿論冒険者達にはこのことは極秘だしこの情報も知ってる人間も……」
「そんな事どうでもいい!それにウィザードがどこにいるか書いてあるんだねっ!?」
「あ~ららん、お姫様は国家機密には微塵の興味もないのね~そういうちょっぴり世間離れしてる所もほれぼれしちゃう~」
「もぉっじれったいなぁ!いいからウィザードの居場所を早く教えろったら!」
自分から助けを求めたのも忘れて杖で殴りたくなるのを必死に我慢し、え~っとぉ
などと声を出しつつのらりくらりと封筒の中身に目を通す杜若を急かした。
「最後の記録はフィゲルの南東にある旅館だね。そこから動いた形跡はないから間違いないと思う」
「じゃあそこに早く…!」

「雅楽」

杜若のマントを引っ張り急かしていたが、思いがけない男の名前に艶司の表情は驚愕のそれに変わる。
「今は一人みたいだけどそれまでは雅楽ってハイプリーストと一緒にいたっぽいよ」
「え…」
「確か艶司のギルドのトコのサブマスター…だっけ?そいつの名前も雅楽でハイプリーストだったよね~
 2人で旅館にいたなんてなんだろうね~仲良くお茶会でもやってたのかな~?」

「雅楽…僕にそんな事一言も言ってなかったのに…」
「さぁ~どうしてだろ~杜若も全然わっかんな~い」
再びペコペコに乗せてやりながら意味深げに目を細める杜若の表情は、半ば呆然としている艶司からは見えない。
「行こう艶司、行けば全部分かるから。全部…ね」

* * *

杜若曰く『おともだち♪』らしい、怒りからかコメカミに青筋を立てているハイプリーストの出す
ワープポータルのお陰で目的のフィゲル南東の宿へはものの数分でたどり着くことが出来た。
「いらっしゃいま……あ…あの、お客様?」
旅館に入るなりさっさと階段を上り始めた杜若を困惑気味に宿の従業員が追いかける。
「あ~いいのいいのちゃんと約束してあるから~」
「申し訳ございませんが下の方で受付を…………お客様そちらはっ!」
杜若は構わずにある一室の前で止まると、従業員は一層慌てた様子で引き止めようとする。
「本当に困るんです!このお部屋には朝まで誰も通すなと……!」
「あはは、そうなんだ~そぉーれバッシュっ」

ガギッ!

手にしている槍をちょい、と構えると杜若は従業員の願いをあっさり無視してドアノブを叩き壊した。
「―――ひぃぃッ………………っ…!!!」
ノブが壊れた反動でドアが開き、部屋の中を見るなり悲鳴を上げかけた従業員の口を杜若が即座に塞ぐ。
「し~………さわいじゃだーめーよ」
そう言った杜若の口元は笑っていたが顔半分を覆う手の力は強く、顎を砕かれるのではと恐怖した従業員は震えながらも大人しくなった。
「君はなにも見てないんだよ。この部屋に宿泊してる『お客様のお友達』である俺たちが来たからここに案内しただけ、他の事は何も知らない――――――分かったひと~♪」
にっこりとほほ笑む杜若へ必死の形相で何度も頷くと漸く手が離される。
「おりこうちゃん、じゃあしずか~に戻ってね」
「…っ…………ひぃ……………!」
悲鳴を飲み込むような声を上げて従業員は転げ落ちるように下へと降りて行った。
それを見送った杜若は部屋に入り行儀悪く足でドアを閉める。
部屋の中に居たウィザードは床に伏し、ぐったりとしている様から意識がないことが伺える。
「さて、と」

「何がさてとだよ!!いつまで僕をこうしておくつもりなんだっ!!!!」

「あぁ~ん艶司ってば大声出しちゃだめ~せっかく杜若が誰も来ないようにネマワシしたのにまた人が来ちゃう~」
「だったらもう下ろせってば早く下ろせよばかぁッ!!」
宿の前に着いたと同時に杜若によって肩にかつがれ、今の今までずっとそのままの
状態にされていた艶司が溜まった鬱憤を吐き出すように怒鳴り散らしていた。
「だって離したら倒れてるあの人の所いっちゃうでしょ、杜若さみし~ん」
「この状況で何いってるんだよ!あぁぁぁもう離せってば!!」
やっと下ろされたと思えば今度は後ろから抱きしめられ、早く倒れているウィザードの
所に行きたいのに行けないもどかしさで艶司はばたばた暴れた。
「もぉっそんなに騒ぐとおっぱいもみもみしちゃうんだから」
「なっ!!この馬鹿馬鹿馬鹿ッ!!!!」
騒ぎ続けながらもとりあえず暴れるのをやめた艶司の顎を優しく捉え、正面を向かせてやる。
「彼が倒れている周りをよ~く見てごらん。艶司の方が俺より魔力が強いからよく見えるんじゃないのかな」
「周り?………………………あっ」
杜若の言う通りウィザードが倒れている辺りに意識を集中させると、確かに今まで見えなかったものがぼんやり浮かび上がってくる。
「床に何か魔法陣みたいなのが見える…でもこんなの見たことない。プリースト系のに似てなくもないけど」
「そう。とりあえず開発はしてみたけど全然使えなくてお蔵入りしちゃった欠陥品スキルってやつだね。そんでもって…」
杜若が片手で槍を構えるとウィザードの方へゆっくりと近づけていく。

ガギンッ!!!!!!

まるで大きな力に跳ね返されるように杜若の槍が弾かれ床に突き刺さった。
「無駄に耐久ありすぎちゃう上最終的には対象者の命まで奪っちゃうおまけつきとかそういうのなの」
「命って………まさか!!」
「大丈夫、まだ死んではいないよ」
艶司の頭に描いた最悪の事態を否定したものの、笑みの消えた杜若の表情と
ぐったりと動かないウィザードの様子からそれも時間の問題だという事が嫌でも分かる。
「どうなるの………死んじゃうの?ウィザードが死んじゃうの!?」

「死なせない」

不安そうに涙を浮かべる艶司の頬を撫で、杜若はもう一度繰り返す。
「死なせない、助けてあげるって約束したでしょ?」
「…っ…」
向かい合うように立ったと思うと杜若はその場で膝をつき、その光景を目の当たりにした艶司は思わず息を飲んだ。
困惑気味に見下ろす艶司の手を恭しい仕草で取るとその甲にそっと口づけを落とす。
「姫が願うなら喜んでこの身を捧げましょう」
「え?ぅ…」
口づけと共に注がれる熱を帯びた視線に艶司は一瞬状況も忘れ顔が紅潮していくのを
感じるが、慌ててそれを悟られないように手を払った。
「いや~ん艶司つれな~い。ちょっとはノってよお姫様に忠誠を誓う騎士ごっこ~」
「そっ…そんな事してるヒマあったら早く助けろよっ!」
「は~いお姫様。すぐに終わらせるからちょっと後ろで待っててね~」
またいつも通りの口調に戻ると杜若は今にもウィザードの元いきかねない艶司の前を遮るように立つ。
「黒松さーん、黒松さーん聞こえてますかーってか生きてますかー?生きてないと困るんで
 生きてて下さーい黒松さーん返事して黒松さん黒松さーん」
杜若が何度も呼び続けると投げ出されていた黒松の指がぴくりと動く。
「あ………」
か細い声を上げながら僅かに顔を上げた黒松の顔は精気もなく真っ青だ。
「…っ!!!」
それを見た艶司は反射的に走り寄ろうとするが、杜若がそれを許さずにがっしりと抱きとめる。
「ほらぁ~だから近寄っちゃダメだってば~本当におっぱい揉むよ?っていうか今ちょっとだけ揉んじゃったけど」
「うぅ~馬鹿馬鹿馬鹿っ!」
声でその存在が分かったのだろう。よろよろと身を起こし、艶司の姿を見た黒松の口元にほんの僅かにだが笑みが浮かぶ。
「こんな所で会うとは奇遇だね……隣にいるのは杜若……かい?」
「はい、お久しぶりです黒松さん。母の葬儀以来ですね……まぁそういう世間話はあとでするとして~」
艶司を離し魔法陣があるであろうギリギリの所まで歩いてくると杜若は壁から引き抜いてきた槍を構える。
「早速で悪いんですけど黒松さん、『ソレ』壊すのにこれから部屋ごと吹き飛ばす勢いで
 スキルぶっぱなしますから~。もちろん貴方も無傷じゃすまないでしょうけど緊急事態って事で杜若の事許してほし~かも~」
物騒な事をさらっと言う杜若にためらいもなく黒松は頷く。
「やってくれ、例え四肢を失っても生き残ってみせるよ………置いて行かれる悲しみは誰よりも理解しているからね」
「――――では、いきますよ」
凛とした声と共に杜若は槍を振り下ろした。

* * *

おきて、おきて、おきてよおきてよおきてったら。

遠くで聞こえてきた声がどんどん近く大きくなっていくのを感じながら黒松は目を開いていた。
「しっかりしてよ!ねえ、ねえってば!!!」
感じたのは潮の香り。それから目の前に広がる白い砂浜。
「…………ここは…?」
「フィゲルフィールドです。お部屋の床に大穴あけちゃったんで逃げてきちゃいました~」
傍らにいる杜若の言葉に大きく息を吐く。
「そうか…私は助かったんだね」
「俺もお姫さまとの約束を守れて良かったです」
「お姫様?」
「ほら、黒松さんの首に巻きついてるそこのお姫さまの」
言われてやっと黒松は艶司が抱きついていた事を自覚した。
「良かった目を覚ました…何回ヒールしても全然動かなくて死んじゃったのかもって…!」
しがみついたまま震える声で叫ぶ艶司を安心させるように背中を撫でてやる。
「杜若が出したスキルによる怪我はほとんどしてないんだよ。直撃する瞬間に君がセイフティウォールを張ってくれたお陰でね」
「………『周りをよく観察しろ、自分の詠唱と実際にスキルが発動する時間を常に頭に入れて動け』あんたがいつも言ってた事じゃないか」
身を少しだけ離した艶司は照れくさそうに目を逸らしていた。
「あの僅かなタイミングで冷静に出す事が出来る人間はそういないよ…やっぱり君には才がある」
手を差し伸べ艶司の頭を優しく撫でてやる。
「そしてとても優しい子だ。ありがとう」
「べっ別にたまたま見つけただけだし助けようって思ってとかそういうんじゃっ」
「なにさ~ウィザードが死んじゃうよぉってべそかきながらさっきまで一生懸命ヒールしてたくせに~」
「うるさい馬鹿っ!べそなんてかいてないもんっ!!」
「ひど~い杜若すごく頑張ったのにひど~いやっぱりあの時遠慮しないでおっぱい揉めばよかった~」
「あぁぁああうるさいなぁもぉっ!!!」
艶司の頭を何度も撫でてやりながらわざとらしく顔を両手で覆って鳴き真似をしている杜若に微笑みかける。
「君にも感謝しているよ、本当にありがとう。どうして君があの場所に………いや、何故私の場所が分かったのかね?」
「ん~それは企業秘密でちょいちょいちょーいと。なので貴方がどっかのハイプリーストと一緒だったことも知ってるんですよね~これが」
「…!」
雅楽と一緒に居たと言っていた杜若の言葉を思い出し、艶司は黙り込んでしまった黒松を見る。
「ねえ、ハイプリーストと…雅楽と一緒だったの?」
「………………」
黒松は俯き黙ったまま答えようとしない。
「違うよね…雅楽じゃないよね?……………ねえ違うって言ってよ!」


「一緒に居たのは俺だよ艶司」


黒松の代わりに答えた声は背後から聞こえてくる。
「…………………………雅楽」
艶司は答えた者の名前をぽつりと小さく呼んだ。

* * *

あっけなくつきつけられた真実。

 

 

 

 

 

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