どんな天国なのかシら
『ココじゃねえんだよ・お前の還るべき場所は』
自分にそんな言葉をかけた男が現れたのは『あの日』のこと。三日月の晩だったか。
顔はよく見えなかったが、同じ琥珀色の髪をしていたことは覚えている。
そして何より見たこともない異国の服が強烈に印象に残っていた。
今思えばチェイサーの装束だったのだが、当時はなんとも奇妙な衣だと思ったものだ。
男はまるでこちらの心情を最初から理解しているかのように『お前の還るべき場所』はここではないと言う。
その『還るべき場所』とやらが何処なのかを尋ねると、口の端を上げて男はこう答えた。
「ルーンミッドガッツ」
「おう、そうだぞ。厳密に言うとプロンテラ内ギルドホームだけどな」
気づけば口に出していたらしい。
理が目を開くと、返事をした彩がほぼゼロに近い距離で見下ろしていた。
「珍しいな。宵っ張りのリィがこんな時間から寝てるなんて」
「……」
「……おぉ!?」
少しだけ身を起こした理は彩を抱きすくめるとベッドに押さえ込む。
当の彩はというと、最初は驚く声こそ出したもののその後は動じることなく理をじっと観察し、それからぽんぽん頭を撫でてやった。
「リーィ、どしたー」
「オレ史乃に殺されるかもな」
「えっえっ!?なんでだ?」
「このシチュ・どう考えても浮気現場だろ」
理の頭を撫で続けたまま、今の状況を確かめるように小さく首を上下左右に振る。
「おぉ!確かにこれは通りすがりの人に誤解受けそうだな!」
「通りすがればな」
「んー、そう言ってもなぁ」
『浮気現場』と言われた後も彩は逃げるどころか、ベッドからはみ出た足をぷらぷらと交互に揺らしている。
「リィは俺とSEXしたいなんてこれっぽっちも思ってないだろ」
「……」
「そもそも俺全然リィに欲情してないんだけど。そんなんでもやっぱ浮気したってことになんのかなぁ……って、何笑ってんだ?」
顔こそ見えないものの、理の身体が小刻みに震える事で笑っている事を察したらしい。
「オレあんたのそういう所好きでたまんねぇわ」
「そうか!俺もリィの事大好きだぞ!」
短い髪をぐしゃぐしゃ彩に撫でられながら理は漸く離れて起き上がった。
「で・ナニ?」
「あーそうそう!俺これから出かけるからリィ以外ホームに誰も居なくなるんだ。入り口警護とか大それたことは言わないけど一応伝えとこうと思って」
「了解・マスター」
「んじゃ俺行ってくるから。ごめんな起こして」
煙草に火をつけながらに片手を挙げることでそれに応えると、彩は軽快に部屋から出て行く。
「…………」
紫煙を吐き、理は先程のこと思い出していた。
夢うつつというよりもかつての過去をなぞらえたと言ったほうが正しいか。
『あの日』は所謂軟禁状態で、特定の人間以外は入れぬようにされていた筈。
ましてや外部の人間が侵入できるなどまずありえない。
ただ。異質でしかない男の存在に驚きはしたものの、不思議と恐怖や排他的感情といったものは湧いてこなかった。
こちらの秘めた心の内を初めて理解してくれた相手だったからだろうか。
何よりあの男に出会わなければ今の自分は無かったという事実。
「『還る場所』・か」
自分に『還る』ことを焚き付けたチェイサーの男。
その男が最後に残した言葉を今も忘れていない。
12の齢の子ども相手には少々不釣り合いとも言える手向け言葉を。
『お前は還ったその先で必ず――――』
* * *
「よー、リィじゃねーか」
馴染みの店に入った直後に名を呼ばれる。
視線の先に見知った顔をを見つけると同時にその男――史乃の隣に腰かけた。
「ギルドメンバー勧誘月間とかで街で狩場で九曜のメンバーに絡まれまくるのがウザくてウザくてウザくてウザくて今日はホームから出ねーって話じゃなかったかー?」
それを聞いた理は僅かに口の端を上げる。
「ソレ建前・ついさっきまで彩マスと浮気SEX」
「…………………………は?」
酒を注文した後、やや呆れた表情で完全に沈黙してしまった史乃を横目で見やる。
「怒り通り越して現実逃避すんな・冗談も通じねぇのかよ」
「……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
史乃が組んだ両手を額に押し付け大きく息を吐き出すと、なんとも恨めしげな表情で理を睨んだ。
「お前なーそう言う笑えない冗談マジでやめろってーの」
理の方は悪びれる様子ひとつなく出された酒など煽っている。
「笑える冗談だろ・危機感皆無でベッドに乗りあがってきてニコニコしながらヒトのこと抱きしめてガキみてぇに頭ぐしゃぐしゃ撫でくり回した上に俺お前に全然欲情しねぇとか抜かされてみろよ。腹もよじれてくるだろ」
「………………」
「随分わかりやすく嬉しそうな顔シてんな史乃・気持ちいぃ事でも彩マスに言われたか?」
ちらりと理を見た後、なんとも歯切れの悪い口調で史乃は話し出す。
「あー、んー、昨日すげーお前に欲情してるとか、なんかそんな感じのこと言われたってーか?」
「嬉しいのはわかったからヨダレ拭け・ヨダレ」
「いやいや垂らしてねーしかろうじて!!」
「ほんっと信じらんない!!ねえそう思わない!?」
そんな大声が聞こえてきたのは2人の背後からだった。
声を荒らげたのは丁度後ろのテーブルについているセージ。
転職したてなのだろうか、まだあどけなさを残すその青年は恐らく同年代であろう連れのプリーストに愚痴をこぼす、というよりも怒りをぶつけていた。
「一生懸命狩りがんばってやっと転職できたのに!『おめでとう転職祝いだよ』とか言って押し倒してきたんだよ!!ただ自分がやりたかっただけじゃない!!!!!」
「ちょ、ちょっと落ち着こう?ね?」
プリーストに窘められてもセージは全く耳を貸そうとはしなかった。
「私だって別にそういうのが嫌いな訳じゃないよ。ただあの人はひとりよがりすぎるんだよ!!」
テーブルに空の瓶が並んでいる所を見るとかなり飲んでいるのだろう。大声で店の人間の視線が自分へと集まってくるのがむしろ好都合というように立ち上がってさらに声を張り上げる。
「自分しか気持ちよくなってないのに私はもっともっと気持ちよくなってるって思いこんでるんだよ!?激しいのが好き?愛してるからもっともっとカラダで繋がりたい!?程度ってものがあるでしょう!!!!」
それを聞いた辺りから史乃の表情に苦悶の色が混ざる。
「その上どこで聞いたのか言われたのか知らないけど結腸攻めしてあげるとか潮吹き見せてとか今メスイキしたよねとか!!ほんと!ほんと!!ほんっとーにバっっっっカじゃないの!!!」
「わーっ!わーっ!わーっ!やめてやめてお願いもうやめてーーーーー!!!!」
「そう!私はそうやって何回もやめてって言ってるんだよ!!なのにやめてくれないの!!!!おまけに痛いって言ってもすぐ気持ちよくなるよなんて言ってやっぱりやめてくれないし!やっぱり痛いままだし!!自分は上手いとか思い込みも大概にしろーーーーーーッッ!!!!むぐぅ!」
流石に我慢しきれなくなったのかプリーストがセージの口を塞ぐ。
「分かった!君の気持ちはよく分かったよ!話の続きは場所変えてしよう!?ね?ねっ!?」
「ぷはぁ!間違った事なんて言ってない!片方だけが満足するSEXなんて嫌だっていってるの!私はこれっぽっちも満足してないんだからーーーーーーッッッ!!!」
手を退かせ、尚も叫び続けるセージをプリーストは引っ張るように席から立たせ、周囲に詫びるように何度も頭を下げながら店を出て行く。
二人が店を出た直後は店内も微妙な空気に見舞われていたが、時が経つと何事もなかったように賑やかさが戻っていったのだが。
「おい・史乃」
「……」
酒を煽りながら隣の史乃に問いかけるも沈黙しか返らない。
「生きてるか?」
「…………HP一桁とかでかろうじて生きてるみてーな?」
そう言ってテーブルに突っ伏したまま動かなかった史乃が漸く顔を上げるが、理を見るその表情は苦悶のそれだ。
「っつーかさっきの会話やべーまじでやべーって……心臓抉られるかと思ったわー」
「史乃サン、心臓抉られるくらい思い当たるフシでもあるんデスカ?」
「リィのさん付け敬語マジこわー」
茶化しながらも史乃の表情は変わらずだ。
「んー、まー……思い当たるっつーかそんな気しないでもねーっつーかなー」
言葉を濁しながら残りの酒を空にすると史乃はぽつぽつと話しはじめる。
「ちゃんとよくしてやりてーって気持ちはあんだぞー?ただ時間経てば経つほど理性ぶっとぶってーかそんな感じのなー?」
「…………」
「そー言うリィは最近どーよ、琉風と」
「試してねぇな」
「あ?試す?」
「結腸攻め潮吹きメスイキ」
「そっちかよー!!」
「メスイキは何度かあるか?まぁよく覚えてねぇしこれから試すか」
「えーと、リィ。今すっげー悪ぃ顔してるぞー」
「さっきの話。要するにどうしようもなくヨくしてイかせて・どっちも満足スるSEXなら問題ねぇってことだろ」
理はそう言って空になったグラスにゼニーを挟める。
『悪い顔』の自覚はあるのか口の端など上げながら。
「じゃあな・史乃」
「おー……じゃなー」
店を出て行く理を見送りながら史乃は琉風の身をこっそり案じた。
(琉風、なんか色々超がんばれー)
* * *
『おい・琉風』
『わっびっくりした!理?』
『お前今日は呂揮と四季奈のトリオで魔女砂乱獲だったよな。まだ時計か』
『ついさっき戻った所だよ。今は収集品の整理中』
『ソレ終わったらアインブロックに来い』
『アインブロック?』
『カプラの東側にある建物な・オレの名前出せ』
『東側?それって何の建物……』
『――――――』
「琉風、次ジャルゴンだって」
「あっうん!」
一方的に切れてしまったwisに困惑するも、呂揮につつかれ慌てて持っているジャルゴンを取り出した。
普段会議室として使用している巨大テーブルは今や収集品の山と化している。
時計塔地下4Fでほぼ1日狩り続けた『本日の稼ぎ分』だ。
「よし、全部揃ったところではじめますか!」
四季奈がぱん。と一つ手を叩くと収集品の山に手を伸ばした。
魔女の星の砂は白ハーブと一緒に専用の倉庫へ。その他の物は種類ごとにまとめてカートの中へ。
次から次へと仕分けていく四季奈の動きは実にあざやかで、収集品の山と化していたテーブルはあっという間に綺麗になった。
「よし、今日の行程はこれで終了です。2人ともおつかれさま!」
「お疲れ様でした」
「お疲れ様です!」
呂揮と琉風もまた頭を下げ、いつもの流れならばこれで解散なのだが、四季奈があ。と声を出して2人に『ちょっと待って』と手のひらを見せる。
ギルドチャットで誰かと会話をしているようだ。
「ねえねえ今日は2人とも明亭にお泊りなんでしょ?ギルチャであかりんがお風呂の準備できてるよだって」
「ありがとうございます。琉風、せっかくだし今から行ってくる?」
「ごめん呂揮、俺今から出かけなきゃいけなくなって」
「え?今から?」
呂揮の問いに琉風は小さく頷く。
「理にさっきwisで呼ばれたんだ。ちょっと行ってくるね」
「呼び出し!?リィ君から!?こんな遅くに!?」
ものすごい勢いで喰いついてきたのは四季奈だ。琉風はその勢いに圧倒されながらもはいと頷いた。
「理由も言わずにwis切られちゃって要件がちょっと分からないんですけど」
「あー……」
状況を察した呂揮はなんとなく視線を泳がせている。
同じく状況を察しているであろう四季奈の顔は完全にニヤけていた。
そんな察する2人とは逆に何ひとつ察していない琉風はそうだ。と呂揮の方を見た。
「ねえ呂揮。アインブロックって詳しい方?」
「俺は飛行船で通過するくらいでほとんど行った事ないんだよなぁ。四季奈さんはどうですか?」
「あたし? うーんアインブロック……」
話を振られ、何かを思い出すように人差し指を顎に当て視線を上にやっている。
「仕入れでちょくちょく行くことあるからもしかしたら力になれるかも。琉風君はアインブロックに何か探しものとか?」
「カプラさんからすぐ東にある建物ってなんでしたっけ?」
「はきょえっ?!」
「理がそこに来いって言うんです。俺アインブロックってあまり行った事ないから何処に何があるのかちゃんと覚えてなくて……あれ四季奈さんどうしました?」
誰が見てもおかしなポーズで耳まで真っ赤にしている四季奈に気づき不思議そうに首をかしげる。
「えっあっなんでもないの!カプラさんから東にある建物ね?ごごごごごめんなさいそそそそそこはあたしよくわかんなくて……!ただ大き目の建物ってことは覚えてる!空港出てだと左側の通路を道なりに歩いていけばすぐ分かると思うよ!?うん!!!!」
「分かりました。アインブロックだとジュノーの空港か……行ってきます!」
「気をつけてね琉風」
「い、いってらっしゃーい!」
呂揮と四季奈が琉風を見送り、足音が完全に遠ざかってしまったあとで四季奈は真っ先に口を開いた。
「ねえねえねえねえ呂揮君呂揮君呂揮君!」
「……なんでしょうか四季奈さん」
何を尋ねられるのかもう分かっているのか呂揮の目は完全に据わっている。
「あたしさ、ちょっと自信なくて言えなかったんだけどさ、あたしの記憶違いでなければさ、カプラさんの東側にある建物ってさ、ホテルだったような気がするんだけどさ……きっ、気のせいだったかなぁ?」
「多分ホテルで間違いないです。アインブロックのカプラさんは何度か利用した事あるんで近くの建物のことはなんとなく覚えてたんです。結構大きかった印象が……」
「はきゃぁあああああああああああああ!!!」
ごぃぃぃぃぃぃんっ。
それを聞いた四季奈が悲鳴を上げながらテーブルに頭をぶつけるように突っ伏した。
「四季奈さんッ!?」
あまりにもド派手な音だったので呂揮が慌てて覗き込むが、顔を上げた四季奈の顔はだらしないほどニヤけていた。
「やっぱり!やっぱりそうだったんだ!!!!ホテルって!!!!リィくんが!!!!こんな夜遅くに琉風くんにホテルへ来いって!!!!それってぇぇぇぇぇ!!!!」
「随分賑やかだね。アイテムの仕分けは終わったのかな?」
「はきょえぇぇ!?」
四季奈が顔を上げると、いつの間にか澪がその隣に立ってさらりと混ざっていた。
「だだだだだだだだ大丈夫!アイテム整理は終わった所だったんだけど!!だけどね!!!!いまっ琉風君がっ」
「そう。じゃあ」
「あっ?」
澪の手が伸び呂揮の身体を軽々と抱き上げる。
「呂揮は貰っていってもいいってことだね」
「はえぇぇぇぇッ!?」
「待ってください澪マス、今そういう話は……」
奇妙な声を上げて四季奈が固まるのを見た呂揮が慌てて澪の腕から逃れ降りようとするが澪はそれを許さず頬と頬が当たるくらいに抱き寄せる。
「ちゃんと終わるまで俺はおりこうさんでずっと待っていたのに呂揮はまだ焦らすつもりなのかな」
「あっ……えっとあのっ俺まず風呂いってくるんで!準備してくれてるって言われててっ……」
「じゃあ一緒に入ろうか。俺が綺麗に隅々まで洗ってあげる」
「!!!!!!」
顔を真っ赤にした呂揮を抱きしめたままで澪は四季奈の方を見た。
「あぁそうだ四季奈」
「ははははっはひっ!」
「明日の朝食、俺と呂揮の分は抜いておいて。その時間までにきっと顔を出せそうにないから」
ぱたん。
「はぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……………」
ドアが閉まると同時、四季奈は気の抜けた声を出してこてんとテーブルへと伏せた。
そのままぴくりとも動かずにいると、今度は入れ替わりに紫罹が中に入ってきた。
「四季奈様。魔女砂収集お疲れ様でございました。特製ハーブティを準備いたしましたので……どうかなさいましたか?」
同じように頭をこてんとテーブルにつけて突っ伏せば、四季奈もまたテーブルに頭をつけたまま紫罹と視線を合わせた。
「おつありゆかりん……そしてきいてよゆかりん。今ね、琉風君がリィ君に呼び出されたんだって。アインブロックのホテルに。これってどーゆーことだと思う?」
「それは間違いなく今夜は褥を共にされるとゆーことだと思われます」
「ふぐぅ!」
変な声を出してしばらくもだえるが息も絶え絶えになりつつあとね、と四季奈が更に続ける。
「さっき呂揮君が澪マスに連れて行かれてね……二人共朝ごはんいりませんとかいうの。これってどーゆーことだと思う?」
「恐らく澪様は呂揮様を朝どころか昼辺りまで寝所からお出しになるおつもりはございませんとゆーことでしょう」
「はきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!どうしよゆかりん!あたしどうしたらいいのぉおおおおおおおおお!!!!」
「あぁ四季奈様、おいたわしや」
袖で涙を拭く仕草をしながらテーブルにつっぷす四季奈の頭を撫でていると会議室のドアが開き、今度は朱罹がぴょこんと顔を出す。
「あら兄様、どうなさいました?」
そして身を起こした紫罹の隣に並んだ朱罹が相変わらず机に突っ伏したままの四季奈を見下ろす。
「どうなさったも何も。四季奈の悲鳴が断続的に聞こえてくんだもんよ。っつか当の本人何でテーブルなんかにめりこんでんだ?」
「琉風様が琉風様で澪様は澪様だったというお話でございます」
それを聞いた朱罹は小さく何度か頷いた。
「おう。把握した」
「あかりんものの5秒で把握しないでよーー!!あたし本当にどうしたらいいのーーーーーーーーッッ!!!」
四季奈のある意味悲痛とも言えなくもない叫びは明亭じゅうに木霊した。
* * *
「…………」
目の前のドアを前に突っ立ったまま一体どれだけの時間がたっただろうか。
琉風は未だにこの部屋に入る勇気が出ないままでいる。
アインブロック・カプラサービスの東の建物に来るよう理に言われたあと、さして迷うことなくこの場所にたどり着くことはできた。
だが、その建物を改めて見た瞬間琉風は思わず逃げ出しそうになってしまった。
『あの時』の場所だったから。
琉風がまだギルド未加入だった頃にハイウィザードの一味に拉致された時。
駆けつけた理に半ば強引に連れてこられたのがこの建物――ホテルだった。
同時に、今まで散々抵抗してきた中初めて自分の意志で理の行為を受け入れた場所でもある。
しかも部屋までその時と同じと気づいてしまったら妙に意識してしまい、こうしてドアの前でノックすらできない状態だ。
(どうして理はこんな所に呼び出したんだろう。よりにもよってこの部屋……)
『おい・いつまでもぼへーっと突っ立ってねえでとっとと入ってこい』
理からのwisだった。
「あっえっ!?」
琉風は反射的にドアを開いて中に入ってしまっていた。
ほとんど勢いで入ったその部屋は、前に来たときと変わらない装飾と中央にある大きなベッド。
そのベッドヘッドに背を預け、寛ぐようにした体勢のままで理が視線だけ琉風へと寄越してきた。
「ホテルの奴から連絡が来たんだよ。部屋の前に立ったままぴくりとも動かないモンクが居るんだけどコレ放置でいいのかって」
「ごめん…………」
口ごもる琉風に向かって理が手を差し出してくる。
「来い」
「えっ、あの、えっとっ、その……」
言われてもすぐに琉風は動くことは出来なかった。
なにせ理の意図がさっぱりわからないし、『あの時』のことを意識してしまったあとでは尚更に。
「来いよ・それともオレの口からまず言わせたいのか?」
「…………なにを……」
「『ココはお前が初めて自分から足開いた場所だったな』って」
「……!!」
理も分かっていた。分かっていてここに自分を呼んだ。
反射的に部屋から出ようとした琉風の手を、いつの間にか側まで来ていた理が掴む。
「え……あ……わぁぁぁぁっっ!?」
そのまま抱き上げられ、抵抗するまもなくベッドへとおろされる。
琉風が体制を整える前に理が押さえつけるようにのしかかってきた。
「理……どうして?」
「あ?」
「どうしてこんな意地悪……!」
「意地悪でもねえだろ」
咎めるような琉風の言葉を投げかけるも理は悪びれる様子もない。
「レイプしたリヒのホテルでも・連れ込み宿でもねえんだ」
「なっ……ひゃんっ!」
何の前置きもなく足の間を圧迫するように手のひらで押さえ込まれ、短い悲鳴を上げると理の顔が近づいた。
「『あの時』オレが逃げても追わねって言って・逃げなかったのはお前だろ」
「あ……理……」
理との出会いがとてつもなく最悪だったことは今でも忘れていない。
でも、出会わなければ良かったなんて思ってはいない。
彼が本来持っている優しさも、強さも、情の厚さも。
もうちゃんと分かっているから。
ただ、こうして複雑な気持ちになってしまうのはどうしようもなくて。
それなのに理の手が身体を這うだけでどうしても期待に震えてしまう。
もっと触れてほしいと思ってしまう。
もっと触れられてしまったら今度は我慢できなくなってしまう。
いやらしいことを、いっぱいしてほしくなってしまう。
「あ……ンぅ」
唇を重ねられ、それと同時に圧迫していた手はぐにぐにと股間を揉みしだき始めた。
「ンぅ、ンっんンッッ」
器用に片手でズボンを緩められると下着ごと一気に引き抜かれてしまう。
「……待って……理まって!」
露わになった琉風の下半身へと伸びる理の手が止まる。
「お風呂……行きたい。ずっと時計に籠もってたから身体とかすごい汚れてて……」
駄目もととも言える提案だったが、予想に反して理の手はあっさりと離れていった。
「とっとと済ませてこい」
「えっいいの!?」
言っておきながらまさか通るとは思っていなかった琉風は驚愕の表情で理を見ている。
「何驚いてんだ・行かねえなら続けるぞ」
「い……行ってくる!」
慌ててベッドからおりると逃げるようにバスルームに向かっていった。
「っつか。半勃ちになったアレ・どうするつもりだよ」
理の声は、勿論琉風には届いていなかった。
* * *
「……………………」
身体を洗い終えた後も琉風はなかなかバスルームから出られずにいた。
理に中途半端にいじられた熱がちっともおさまってくれないからだ。
冷たいシャワーを浴びてみたもののまるで効果はなく、上の服で隠していったところですぐにばれてしまうだろう。
(どうしよう……どうしよう……)
このままの状態で理のところには戻りたくない。
まるでこれからされることに期待しているみたいだ。
自分から行為を受け入れたこの部屋で、理にいやらしいことをされたかったと思われてしまう。
拒絶するつもりはもうないが、やっぱりこれは恥ずかしい。
「……………………………………………………」
長い間考え込んだ末、琉風は恐る恐る足の間へと手を伸ばす。
自慰行為なんかじゃない。あくまで高ぶった身体を少し自分で鎮めるだけ。
そんな風に心のなかで言い訳をしながら。
「ナニやってんだよ」
低い声が聞こえたのは琉風の背後からだった。
「!? ひゃぁぁんっっ」
琉風の手は下肢へ届く前に制され、代わりに別の手が琉風の雄に巻き付く。
「とっとと済ませろっつってんのになにオナニーとかおっぱじめようとしてんだ」
空いている手で後ろから琉風を抱き寄せる理が耳元で囁く声は心なしか嗤いを含んでいる。
「だって、だって……あぁっあぁっあぁんっ」
握られているだけでどうしようもなく意識してしまい、口から出たのは琉風自身驚くほど甘ったるい声だった。
「ベッド戻ればいいだけの話だろ・何がだってだ」
「ひっ……ひんっ……あッイくっ、ぅ…………ッッ!!!」
たった数度扱かれただけで琉風は達し、バスタブに精を飛び散らせる。
「はぁ……はぁ……」
熱をもったソコを見られてしまうどころかほんの少し理にいじられただけで達してしまった。
「はぁ……あ、あぁっ」
これじゃあ言い訳なんて何も出来ないと自分を恥じていると、ふと秘部に感じた鈍い圧迫感。
「あんっ」
理の指の腹が秘部に押し当てられたと思うと、そのまま入口を捏ねるように動かしてきた。
「あっあんっあぁんっ」
いや。入口だけじゃいや。もっともっと奥まで入れて。
「あぁっあんっあんあんっ」
奥まで入れた指をぐちゅぐちゅして。
「あうっあぅっあぁぁぁんっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ」
いっぱいいっぱいぐちょぐちょにちゃにちゃされて、そのまま気持ちよくなってイってしまいたい。
「!?…………あぁぁッ!」
急に秘部から指が離れ、我に還った琉風の身体は理に抱えあげられる。
「あぁぁッ……理やだやだ見ないでぇっ」
そのままベッドへとおろされると同時、琉風の足は大きく広げられ露わにさせられてしまう。
達したばかりなのに、秘部をちょっと悪戯されただけでもう勃ち上がってしまったはしたない性器を。
「お前がスケベなのは今に始まった事じゃねえだろ・しゃぶり回してやるから腰つき出せ」
「んあぁぁぁっ」
雫を垂れ流す雄を下から上へとべろりと舐めあげ、そこから咥え込もうとした理がふと動きを止める。
「……先に潮吹き・か」
琉風には聞き取れないような声で呟いた理がベッドサイドの棚の上に置かれていたボトルを手にすると、慣れた手つきで中身を手のひらへ垂らしていく。
中身のローションを指で馴染ませる様を見ながら琉風は無意識にごくりと生唾を飲み込んでいた。
――これからいっぱいいやらしいことをされるんだ。
「あぁぁぁんっ」
ローションにまみれた理の指が触れただけでビクッと琉風の身体が跳ねる。
「あんっあぅぅぅぅんっあっあっあぁっあぁぁん」
性器に添えられた指が上下に動き始めれば、次から次へと出てくる嬌声。
「すぐ勃たせるくらい期待してんならさっさと足開けばよかったろ・スケベなくせに今更隠すな」
「あっあぁぁっあぅっひゃんっひぅぅっあうぅぅっあっはぁぁうぅっっ」
言葉で辱められても指に合わせて動く腰をもう止められない。
「あぁぁんだめっ……またイくまたイっちゃううぅぅっ」
先程から少ししか経っていないのに、すぐにイきそうになるのも止められない。
「だめだめっもぉだめっイくイくっイっちゃうイっちゃうイっちゃうぅぅぅぅっっ!!!!」
琉風がまた達して精を吐き出すのを見下ろす理が口の端を上げて嗤ったのも気づかなかった。
「はぁっはぁぁっ……あぅっ…………あぁことわりっ」
イったのに、出したのに。
理は手を離さずに尚も性器を扱き続けている。
「潮吹きつったろ」
「なに……あぁっあっやぁっやぁぁぁぁぁぁっはなしてことわりはなしてぇぇぇっやァァァァっっ!」
聞き慣れない言葉に疑問を持つも、その疑問を投げかける前に体験したことのない射精感にも似た何かが琉風を襲う。
「やぁっやぁっやぁぁぁっとめてとめてへんなのおねがいやめてぇぇぇッッ!!!」
戸惑い、哀願したところで理が離してくれることはなかった。
「おら・出せ」
「あァァッあァァッやぁぁっヤァァァァァ―――――――――ッッッッ!!!!」
精液とは違うなにかが勢いよく噴き出していく感触。
「はぁっはぁっ……はぁ……あぁっはぁっ……あ、あぁっ……」
琉風が潤んだ瞳で見た床には水たまりにも似た大きなシミが広がっていた。
「あ、あぁっ…………やぁぁっ……」
それが自分の出したものであると自覚した途端、琉風は顔を真赤にして涙を浮かべる。
「あ、いま……おれっ………………」
「ガチ泣きするほどの事か・ただの潮吹きだ」
「しお……ふき……?」
そう言えばさっきも理がそんなことを言っていたと琉風が思い出す。
「理……しおふきってなに……」
「スケベな奴しかできねえ事だよ」
「!!」
粗相をした訳ではなかったと少しだけ安堵はするものの、理の口ぶりから自分がとてもいやらしい事をしてしまったことだけは分かる。
「ちがう、ちがうのこれはっ……ひあぁぁぁぁッッ!」
言い訳すらさせてもらえずに感じたのは心地よい秘部への圧迫感。
秘部に理の指が3本押し当てられ、捏ねるように動かしてきたからだ。
「あぁっあぅんっ……!」
それから秘部に感じるひんやりとした感触。
どろりと理の手にした瓶から垂れるローションが秘部に、理の指にまとわりついていく。
冷たかったのは最初の内で、すぐに熱くなってくちゅり。と粘ついた音を立て始める。
「あぁっあぁぁっあぁぁぁっあンッ」
最初はただただ困惑するばかりだったのに。
初めて理にこの行為を強いられた時は恥ずかしさと戸惑いしかなかった。
何度も強要され続けてきた中自分の意志で受け入れたのは、粗暴だと思っていた彼の本質に触れることができたからだ。
そして何より、いやらしいことを理にされればされるほど身体が悦ぶ事を知ってしまった。
恥ずかしい。それは前も今もずっと変わらない。
そう思っているのに、その恥ずかしい事をうんとして欲しいと。こんなにも望んでいる。
「アァァァァァァッッッ」
秘部を広げられる感覚に我に返ると、理の3本の指が一気に中へと押し込められていた。
その状態で理が指を上下に動かすと、ローションまみれになった琉風の秘部はすぐにぐちょぐちょといやらしい音を立て始める。
部屋が広いせいか秘部から立つ卑猥な音は想像以上に響き、自分の声よりも大きく聞こえてくるようで琉風は顔を赤らめる。
「あぁんあぁっおとやめてっぐちょぐちょやらないでぇっ」
このいやらしい音が部屋の外にまで聞こえてしまいそうに思えてやめさせようとするが、理はただ口元で笑っただけだった。
「なにがヤメテだ・この音がスキでたまんねぇクセに」
やめてという言葉など最初から言われていないかのように更に大きな音を立てさせた。
「あはぁぁぁぁぁぁぁッッッ」
違うと言おうとしたのに琉風の口から出たのはただの嬌声。
自分の嬌声と共に秘部から聞こえてくる卑猥な音が琉風自身を煽る。
激しく指が動かされている場所にローションを垂らされ、量が増えたことによってぐぷぐぷ・ぐぽぐぽ・ぐぼっぐぼっと音は更に卑猥さを増していく。
弱々しく首を振る琉風に構わず理は大胆に指を動かし部屋中にその音を響かせた。
「あぁッやだぁぁッおとやめてはずかしいよぉっあぁぁぁッやだやだぐぽぐぽするのもぉやめてェェェッ!!」
「お前のスキな音いっぱい聞かせてやるからこのままイけ」
「……!!!イくっやだやだイっちゃうイっちゃうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!」
拒絶の言葉はもう口先だけだった。
耐えきれずに秘部だけで琉風は達してしまう。
腰を浮かせて理にまるでその様を見せつけでもするように。
「あぁぁぁぁんっ」
もっとぐちゃぐちゃされると思っていた理の指は引き抜かれてしまい、また足を広げられて自分の秘部がよく見える格好にさせられた。
理の指でたっぷりとねぶられた秘部は琉風の意思とは関係無しに断続的にヒクついている。
「あっあぁぁっ」
琉風に見せるように舌先を当てると入り口付近だけを舐められる。
ただただ舌先で撫でられるだけの行為は、さっきまでいっぱい指でぐちゃぐちゃされてしまった後では琉風にとって焦らしでしかない。
恥ずかしい格好をさせられている羞恥よりも、明らかに焦らす行為の方がどんどん耐えられなくなっていく。
「おねがぃ……もぉ入れてぇ……」
少しも我慢できなくなったところで琉風は強請ってしまっていた。
「何度も言わすな・ちゃんと言えつってんだよ」
「ち、ちんぽ……入れて」
「入れるだけでイィのか」
「あうあうあうぅぅぅぅぅぅぅぅっ」
一生懸命言っているのに貰えない。
遂にはじゅるじゅると秘部を啜られてしまい鳴き声を抑えることができなくなってもまだ貰えない。
もっともっといやらしい事を言わせようとする理の意図を感じて涙を浮かべる。
言うまで欲しいのをくれない事も琉風はもう分かっていた。
そして琉風自身がもう少しも我慢が出来なくなっていることも。
「ちんぽ……理のちんぽで奥の気持ちいいところ突きまくって……いっぱい、いっぱいちんぽで気持ちよくしてっ……んぅぅっ」
一度強く吸い上げられたあとやっと理の舌が秘部から離れていく。
「んあっ、ぁぁあぁぁぁぁぁうぅぅぅんッッ」
代わりにあてがわれ、ずぷっと無遠慮に押し入ってくる欲しかったモノ。
「――――奥の気持ちのイイ所・か」
「?……あぁっあぁんっあはぁぁぁああッッ」
何か含みのある言い方に疑問を投げかける間もなく琉風は秘部を押し広げて入ってくる雄に身もだえる。
そして届いた奥にある気持ちのいい場所。
ソコを激しく突かれまくるのが大好きなのに、雄はさらに奥の奥へと沈み込んでいく。
「やっ……ことわり……そこ……あぁぁぁぁぁッ!」
今までよりもずっと理性を保つことが難しいほどの激しい感覚。
知らない自分を理の雄によって暴かれてしまいそうな気持ちになり、思わず腰を引き逃げようとするが理の両腕に捉えられ引き戻されてしまう。
「やあぁぁぁぁぁぁっっ!!」
抑えられない悲鳴が零れ、殺すことさえできない。
「やだやだやめてッそんな奥知らないやめてぇぇッ!」
「だろうな・今から教えてやる」
「ひっ……!ひあぁぁぁっ……あっ、あぁっ、あぁぁぁぁっっ」
とん、とん。と奥の奥を優しく突かれると、次第に琉風の声色が変わってくる。
「へんっそこへんなのっあぁっじんじんするよぉっあぁぁぁんッッ」
理の雄がそこを突くたび琉風の意思とは関係なくびくんびくんと身体が跳ねる。
「へぇ・ならいつもみたいシたらお前どうなっちまうんだろうな」
「!?」
今優しくとんとんされているだけでもおかしくなりそうなのに、それをいつもされているみたいに激しく突きまくられたら自分はどうなってしまうのだろう。
「やぁぁッへんなのそこへんなのッおねがいもぉソコつかないでぇぇぇッ!」
嫌がる琉風に構わず腰を進め、耳に舌をねじ込みれろぉっと淫靡な動きで頬を舐めあげる。
「ちんぽで気持ちよくなりたいってオネダリしたのはお前だろ琉風。望み通りに気持ちよくて・スケベな目に遭わせてやるよ」
「あッ……はぁっ……やあぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
優しい動きから激しい動きへ、気持ちのいい場所の更に奥を蹂躙される。理の雄で容赦なくごりごりと。
「やぁっやぁぁぁっあぁぁぁヤァァァァァッッヤァァァァーーーーッッ!!!」
貫かれる感覚が激しすぎて気持ちいいのかどうかも分からない。
身もだえる肢体を自分でどうする事も出来ない。
口から零れるいやらしい声を少しも殺すことが出来ない。
「あぁぁっやァッやぁぁぁッやあぁぁぁぁっやああぁぁぁぁぁぁッッ」
「や・じゃなくてもっと。だろ」
「ちがうのもっとじゃないのっもっとしたらだめっもっとはだめっもっとは……やぁぁぁだめェェェッ!」
「ダメならもっと本気で嫌がってみろ」
「あぁぅっあうっあぁっあぅあぅあぅあぅあぅぅぅぅっ」
「おら・スケベ声出してねえでいやがれ」
「あぁっあぁぁっあぁぁぁぁっやぁぁぁぁッアァァァァッッ」
「腑抜けた『やぁ』だな・萎えもしねぇ」
その間もずっと雄で突かれまくっていた中、動きが急に止まる。
「ひぁぁんっ」
奥の奥に理の雄を埋められたまま、琉風の勃った雄を指で弾かれた。
「やぁっそこ、ゆびでぴんってやらないでっやぁッやぁッぃやァァっあアァァァァ……!っぅ…く……ぅ…ン……!!」
何度も何度も指で弾かれ続け、首を振りながらぴゅっと精を吐き出してしまう。
「萎える所かナニ出してんだ」
琉風を射精させたと思えば理はまたすぐに激しい動きを再開した。
「うっうぅぅっう、んッあァァァっあァァッあァァァァッッ」
「イィんだろ・ちんぽで奥突き刺されんのが」
「あんっおねがいっあぁっもぉやらしくしないでっもうおれのことこれいじょうやらしくしないでぇぇぇっあぁぁぁぁんっっ」
知らない奥の奥を雄でいっぱい突かれることが気持ちいいことなのかまだ分からない。
でも。これをずっと続けられたら気持ちのいいことなんだといずれ身体が覚えてしまう。
そうなってしまえば、コレをしてもらわないと次からは満足できなくなってしまう。
今よりもっともっといやらしい身体になってしまう。
もうこれ以上いやらしくなんてなりたくないのに。
それなのに。
「ソレ聞いて・オレが言う通りにした事あったか?」
「……!」
「答えろ琉風・あったか?」
「あぅっ……ンぅ……」
会話の間に緩い動きされてしまったのが焦れて無意識に腰を揺らしていることに琉風は気づいていない。
気づいた理だけが目を細めて嗤う。
「お前だってもう分かってんだろ・とっととスケベになっちまえ」
そして思っていたことを見透かされ、また突きまくられる。
気持ちいいと思い始めてしまった奥の奥を。
「!……あぁあああっそこはっそこっあんそこっあんっあんっあんっあんっあ、あっアァ……………!」
射精もしていないのにイク感覚が琉風を襲う。
「……ッ………………んあぁっやァァァァァーーーーーッッッ!!!」
最後は声も出せずにその絶頂に身を任せていると、その余韻に浸る間もなく雄で突き上げられ琉風は鳴き叫んだ。
「あぁんやだやだイっちゃうイっちゃうっイキまくっちゃうよぉぉっ」
「ダメなんて言ってねえだろ・イけ」
「やだぁやだやだやだぁぁっまたへんなイきかたしちゃうへんなふうにイクぅぅっ」
「スケベな奴はそうやってイくんだよ・分かったらもっとイけ」
「やァァァァイクゥゥッッイっちゃうイっちゃうヤァァァァァァァァッッッッ!!!!」
どんなにイヤと叫んでもやめてもらえず身体はちっとも言う事を聞かず、また射精しないまま達してしまう。
「アァァァッアァァァァッアァァァァーーーーーーッッ!」
知らない一番奥で何度もイかされて。
何度もイかされている間に自分が理をヨくしていたことも分からないままで。
もう気持ちよくてたまらないと思ってしまうようになった奥の場所に理の精が勢いよく流し込まれる。
「あっあぁんっあんっあぁぁんっあんっっっ」
吐精されるその感触にすらいちいちいやらしい声を出して。
「ひゃ……ぁ……あッアァァァァァッッ」
自分が達しても、理が達した後でさえも行為が終わることはなかった。
イき続けた身体にまだ気持ちが追いついていない琉風の秘部から理は雄を引き抜いてしまうと、代わりに指を這わせてくる。
「やぁぁっやぁっやぁぁぁぁッッ!やめてっアレはしないでぇっ」
アレ。
雄で散々イかされ、精をたっぷり飲まされた秘部を間を開けず指でグチャグチャして中に出されたものをかき出される行為のこと。
とてもとても気持ちのいいこと。
知らない場所を散々突かれ、雄が引き抜かれた今もじんじんとしている秘部。
そんな時にアレをされてしまったら、もっと気持ちよくなっていやらしくなっておかしくなって、きっと気が触れてしまう。
「あぁぁぁやめておねがいアレはやめてぇっ」
理の指が秘部を圧迫してくるのを感じて反射的に逃げようとするが、ただベッドヘッドに追い詰められて更に大きく足を広げられただけだった。
このままだと本当にアレをされてしまう。
今よりもっともっといやらしい身体にされてしまう。
「やだやだもぉやだァァッもっといっぱいすけべになっちゃうからもうやめてぇっお願いこれ以上俺のことすけべにしないですけべになるのやだァァッ!!」
「シてほしいんだろ・『アレ』」
「あぁっあはぁぁぁっっ」
秘部の指は徐々に秘部へと埋まっていき、それだけで喘ぎ声が止まらない。
「アレはやだとかスケベになりたくねぇとかちんぽで散々イきまくった男の台詞とは思えねぇな」
無意識に指が秘部にもっと当たるようにと揺れる琉風の腰。
どんなに拒絶してみせた所でカラダがその先を求めている事は理に知られてしまっている。
『アレ』をされてもっともっと気持ちよくなりたい事を。
「おら・もっともっとスケベにしてやるよ」
ぐぷぐぷぐぷっぐちょぐちょぐちょぐちょぐちょぐちょっ。
「やぁぁぁッ!やァァァァッ!!あぁぁぁやァァァ―――――――ッッッ!!!!」
『アレ』をされ琉風の口から出たのは嬌声ではなくもはや悲鳴だった。
「あァァァッすけべやだぁッすけべになるのやだっやだやだやだァァァッあぁぁぁあぃやァァァァァッッ!!!」
情欲にまみれた琉風の悲鳴を聞きながら。指を動かすたびに琉風の秘部から溢れ出てくる自分が吐き出した精を見ながら。理は琉風の頬を舐め上げる。
「スケベになれよ……なっちまえ琉風」
ぐちゃぐちょぐちゃぐちょっぐぷぐぷぐちゃぐちゃぐちゃっ。
「あぁんっあんあんあんっっあんっイくっあぁんいくいくあぁぁァァァァァーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」
最後はもう鳴き叫ぶ事しか出来ない。
秘部をいいようにかき混ぜられ、琉風は理の見ている前で何度も何度も激しくイキ続けた。
「あっ……ぃやぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!」
たっぷりナカで出された精をかき出されてもなお理の指は止まらない。
「もぉないっもぉのこってないのっぜんぶだしたからもうぐちゅぐちゅやめてぇっやあぁぁぁっ」
「あぁ・もう残ってねえな。後はお前が今よりもっとスケベになるだけだ」
「アァァァァァっなるっすけべになるっなっちゃうぅぅっ!いっぱいすけべになるうぅぅぅっアァァッアァァァァッッアァァァァァァァーーーーーーーッッ!!!!!!」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ秘部から聞こえ続ける音と琉風の悲鳴。
「あ、うぅぅぅぅっっ………………!」
数えきれないほどたくさんたくさんイかされた後やっと指は引き抜かれ、同時に琉風の身体はベッドへと沈む。
「あぁッ……あンっっあぁっはぁぁッ」
くちゅ。
「あうぅぅぅぅぅんっっ」
無防備に晒された琉風の秘部に理の指が押し当てられ、それだけで洩れるいやらしい声。
「あぁんソコやぁぁぁっもぉソコいじらないでぇッやぁっやぁっあぁぁぁぁヤァァァァァッッッ」
指の腹を秘部に押し当て上下に軽く擦ってやっただけで琉風はまた達してしまう。
もう今日で何度味わわされたか分からない秘部だけの絶頂。
「〜ッ…………………!!!!!」
秘部を擦られ続けたまま、触れられもせずに放られていた雄をきつく吸い上げられ、最後は声も出ない。
広げられた足を無意味に揺らしながら理の口内へと琉風は勢いよく精を吐き出していた。
「うぅっあっあぁっ」
絶頂の余韻になんてずっと浸らせてもらうことすら出来ず、更に大きく開かせられた足の間に理が割って入ってくる。
「い……ゃっ……まってっまだちんぽは……いまちんぽいれちゃやだあぁぁっやめてやめてアァァァァァァーーーーッッ!!」
どんなにやめてと言ってもやめてもらえない。
それが分かっていても琉風は口先ばかりで嫌がり続ける。
「やめて理やめてぇっいまちんぽいれたらおれもっとすけべになっちゃうっおねがいちんぽいれないでぇぇッやだやだもぉすけべやだァァァァっっ!!!」
「何度も言わせんな・ちんぽ入れてやるからもっとスケベになっちまえ」
「やぁっやぁぁっやぁぁぁっあんあんやぁぁぁぁっアァァァッアァァァァァァーーーーーーッッッ!!!!」
今まで知らなかった場所を、もっともっと気持ちのよくなる場所をまた理の雄でぐりっとされてしまう。
ただそれだけで。琉風は絶叫しながら達していた。
「……あ……ァ……」
最後はか細い声を漏らし、琉風は動かなくなる。
「……飛んだか」
理が白ポーションを取り出して気付け薬代わりに口移しで琉風に飲ませてやれば、喉が鳴り、琉風はうっすらと瞳を開く。
「んく……っ……ん、ん……」
琉風の意識が戻ると理はもう一度唇を深く重ねた。
「んむっんぅぅぅっ」
いっぱい蹂躙された秘部は理の緩い動きだけでも敏感で。
「んぅっんぅっんんんッッ…………!!」
その緩い動きだけでまた絶頂へ追いやられた。
「んぁっ……あっやぁぁぁッヤァァッ」
達した後も緩い動きは続けられ、理の唇が離れたその口で嫌がって見せたところで止まらない。
「そうやってイヤイヤ叫びながら何回イった・もう両手でも数えられねぇだろ」
「そんな……あっ、あっ、アァァァァ……………!!!!!」
「今のでもう1回か」
ぐう、と奥を強めに圧迫され、また達してしまったことはすぐにバレてしまう。
「うぅっあっあんっあんっあぁぁんッ」
また達した後もゆるりとした抽挿は繰り返され、まともな返事もできずに琉風が腰をくねらせる。
いっぱい、いやらしい目に遭わされた。
いっぱいいっぱいすけべにされた。
口先だけで拒絶して、本当はいっぱい気持ちよくなっていたことを見透かされて何度も何度も。
羞恥で顔や耳を真っ赤にするどころか全身を薄紅に染め、琉風は涙を浮かべていた。
「……っ!……んあァァァァッッ!!」
ずっと緩い動きだったのがふいに激しい動きで奥を雄で暴かれ、弱々しく首を振る。
「やぁぁぁやだやだすけべになるっそれやったらすけべになるからもぉそこやめてぇぇっまたいっぱいすけべになっちゃうよぉぉっ」
泣き出しそうな声で哀願しているとぴたりと急に理の動きが止む。
「はぁ……は……ァ……あっあぁんっ」
動きは止んだが雄は引き抜かれる事はなく、理が少し動くだけで琉風を苛む。
「……琉風」
「ん……」
「琉風」
「ん、んぁ……ぁ」
「琉風」
「ぁ……ことわり……理ぃ……」
耳に唇を軽く押し当て、繰り返し名前を呼ぶ理の声は低くてどこか甘い。
こちらの哀願をずっとつっぱねられているのにも関わらず、その甘い声に惹かれるように琉風は理にすがりついていた。
「琉風・オレが見たいって言ったら?」
「……!」
「お前がスケベになる所をオレが見たいって言ったら?」
「あ、あァ……おれ、おれっ……」
今度は視線を合わせて問われ、答えることもできずに視線を下に落としてしまう。
「見たい」
「……ンっ、あッ」
間近で強請る低い声。囁かれるたびに琉風は小さく鳴き続ける。
「見せて。琉風」
「あ、あ……」
いつもの命令口調ではなく願うような囁き声。
琉風はほとんど無意識に頷いてしまっていた。
ちゅ。と啄むような口づけが落とされると同時、琉風の秘部は理の雄によって再び蹂躙される。
「あんッあんッあんッあんッあぅっあんっアァァァァッアッアァァァァァァァァッッッ」
変になるから、スケベになるからと、散々嫌がり続けた気持ちのいい場所の更に奥を突き上げられるたび、琉風は抑える事の出来ない悲鳴を上げ続けた。
でも『嫌』とは言わない。
もういい。
恥ずかしくていいからいっぱい気持ちよくなりたい。
すけべになってもいいから理にいっぱい気持ちよくされたい。
理だって望んでくれた。『見たい』って。
だから、もういい。
このまますけべな身体になってしまえばいい。
いっそ開き直った言い訳を心の中でしながら、すっかりいやらしくなってしまった身体を鎮めてくれるただ一人の男に琉風は身を委ねた。
「理……いくっでるっまたへんなのでるぅうっあぁっあぅんっあ、アァァァァッッ」
「見せて」
また優しく促され、我慢なんて出来るわけがない。
「いくいくっイっちゃうイっちゃうあぁぁぁことわりっでちゃうでちゃうイっちゃうああぁぁアァァァァァァァ――――――ッッッ!!!!」
『スケベな奴しかできない』と言っていた精とは違うものを勢いよく噴かせ、いやらしい叫び声をあげながら琉風は激しく達する。
「ア、あ、アァ……………………ん」
最後に記憶に残ったのは、熱を帯びた理の唇の感触だけ。
* * *
――あぁ・蹴ってやりてぇ。
理がそう思いたくなるくらいその背中はしょぼくれていた。
三日月の夜。部屋の中央にぽつんと座っている少年。
あの日は一度も会ったこともない女との婚儀を明日に控え、とてつもなく不貞ていた。
そのクセ冗談じゃねえと抜かす度胸もまだなくて、強引に自分を納得させようとしていた昔の自分の背中だ。
「あなたは……誰?」
気配に気づいた少年が振り返り尋ねる。それはもう驚きを隠しもせずに。
過去の自分と対峙するなど恐らく夢なのだろうが、声も見るものもあまりに現実味がありすぎる。
ただそうやって疑問を抱くのもほんの僅かのことだった。
なんだか置かれている状況が妙に楽しくなってきて、思わずシケた顔をしている過去の自分をイジリ倒したくなってくる。
「『いずれ』分かる・何シてんだ?」
「今度は誰の差し金ですか。私は逃げたりしませんから一人にして下さい」
「俺は誰の回しモンでもねえよ。そもそもお前以外でこんな髪色の男がいるか?」
「……貴方は私と同じ、珍しい髪色をしているのですね」
「ココらのヤツらは全員黒髪・黒の目だもんな。俺が居る国じゃこんな髪色珍しくもねえ」
「……そうなのですか」
「にしても・随分シけたツラしてんな」
「気のせいでしょう。明日私は妻を娶ります、とても喜ばしい事です」
「結婚とかクソが・絶対シたくねぇって顔に書いてんのにか」
「……………………」
即答しないのは図星だからなのももう知ってる。
そうですたまらなく嫌ですという気持ちを乗せたため息を大きく吐いてるのが何よりの証拠だ。
「仕方がありません。一族を繁栄させるのが私のつとめですから」
「一族どうこうじゃなくて・お前は?」
「え?」
「お前は・どうしたい訳?」
「私は。私は………………」
そしていつまで経っても言おうとしない。
当然だろう。それを口にすること自体が罪なのだと今まで散々周囲に吹き込まれてきたのだから。
だから代わりに言ってやる。
ずっとずっと心に抱き続けてきたことを。
「還りたい」
「!!」
顔がもう『初対面の他人にどうして私の気持ちが分かるのだろう』とでも言いたげだ。分かり易いにも程がある。
「そう思うのは当然だ。ココじゃねえんだよ・お前の還るべき場所は」
「還るべき場所?それは一体……」
「ルーンミッドガッツ」
「ルーンミッドガッツ…………私の・還る場所……」
「分かったならとっとと東の離れにある書庫に行け」
「東の書庫……そこは限られた者しか知らない場所ですよ!どうして貴方が知っているんですか!?」
「さぁなぁ?右から3つ・奥から2番目・上段左端にある違和感しかねえ背表紙の本を今すぐ読め。ココからルーンミッドガッツに渡る手段が書いてある」
「ここを出るって……先程から貴方は何を言ってるんですか?私は明日……!」
「明日?」
「………………………………………………………………」
長い沈黙。ただ最初と顔つきが明らかに変わっている。
理解したんだろう。今日しかないのだと。
自らの意思で、思うままに生きられる好機が目の前にある。
ずっとずっと心の奥に秘めていた願いが叶うかもしれない。
ここを出たい。
自分で決めた道を歩んでみたい。
この琥珀の髪の血を残していった祖先の国へ行ってみたい。
――――今すぐそこに、還りたい。
そんな期待ばかりに満ちた表情だった。
「腹・くくったみたいだな」
「……はい」
はっきりと答えて立ち上がり、居を正すとこちらに向かって律儀に頭など下げてくる。
「どのような縁の方かは存じ上げませんがありがとうございました」
「礼はいいからさっさと行け。ボサっとしてるとすぐに囲われてそのまま強制結婚だぞ」
「……はいっ!」
結婚を控えた男といったところで身体も心もまだまだ未熟な子供。
このタイミングで屋敷の人間と接触したとなっては、いいように丸め込まれてせっかくの決意も鈍るというものだ。
背中でも蹴飛ばしてとっとと部屋から出してしまおうとして、ふと思いとどまる。
「おい・行く前にこれだけ伝えておく」
「? なんでしょうか」
「還ったその先で――――――――」
「あ」
アインブロックの宿の天井を見ていた理の口から自然とそんな声が零れる。
「結局背中蹴ってねえ」
「……ん?」
恐らく起きていたのだろう。腕に抱いていた琉風がその声に反応して起き上がった。
「理、背中蹴るって何?」
散々スケベな目に遭わせてやって散々イかせてやった筈の琉風は随分ケロリとした様子だ。
普段の鍛錬で築き上げた、攻城戦にもおあつらえ向きな体力のバカさ加減はどうやらSEXという見当違いなところでも発揮されるらしい。
「昔のオレのこと・蹴ってやろうとして忘れたって話だよ」
「???それって夢の話?」
「………………」
「わぁっ!?」
琉風の身体は理の上に乗る形で抱き寄せられた。
抱き寄せた手が迷わず秘部にいき、指の腹を押し当てる。
「あんっ」
「ヒクついてんな」
「ま、待って理……いまそんな風にさわったら……」
「どんな風だよ」
「あっあぁっあんっあぁんっあんっ」
指の腹をしつこく秘部を擦ってやると琉風は理の上で身もだえ始める。
「んぅっ、あぁッ、あぁぁぁぁっっ」
散々擦った後いきなり指の動きを止めて放れば、浮かせた腰を揺らしながら続きを欲しがり秘部をいやらしく蠢かせた。
「ココ・どうサれたい」
「あうぅぅぅぅ」
指の腹で秘部を掠められるだけで過剰に鳴く琉風に、また同じ事をまた言わせようとする。
「琉風」
低く・囁くような声で呼んでやれば、どうにもそれが弱いのか顔を赤くして俯いている。
「教えて。琉風」
「――――――」
更に一言甘く促せば、小さいながらも恥じらいながらも理の望む言葉を発した。
そんな琉風の身体を抱き寄せ、理は夢かうつつかも分からない今しがたまで対峙していたかつての自分へ最後に残した言葉を思い出す。
『お前は還ったその先で必ず・どうしようもないほど心を揺さぶるヤツに会う』
『もしソイツに出会ったらどんな方法を使ってもイィ・絶対に離すな』
『どうせお前が心底惚れられる相手なんざソイツ以外にいねえんだ』
「――――誰が・離すかよ」
自身ですら聞き取れないほどの声で理は囁き、琉風をその腕の中に捉えた。
* * *
以下、
↓↓↓本編に積み込め切れなかった設定的な何か↓↓↓
理はアマツ方面の出身の元陰陽師。
何十年も前にふらりとやってきた冒険者であるチェイサーの血を色濃く受け継ぐ。
陰陽師とチェイサーが交わる事で誕生した新しい陰陽道の形を作り理の一族は栄えた。
その後も度々チェイサーの血が強く出て琥珀の髪の子供が生まれることがあり、その子供は例外なく高位の陰陽師となって一族に更なる繁栄をもたらした。
ただ、同時にルーンミッドガッツの血が騒ぎ帰巣本能も強く出るせいか隙あらばすぐルーンミッドガッツへ還ろうとするので、琥珀の髪の子は性別関係なく12歳で結婚させることで出ていきにくい境遇にさせるようになった。
理もその一人だったが結婚の前日、突如現れたチェイサーの男に焚き付けられ単身ルーンミッドガッツへと渡った。
いつかその男に会えるのではと思っていたら、実はそれは未来の自分だった。
……的なことをふわふわと考えていました。