たまらない程 温めてあげたい

 

「ナニさっきからもぞもぞ動いてんだ」

琉風が何度目かの身じろぎをした時、理が歩みを止め抱き上げている琉風の顔を見上げた。
「ごめん…なんかこういうふうに抱き上げられるのって慣れなくて」
「この程度恥ずかしがるようなことじゃねえだろ・人に向かってケツ突き出してオ……ん」
「そんなこと言うなよ馬鹿馬鹿ッ!!」
続けようとした理の口を両手で塞いで琉風が遮るが、呼吸も困難なほどがっちりと押さえられても
少しも動じずそれどころか僅かに細められたその目は笑っているかのようだった。

「うわッ…わ…ぁ…ッ!!」

塞いでいた掌を舌で舐められ琉風が慌てて手を離した拍子にその勢いで後ろにのけぞりそうになる。
「…っと」
理は片手でしっかりと琉風の下半身を支えてやりながらもう片手を背中に手を回して抱え直すとまた歩き出す。
「一人で歩けねえんだ・大人しくシとけ?」
「……………」
まるで身体を愛撫された時のようなねっとりとした舌の感触が残る手を理の服に伸ばして掴み、とりあえず琉風は大人しくなる。

意識が途切れてしまうまで続けられた行為のせいで今の琉風は立つことすらままならない程で、
理に抱いてもらうことは仕方が無い状況ではあったが、すぐ側で感じる自分以外の人肌がどうにも慣れなかった。
それでもせめてもう無駄に動くのはやめようと理の肩に額を押し付けてじっとしていたが、歩く振動が止みふと顔を上げる。

止まった場所は朱罹と別れてからしばらく進んだ所にあるドアの前。
理が琉風を抱き上げたままドアノブに指を軽く引っ掛けたあと足で扉を開けて部屋に入り、奥に位置するベッドの上に琉風を下ろす。
「ここで待ってろ」
「うん」
理が浴室の扉の向こうに消えてほどなくすると、恐らく湯をはっているであろう音がドア越しから聞こえてきた。
琉風はベッドの上に大人しく座ったまま改めて周辺を見渡す。
一人部屋らしくベッドは琉風が座っている一つだけ。部屋の雰囲気も随分違っており、澪の部屋のように
いくつもの本棚や色んな書物が積みあがっていた大きな机もなく。最低限の家具があるのみだった。
「あ」
ベッドサイドの棚の上に写真が置いてあるのを見つけて手に取る。朱罹をはじめ見知った顔や
見たことのない人物の写るその写真をしげしげ眺めていると、浴室の扉が開いて理が顔を出す。
「おら・来い」
「あっ…」
ベッドに近づき琉風の身体を覆っているシーツを剥ぎ取ろうとする。
肌を晒されるのことに恥ずかしさがあったのかほんの少しだけ取り上げられるシーツを
握って抵抗する仕草を見せるが、最後は大人しく裸になって抱き上げられた。

理が琉風を抱いて浴室の扉を開くと湯煙が立ち込めるその向こうには埋め込み式のタイル張りの浴槽。
大人2人ほどが入ることが出来るくらいの広めの浴槽にはたっぷりと湯がはってあり、
手前の洗い場には白いマットのようなものが置いてある。
それが無性に気になるのかしげしげとそれを見つつも、琉風の身体は静かに浴槽の中へと沈められていった。
ほぅ…。と気持ちよさそうに吐息を漏らす琉風を尻目に理は自分のベルトに手をかけ服を脱ぎ始めた。
脱いだ服を浴室の外に向かって投げ捨てる音に、今度は素肌を晒していく理の方に琉風の視線が移る。
SEXの時、琉風が全裸になるのはしょっちゅうだが、理の方が全裸になることは少ない。
琉風は何か特別なものを見ているような気分で理の身体に見入ってしまっていた。

自分よりもずっと広い背中、日々の狩りや対人戦で鍛え上げられたであろう
その全身は琉風が羨ましくなるくらい均整が取れ引き締まっている。

「………!!!」
やがて琉風の視線が理の下腹部付近に行った所で口元に笑いを浮かべてこちらを見ている理に
ようやく気づき、慌てたように湯を跳ね上げながら背中を向けた。
「随分ご熱心に鑑賞シてたな。オレの裸・そんなに興味あんのか?」
「ごめっ…あの…!」
「別に見たいなら好きなだけ見りゃイィし・触りたいトコあんならドコ触ってもいんだぞ。
 お前みてぇにヤダとか恥ずかしいとかぎゃあぎゃあ喚かねぇし」
「違っそうじゃ…わッ…!」
そう言って必死に言い訳をとりつくろうとする琉風の脇に理の両手がかかり、湯船から半身が浮き上がるような格好になる。

ざぷんっ。

湯船に入った理を跨ぐような姿勢で再び湯につからされていた。
「あっ…あの…俺あがるっ…狭いから…」
湯の中で跨いだ足の間にそろりと感じる理の雄の感触が先程までの行為を思い出させ、
振り払うように浴槽の縁に手をかけて出ようとするがすぐに琉風の身体に理の腕が巻きつきそれを制される。
「別に狭くなんてねえだろ・湯がなくなっから暴れんな」
実際狭いというわけではない。むしろ2人でゆったり入っても丁度いいくらいの広さはあるのだが、
どうも琉風の方は落ち着かない様子を隠せないでいる。
「でもっ…」

「ココに当たんのが気になんのか?」

足の間に当たる理の雄の事を意識させられて琉風の顔がさっと紅く染まる。
「……!!!」
「顔・紅いぞ。のぼせた訳じゃなさそうだな」
「あッ…」
理が琉風の腰を押さえ込んだままでさらに強く押し付けると、吐息と共に小さく喘ぎ声を漏らす。
「なんなら…朱罹の言った通りココでシてもいんだぞ」
「やッやらないやらないもういいッ!」
冗談には聞こえない理の言動に琉風が首を横に振って全力で拒む。
「あっ…あがる…身体洗う…」
「ロクに1人で立てねえくせシて出来んのか?お前のカラダ隅々までオレが洗ってやってもいんだぞ」
「大丈夫、それくらいだったら自分で出来るからっ…」
両手で全身を撫でさする理から逃げるように湯船から這い出ると、琉風が手をついた所は、ちょうど洗い場においてあったマットだった。
その不思議なさわり心地に何度か指でぷにぷにと押してみると、空気が入っているのがその感触で分かる。
「理、これ何?」
「エアマット・動けねぇお前に固いタイルはキツイだろうから使えって朱罹からのwis伝言」
「…っ…」
今の自分が満足に動けないこととその理由が朱罹に知られていると思うと気恥ずかしくなったが、
事実であることには変わらないので素直に使わせてもらうことにした。
浴槽の縁に両肘をかけて天井を煽っている理の様子を見てこれ以上は自分を追う心配がないことを
確認すると、シャワーの側に置いてあるスポンジとボディソープを手に取り身体を洗い始める。
空気を含んだ柔らかいマットは確かに身体への負担が和らぐようで、マットの上にぺたりと完全に座り込んで全身にスポンジを滑らせる。
真正面は抵抗があるのか、理に背中を向けた状態で洗っていたために気がつかなかった。

浴槽に入ったまま背後から伸びてきた理の腕に。

「うわッ!」
にゅ。と自分の両脇から伸びてきた腕に驚き琉風は手にしていたボディスポンジを落としてしまう。
熱を持ったその腕に身体を絡めとられ、琉風の身体を仰向けにマットの上に押し倒し足を大きく開かせる。
「…理っ…なにッ…!?」
湯船に半身浸かっている理の顔のすぐ近くで足を開き下半身を晒す自分の
格好に琉風はただ恥ずかしがるだけで抵抗する気配はない。

抵抗しないというよりも、抵抗するだけの体力など残っていなかった。

「肝心なトコロ、まだなんじゃねえの?」
「やっ…だから何ッ…」
「ココ、洗ってねえだろ」
「ひゃ…!」
『ココ』と言って理の指が触れた部分は琉風の秘部だった。
「あっそこ…はッ…」
「ココが一番綺麗にしなきゃならない部分だろ」
「待って…ちゃんと自分でやるからッ…」
「遠慮スんな?汚しまくったのはオレなんだし・責任とって綺麗にシてやるよ」
琉風の腿を撫で回して泡をその指にたっぷり含ませるとその指をヒクつく秘部に押し当てる。
「やっあっ…ひゃッ…!」
泡にまみれた理の指が2本進入し、内壁を擦りながら抜き差ししはじめた。
「あー・まだ残ってたか」
「そんな洗い方ッ…あッあッんあぁぁっ」
理が指を折り曲げて指を引き抜くと石鹸の泡と共に中に注ぎ込まれ理の精がくぷりとあふれ出る。
「やはッやっ…あぁっあぁぁッッ」
また指を挿入し、ゆっくりと動かしながら指の腹を使って丹念に擦る行為は確かに洗う目的があったのかもしれないが、
琉風からすれば石鹸の泡で滑りの良くなった指を秘部に入れられ、中をいじくり回されているようなものだった。
「おら・キレーになったぞ」
「あうぅぅッ」
ようやく指が引き抜かれ、同時に琉風はマットの上にぐったりと身を預けて四肢を投げ出す。
シャワーを手に取り理が喘ぐような呼吸を続けている琉風の身体の泡を流し始めても、
多少手足を動かしただけでマットに仰向けになってされるがままになっている。
「ん…ぁ…ッ…」
恥ずかしくてもこれを我慢すれば『終わり』だと、そう思っていたから。

「あ…やぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
呼吸が落ち着きかけていた所をかき乱すような新たな刺激に、琉風の口から出た声は悲鳴に近かった。
不意に下半身へと降りた理の指が何の前触れもなしにまた琉風の秘部に指を突き入れてきたからだ。
「やだ…やだぁ!」
「まだ全部流してねえだろ」
言葉を続けながらも理の指はどんどん琉風の中に潜り込み押し広げていく。
「あぁぁッやだぁ理ッなにすッ…!」
「だから・流すんだよ」
もう片方の手でコックを捻る。温度を確かめているのか出てきた湯に軽く手を
潜らせた後、シャワーを手に取りそれを琉風の秘部に近づけた。
「やだっやだっそこ…やだぁぁぁッッ!」
指を入れられ、広げられているその場所。秘部へと直接シャワーを当てられてしまう。

「やッやッヤァァァァァァァァッッ!!!!」

浴室に反響する琉風の絶叫。
「やだぁッ理やだぁッ!当てないで当てないでッそんな近くでッあぁッあぁぁッやッヤダァァァッッ!!」
「洗い流してるだけだろ・大人しくしてろ」
琉風が後ろに下がろうとタイルについた手も、開かせられた足を閉じようとしてもまるで力が入らない。
「やだッやだッこんなの…や…ぁ…アァァァァッッ!!!!」
理がさらに秘部にシャワーを近づけると一層強くなる水圧で琉風の開いた足がひくん・ひくんと揺れる。
抗う体力もほとんど残っていない琉風の秘部に入れた指をさらに広げられ、内部にまでシャワーの
水圧を感じて琉風の鳴き声はさらに大きくなる。
「いやだぁっやだッやだいやだァァッやぁやッアァァァァァッッ!!!」

「ヤダヤダ喚いてナニ勃たせてんだよ」

「!!!…あうッ…やッやだやだっも…やだぁ!」
立ち上がった自分のそれに気づき、涙ぐんで首を振っても理はその行為を止めようとしない。
「答えろ・ヤダヤダ言って何勃たせてんだって聞いてんだよ」
「あぁッあぁぁッやはッやぁッひ…んッ…あ…あぁ…ヤァァァァァァーーーーッッ!!!」
理の指は既に洗うためとは違った目的で動き始めていた。
突き上げるように捻じ込まれる理の指をたっぷりと奥まで呑み込ませた状態で、入り口付近をさらにコックを
捻って水圧の強くなったシャワーを秘部のすぐ近くに当てられる。
それは完全に立ち上がってしまった自らのモノに対し言い訳する暇も与えないほど琉風にとっては衝撃的で強すぎる刺激だった。

「やぁぁッやだぁぁぁぁ!…もぉゆるして…ゆるしてッ…ヤあぁぁッ!」
「許して・か。そんなヤラしぃ許しの請い方ダレに教わったんだ?」
「ちがっやらしくなッあぁッひアァァァァッ!」
「やらしくねえって?ココロも・カラダも。お前の全てがスケベそのものだろ」
「んあぁぁッあぁッあくッうぅんっんあぁぁぁぁッッ!!」

シャワーの水音に隠れて密やかに鳴り響くぐぷぐぷという粘着質な音。
下半身の泡はもう既に洗い流されているにも関わらずシャワーも理の指の動きも止まらない。
至近距離でシャワーを当て入り口を攻め苛み続けながら、自らの雄を受け入れさせて未だ
解れたままの秘部に入れた指が琉風の体内で開きそして掻き回す。
「あぁイクッ…もういッ…あッことわりぃっ…ア…ァ…ヤァァァァ…………!!!」

ぐぷぐぷぐちゃぐちゃぐぷっ。

達する寸前シャワーを止められ、浴室内で反響する自分の嬌声と秘部をかき回される卑猥な音に煽られながら琉風が精を放つ。
足をいっぱいに開かせたままマットの上で身体を仰け反らせ、無意識に腰を突き出す
その様は自らのイく姿を理に見せ付けているかのようだった。
「はぁッはぁッはぁ……は…ぁ…ッ…」
全て吐き出し終えるとかくりとマットの上に腰を落とし、オレンジ色をした浴室の淡い照明を
見上げながらくすくす笑っている理の声を激しく喘ぎながら聞いていた。
「洗った側からナニ汚してんだ」
琉風の秘部をかき回したその指で腹部に飛んだ精液を拭い、琉風の眼前に持っていったあと見せ付けるようにその指を理が舐める。
さらに身体を乗り出し半身を完全に湯船から出した状態で琉風が寝ているマットを自分の方へと
引き摺り寄せると、腹部にまだ残っている琉風の精を今度は舌で掬い取り始めた。
「あっあッ…んぅぅっ」
飛び散った雫を一つ一つ丁寧に舐め取り、琉風の腹部から胸にかけて唇を滑らせた後今度は乳首に吸い付く。

ちゅ…。

「んあぁッ」
ちゅ、ちゅぱ。と代わる代わる左右の乳首に音を立てて吸い付き、時折歯を立て軽く引っ張りながら
琉風の身体に自分の身体をぴったりと密着させてくる。

「だ…だめッ…も…!」
ぬめった舌で乳首を上下にくにくにと転がしていた理が、ふと動きを止めて顔を上げる。

「…こんなっ…やだ…恥ずかしいよぉ…さっき…あんなにいっぱい…!」
「ブチ込まれて・ケツ穴散々突かれまくったのになぁ?」
「…………!!!」

限界まで抱かれた筈の身体が理に向かってなおも快楽を欲し続けている自身が恥ずかしくてたまらない。
それでもどうしようもなく焦れているのは紛れもない事実だった。

「やめて欲しいのか?」

琉風を誘惑する低くて甘い声。

「琉風」

名前を呼び、自分を見つめる瞳に魅入られたかのように琉風は首を左右に振っていた。

「やめ…ないでっ…」

か細い声で答える琉風をしばらく眺めていたが、理が浴槽から上がり足を開いた琉風の上に身を重ねた。

「カラダは限界でもまだ欲しい・か。スケベ丸出しの本能だな」

「あ…ぁ…んあぁぁぁッ!」
言葉で辱められても否定できず、マットの上で身体を震わせながら琉風は猛った理の雄を咥え込んでいく。
「ひゃ…あ…あ…!」
「入れる時はコッチのが楽だからな」
完全にマットに身を委ねた状態で理を受け入れている琉風の髪をひとなでし、開きっぱなしの足に
指を這わせ、そのまま膝裏に理がそれぞれの腕を滑り込ませる。
「え……?…や…理ッ…待っ…やぁぁぁ…!」
理の言葉を理解できずに困惑したような表情を見せたのもつかの間、琉風をそのまま
抱え上げようとするのに今にも泣きそうな顔で首を横に振った。
「やぁぁ!待ってッ待って理…ま…あ…アァ…!」
抱き上げるだけならまだしも、理の雄は琉風の秘部に埋め込まれたままだ。
それを抜こうともせずに琉風の足を抱えて理が立ち上がる。
「やはッ…あ…アァァァァァッッ!!!」
抱えられることによって理にさらに密着するような形になってしまい挿入もより深くなる。
不安定な今の体制を整えようと理にしがみつくが、それがなお一層理の雄を自分の奥へと誘う形になってしまった。
「あぁぁぁぁッッ!やだッやだぁッおろしておろしてッ!!」
「…すっげぇ締め付け方・イィみたいだな『コレ』」
「やッあっあぁぁッひぁッあッあはぁぁぁぁッッ!!!」
琉風を抱え、立ったままの状態で理が腰を何度か揺するとすがりついている琉風が一際大きな悲鳴を上げた。
「やあッあ…ぁ…ふぁぁッ理っ理…あぁッアぁぁぁぁぁッ!!!」
快感なのか、抱きかかえられながら貫かれる今の自分の現状を許容することができないのか。
がくがくと震えて名前を呼び続ける琉風をしばらく理は黙ったまま見下ろしている。
「理…ことわり…ことわりぃ…」
何かを考えている様子だったがその顔を見ることも出来ないほど琉風には
心身共に余裕もなく理に力なくすがりつくことしか出来なかった。

「……このまま続けてぇけど・さすがにお前もたねえか」

「あぁ…あ…アァ…ッ…」
今にも崩れそうな琉風の身体をしっかりと抱え、浴槽の方へと歩いていく。
「やだぁっおろして…おろして…こんなッ…ことわりッ……ふぁぁ…ァ…!」
最奥を貫かれたままで理が歩くと、その僅かな振動も過剰なほど結合部に伝わり抱えられた
足先を弱々しく揺らすその様は、ささやかな抵抗にすらなっていなかった。

「あぁ・おろしてヤるよ」

ざぱん。

「あッ…!」
琉風が下ろされたのは浴槽の中。より深くを苛む圧迫感からは解放され、湯の浮力のせいで
身体の負担が幾分か楽になってほっとしたのもつかの間、理がすぐさま琉風の腰を掴む。
「お前自分で身体支えられないくらい限界みてぇだし・続きはコッチな…?」
「あぁッやはっあうぅぅッひあぁッアァァァァッッ!」
湯船の中で動き始めた秘部を貫く理の雄。湯の熱と身体から湧き上がる熱。
それが苦痛なのか快楽なのかすらもう分からなくなっていた。

「あついよっ…ことわりッ…おかしくなっちゃ…」

浴槽の縁に手をかけ出ようとした琉風の身体は自由になることはなく、理の腕によって強引に浴槽に引きずり込まれてしまう。
「やだやだぁッやだよッ離して離して離してッ!」
拒絶の言葉を繰り返し、なおも理の腕から逃げようとする琉風の身体をきつく抱きしめる力強い腕。

「離さなねぇ」
「やだぁ…お願い離して…!」
「離さねぇし・行かせねぇ」
「ッ…痛…」

離すどころか益々きつく琉風の身体を抱きしめる。その腕の強さに痛みさえ感じ、
その顔に苦痛の顔を浮かべても理は腕の力を緩めない。

「琉風」

理の腕から這い出そうともがき抵抗していた琉風が自分を呼ぶ低い声に、ぴたりと大人しくなる。

「…こと…わり……」
琉風もまた名を呼び、浴槽のタイルについていた手を理の首に回してそれからためらいがちにきゅ…とすがりつく。

「行かない…」

囁いた琉風の言葉は音がよく反響する浴室の中ですら拾いにくいくらい、
耳元で聞いていた理にしか聞こえないほどの小さな声だった。
「行かない…どこにも…行かない…行かない…」
行かない。と、自分の腕の中で何度も言い続ける琉風に強く抱きしめていた理の腕の力がそこでようやく緩む。
「俺…もうどこにも行かない」
琉風もまた首にすがる腕を緩めて理の顔を見たあとまた小さく囁くと、ぎこちない仕草でそっと唇を重ねてくる。
すぐに唇を離してしまった琉風に頭の後ろに手を回して引き寄せ2度目のキスを無言で促す理に応え、琉風がまた唇を重ねた。
「んぅッ…」
唇が重なったと同時琉風の後頭部に添えていた手に力を込め引き寄せ、より深く口付ける。
「んぅっんむッんっん………はぁッ…ぁッ…あぁぁぁッッ!!!」
キスを続けながら動きは再開されていた。ちゃぷちゃぷと水面が揺れるたびに琉風の
身体が上下に跳ね、唇が離れるとその動きは一層激しさを増す。
「ひゃ…ぁ…あッ…ひぃん…あうッはうぅぅッ…!」
その中で感じる確かな快感を琉風は享受し理の全てを受け入れた。
下半身が湯の中にあるためか重力感はさほどなかったものの、水圧のせいで琉風の意志とは
関係なく理の雄を締め付けてしまいそれがさらに琉風を追い上げていく。
「あっ理っあぁっあッそこっあぁっあぁぁぁぁッッ!!」
「ココ・お前本当スキだな。そんなにイィのか?」

「気持ちいいっ…あッあぁッ…ことわ…り…も……気持ち…いぃ…?」

理にとってよっぽど意外な問いかけだったのだろう。動きを止めて琉風を見る。
「ことわり…気持ちいい…?」
繰り返し問う琉風の濡れた銀髪に指を絡め、短いが熱っぽいキスを一度その唇に与え理が低く囁く。

「ああ・すっげイィ…」

その言葉を聞いて琉風はやんわりと微笑んだ。
「嬉…しい………」
「………」
理が目を細めて唇を舐めると再び動き始める。一際激しく突き上げられ琉風の身体は大きくのけぞった。
「あッひゃ…あぁぁ…!…ひゃあぁぁぁッッ!!!」
その背中を支え、目の前のほんのり桜色に染まった肌に舌を這わせながら思うままに琉風の身体を揺さぶり蹂躙する。
「あぁぁっひゃ…ぁ…ことわりッことわり…ことわり…あぁぁことわりぃぃっ…!」

琉風の口から名を呼ぶ声が聞こえなくなるまで理はその身体を貪り続けた。


* * *


「どうしよう…」
浴室で再び意識を失いそのまま眠ってしまっていた琉風は、
いつの間にか連れてこられた朱罹のベッドの上で目覚めうろたえていた。
意識を失っていたからとはいえ浴室を使わせてもらうどころかベッドまで占領してしまっていることに
気づきすぐに明け渡そうと思ったはいいが、裸にシーツ1枚を身体にくるまれた状態で運ばれてきたため着ていく服が無いのだ。
裸で外に出るわけにも行かず、せめて自分が巻きつけられていたシーツでも巻いて行こうと
考えたが自分が見渡す限りそれらしきものは見当たらない。それを探すために裸でウロウロするのも気が引ける。

すぐ隣で眠っている理に助けを求めるという選択肢は最初から入っていない。
せっかく眠っているのに自分のためにわざわざ起こしたくないというのが半分と、
起こして事情を話しても、面白がってからかわれるかもしれないというのが半分。

「ベッドの毛布借りて…だめだそんなことしたら理絶対起きるだろうし…どうしよう…」

半身を起こしたままそこから動けず考え込んでいた時。部屋のドアから小さくはあるが声が聞こえてきた。

「起きてるか?俺だけど」

「朱罹?」
ドア口の向こうにいるであろう朱罹の声に琉風がベッドから少しだけ身を乗り出す。
「ちょっと装備取りたいんだけど。今入っても平気か?」
「うん、大丈夫」
眠っている理のことを気にしてか小声で言うが、その声は朱罹の方に届いていたらしく
ドアが開き、悪ぃ。と片手を顔の前に立てて謝るような仕草をしながら朱罹が顔を出した。
「お前ら部屋入る前に取っておけば良かったんだろうけど。彩マスすぐに来ないとスネて死ぬとか言うからさ」
「ううん、俺の方こそベッド勝手に使ってごめん」
「ま、代わりと言っちゃアレだけど」
ベッドの上に琉風の服を置く。
「あっ」
「見たとこ素っ裸みたいだったから。琉風のことだし相当困ってると思って持って来た。
  2人っきりの眠りの邪魔した詫びってことでど?」
「ありがとう朱罹、服なくてどうしようかと思ってたんだ…」
自分の服の上に手を置いて言う琉風の口調は心底ほっとした様子だった。
「リィは寝てんのか?」
話しながら朱罹は壁際の棚からかなり使い込んでいるであろう本を何冊か取り出している。

「うん…寝てッ…ひゃっ!」

返事をした琉風の途中で変化した声色に、出した本を肩に担ぎながら不思議そうに首をかしげている。
「ん?何変な声出してんだ?」
「あ…ぅ…うぅん…なんでも…ないっ…」
平静を取り繕うも声が明らかに震えている。
「そか、んじゃ俺行くから。まだ早いし寝てろよ。悪いな邪魔して」
「服ありがとう朱罹。気をつけて」
そんな琉風に朱罹は詮索することもなくそのまま部屋から出て行った。
ドアが閉まったあとも琉風はしばらくじっと堪える。

「…ッ…!」

朱罹の足音が遠ざかり聞こえなくなったと同時、理が頭を乗せていた枕を引き抜き顔面に
叩きつけようとしたが理の腕であっさりガードされてしまった。
「振りかぶりすぎだっての・それじゃ止めてくれって言ってるようなモンだろ」
「うるさい馬鹿ッ!朱罹来てるの知っててなにやってんだよあんた!」
「朱罹がいるって分かってたから見えねえように腿舐め回してケツ揉んでたんだろ・アリガトウは言われこそすれ、
 バカだのなんだの罵声浴びせられる覚えなんざねえけどな」
「このっ…ぁっ…んっんぅっ」
枕でまた叩こうとした琉風の身体を素早く引き寄せベッドに倒して唇を理の唇で塞がれる。
「あふ…ん…んっんっ…」

「どーせ最終的には墓穴掘って自分の言動で自爆スんだ・その辺でやめとけ?」

「…………」
唇を離して薄く笑う理に琉風は悔しそうな表情はしたもののそれ以上言い返さなかった。
理がからかいを含んだ笑いを浮かべたままベッドに横になると、すぐさま琉風が起き上がって朱罹が持ってきた自分の服を手に取る。
「何シてんだ?」
「呂揮に謝ってくる。俺のせいで部屋戻れなくさせたから」
「寝てる所をたたき起こして謝んのか」
「…あ」
服に腕を通そうとした琉風の動きがぴたりと止まり、すぐ側の窓に目をやった。カーテン向こうはまだ薄暗い。
「せめて明るくなってからにシろ」
「…呂揮どこで寝たんだろう…」
ベッドの中に引き寄せられ、自分の身体を抱きすくめる理の腕にどこか慣れない様子の
琉風に構わず、すっぽりと腕の中に抱き込んでしまう。
「澪マスの部屋だろ」
「澪マスの部屋?理どうしてそこだって分かるの?」
「あとで分かる」
「あとで分かるって…んっ…」
琉風の肩の付け根に顔をうずめられ、首筋を理の琥珀色の短い髪が擽る。

「…お前はずっとココにいろ」

「ずっとって、狩りに行ったからって朱罹の部屋ずっと占領する訳には…」
「…………」
理からの返事はもうない。
「理?」
規則的な理の呼吸音が聞こえてきて、理は眠ってしまったのだと理解する。
自分を抱きしめる理をごろりとベッドに仰向けに寝かせながら琉風は欠伸をかみ殺し、
おずおずと遠慮がちではあるがその隣に横になる。
「澪マスの部屋か…朝になったら呂揮に…謝りに…」
理の寝息に誘われるまま琉風も目を閉じ再び眠りに落ちていった。

琉風の寝息が聞こえて少ししてから理が閉じていた目を開く。
「んっ…」
琉風の方を向き頬を撫でてやると、気持ちよさそうな吐息を漏らして
さきほどまで居心地が悪そうにしていたのが嘘のようにその手に擦り付く。


「何処にも行かせねぇ。お前は『ココ』に…オレの側に居ろ」


既に眠ってしまっている琉風が返事をすることはなく、ただ理の胸に擦り付きあどけない表情で寝息を立てている。
「こと…わり…」
寝言で自分の名前を言う琉風の唇を軽く舐めて小さく笑う。
「…ったく。どこまでオレを堕とす気だよ・お前」
聞いていないと分かっていつつも口に出して呟くと、そのまま琉風を胸に抱き理もまた眠りについた。




 

 

 

 

 

 

 

 

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