さるギルドのホワイトデー事情

 

「これバレンタインのお返しなー」
「おぉ、ありがとな……………あれ?」
史乃から渡された包みの中身を見た彩が後半疑問の声を出す。
包みの中身は以前に『ホワイトデー前お菓子教室』と称して作ったくるみのパウンドケーキ。
これは自分が主催して作り方を教えたのだからもちろん知っている。
それに加えて覚えのないものが2つほど。
綺麗にコーティングされているりんごが入った透明の袋と、小さな小瓶がひとつ。
「これ…りんご飴か」
「そーそー。渡す本人主催のお菓子渡すだけじゃなんだか味気ねーだろ?だからと言って
 俺そんなに手のこんだものできねーし。今日市場で新鮮で美味そーなの選んで作ってみた。
 コッソリ鈴さんとこの厨房借りてなー」
「……」
彩は透明の袋からりんご飴を取り出し一口かじる。
甘いぱりっとした飴とりんごのやさしい酸味に彩の顔がほころんだ。
「すげー美味い。ありがとな史乃」
「どーいたしまして」
素材の吟味は十二分にしたとはいえ買ってきたりんごをただ飴で固めただけの簡単なものだったが、
美味しそうに食べてくれるとやはり嬉しくあっという間に全部食べ終えてしまった彩の額に口付けた。
「クルミのパウンドケーキはまぁ俺と一緒に作ったのだから分かるけど、この小瓶なんだ?」
取り出した小瓶の中に入る透明の液体をかざす彩に今さらながらにためらう心が少しばかり。
しかしここまで来たら後に引けず、ためらいよりも大きくなっていくケダモノゴコロは止めようもない。
「んー。彩マスに飲んでもらいてーなーって」
「飲むってことは酒とかか?でも別に酒の匂いとかしないしなぁ」
「いーや。酒じゃなくて媚薬」
「そかそか媚薬か………………っておぉぉぉぉぉおお!?」
『その系統』に関しては疎い所もあったので説明することから始めなければならないかと
思っていたが彩の反応から察するにどうやらその必要はなかったらしい。
「なななななんでこんなものがいきなり出てくんだよ!」
「んー、今まで使った事なかったろー?だから新天地開発みたいな感じでー」
「確かに使ったことはなかったけど…」
「これ飲んだ彩がどーなんのか見てみたい…彩の色んな所が見たい」
額や頬に繰り返し落とされる史乃のキスを受けながら、んーんーと小さく唸りながらややしばらく
考え込んでいたようだが、やがてきゅぽん。と瓶の栓を抜く。
「これ飲むの俺だけなんだよな。史乃と半分ことかじゃなくて」
「だなー。どっちも飲んで色々収集つかなくなったら困るだろー」
「でもこれって自分の意思とか関係なしにその…そういう気持ちになるんだろ?史乃がもう
 満足してるのに無理強いして欲しがったりとかさ、そんな感じで嫌な思いさせたりとかしないかな」
あきらかに邪まな展開を強要しているにも関わらずに史乃を思う言動に
あーもーかわいーなこんちくしょーと一瞬そのまま押し倒したくなるが、なんとか抑えて唇を啄ばむだけにおさめる。
「彩が欲しい時は俺もまだ欲しい時だから心配すんなってー」
「うん、分かった。じゃあ…」
彩は小瓶を口に当てて一気に中身を飲み干した。
「………ん?別になんともないぞ」
「まぁ飲んですぐにはどーにもなんねーだろ。効果出てくるまで数分くらいって話だからなー」
「ふーん、そっか」
ベッドに腰掛けながらその隣をぽんぽん叩いて促し、素直に腰掛けた彩からは確かに
媚薬を提供してくれたアルケミストがいう症状はまだ伺えない。
「中和剤もちゃんと用意してあるから調子悪くなったら言ってくれなー?」
「うん大丈夫。心配してくれてありがとな史乃」
史乃のその言葉で労わりの気持ちが感じたのだろうか、彩がどこか嬉しそうだ。
どう考えても清純とは言えない目的前提でのその笑顔は若干の罪悪感はあるがあくまでそれは若干でしかない。
少しずつ赤らみはじめた彩の顔を愛でつつその様子を伺った。

「史乃…ぎゅってして」
「んー」

数分後。そう強請って擦り寄ってきた彩の腰を引き寄せ抱きしめてやると、
史乃の首に腕を回してすがりつき身体をぴったりとくつけてくる。
「ん…服…邪魔…」
肌同士が重なるのがいいのか自らの服を脱ぎ始め、史乃の服にも
手をかけ直に押し付けてきた胸の突起は既に硬くしこっていた。
明らかに媚薬の効果が現れてきたであろう彩を押し倒す事はまだせず、
腕の中で欲情を露にする恋人の熱い吐息を楽しむ。
「史乃…もっと…もっとぎゅーって…あンっ」
さらに抱擁を求める彩の金髪に頬擦りし、淫靡な手つきで腰をひと撫でしてやると過剰なまでに泳ぐ彩の腰。
「なー、ぎゅーってするだけでいーのか?」
「うぅん。それ以上のことも…して…いっぱい…」
「んー、分かった」
一度ぎゅっと強めに抱きしめた後史乃は彩の身体をそっとベッドに横たえる。
「なんか身体うっすらピンク色になってんなー。これもやっぱクスリのせいなのかー?」
「違う。薬のせいじゃない」
仰向けになりとろんとした顔をしていた彩がクスリという言葉を拾うととたんにむぅ、と
口をへの字に曲げて反論してきたので史乃はむき出しになっている胸の突起にふぅっと息を吹きかけた。
「あンッ!」
短く悲鳴を上げたその場所を指で軽くつつくとそれだけで過剰に身もだえ、それを見た浮かぶ好色げな笑みをもう隠せない。
「あんた元々感じやすい人だけど流石に触ってもいねーのに普段こんなになったりしねーだろ?」
「あ…あァンッ…」
自覚はあるらしく反論し難かったのかややしばらく彩は黙り込むがそれでも否定するかのように首をふるふると振った。

「やだっ…史乃を欲しいって気持ち、薬のせいになんてしたくない」



ぶち。



と、史乃の中で何かが切れた感覚を覚えながら彩の頬に手を沿え、
それから身体を滑らせるように下におろしていく。
「俺が史乃を欲しいんだ。薬のせいで欲しくなったんじゃ……あぁッ…あぁぁンッ」
慣れた手つきで彩のズボンのホックを外し、半端にジッパーをおろして無遠慮にその中に手を突っ込んだ。
下着を引っ張りその中に手を入れるとそこは先走りやら秘部から溢れた
蜜やらで濡れそぼっており、ぬるつく秘部を指先でぐぅっと圧迫してやった。
「あぁぁぁぁぁッッ…………!!!!」
くちゅっと湿った音が小さく響いたと思うとビクビクと彩が身体を跳ねさせる。
秘部から手を離さぬまま器用にズボンを下着ごと引き抜けば達したばかりの彩の雄が露になった。
「いーよ、どっちでも」
「あぁッあぁッあぁぁんッッ」
溢れた蜜の滑りを利用して指を入れればあっさりとそれを飲み込みくちゅくちゅと湿った音を立て始める。
「薬のせいでもそーじゃなくてもいい。彩が俺の事欲しがるだけで…すんげークルわ」
「史乃…史乃っ…んぅ…んはッあぁッ…れてっ…入れてっ…………あァァァんッッ!」
指だけがもどかしくなったのは彩だけではなかった。前戯もろくにないまま
史乃は下肢を緩め、取り出した己の雄で彩を貫いた。
「あぁッあッ…きもち…いぃ…しのぉ…」
じっとりと濡れた彩の秘部はほとんど慣らしていないにも関わらずさも嬉しそうに
史乃の雄を根元まで咥え込み、吸い付くように締め上げる。
「なー…俺のこともっともっと欲しがって彩」
「うんっ…欲しい…史乃が欲しいっ…あぁッあンっもっとぉッ」
入れられた雄が体内で暴れ始めると嬌声を混じらせながらも彩は頷き史乃を求めて腰を揺らす。

あーもー。これどっちがクスリ飲んでんのかわかんねーな。

「んっ…史乃…」
そんなことを考えふと自嘲するも、もっと、もっとと強請るかのような彩の熱を帯びたキスに史乃は全ての思考を止めてしまう。
ただ『ケダモノ』が支配していくそれに身を任せ、史乃を求めて可愛く鳴く恋人を貪った。

* * *

ホワイトデー史乃×彩編。
宣言どおり媚薬直接渡し。


                



「おら・コレ」
「え?俺に?」
自室でホットミルクを飲みくつろいでいた琉風の部屋に突然現れた理には
さして驚かなかったが、差し出された理にはおおよそ似つかわしくない可愛らしい
ラッピングの包みを差し出してきた事には少々驚きを隠せないでいた。
「焼き菓子…どうしたのこれ」
「ホワイトデーのな・丹精込めて手作りシマシタ」
「えっ理が作ったの!?」
「なんだその意外そうな顔・普通にホームで料理作ったりとかシてるだろ」
「でも理がお菓子作ったことなんてなかったからちょっと意外だなって…」
そう言いつつも、袋に入っているパウンドケーキの包みを取り出す琉風の顔は嬉しそうだ。
「ねえ理、これ食べてもいいの?」
「そりゃイィだろ・もうお前のモンなんだからな」
「ありがとう、いただきます!」
透明の包みを開け、メープルの香りの漂うパウンドケーキを手に取った。
「理ってお菓子作るのも上手いんだ」
「彩マスが講師だからじゃねえの」
「でも作ったのは理なんだよね?すごく美味しいよ。もう一つ食べちゃおうかな」
一つ目のパウンドケーキを食べ終えて持ってきていたホットミルクを一口飲んだ後、
新たなパウンドケーキを取り出そうとした。
「…………あ…あれ?」
急に琉風の顔がぼんっと赤くなる。
それからよろけるようにぽてっとベッドに横たわった琉風の様子を口の端を上げて
笑いながら理がベッドに腰掛け琉風の身体の脇に手をついた。
「どうした?」
理には琉風様子が突然おかしくなったのがパウンドケーキの中にしみこませていた
高濃度アルコールの『ダークロード』のせいであることは分かっていたが、琉風の方は
座っていることすらままならなくなっている理由が分からずあれ?あれを繰り返している。
「ことわり…なんか…なんかね…?身体ふわってなって…すごくあっついよぉ…」
「暑いなら・脱げばいんじゃね?」
「あ…そうだね…」
言われて素直に琉風は自分の服を脱ぎ始める。
脱いだものを綺麗にたたむのはいつものことだったが、下着をも脱いでしまう
今の琉風に羞恥は何も感じられなかった。
「あ、ちょっと涼しくなったかも…」
全裸で再びころんとベッドに寝転がり、肌に直接触れるシーツの感触を楽しみながら
ふふふっと声を出して笑う琉風に理が琉風の頬を手で撫でてやる。
「んっ…理の手、ひんやりしてて気持ちいい…」
撫でる手に頬ずりをして、顔を近づけてきた理に抱きついた。
「こんなことシたらなおさら暑いんじゃねえの?」
「だって…理とこうしてるの好きなんだもん…」
「そうか…んじゃ・コレは?」
「あぁッ」
手がするりと下におりて秘部辺りを撫ぜられる。
「んっ…すき…」
指の腹でくりくりと入り口を弄ぶ指に詰まったような息を漏らしながらもはっきりと好き。
と琉風は答え、自ら足を広げる事でその続きを求めてきていた。
「あぁッあはァッ」
広げられた足の間に顔を埋め、秘部を嘗め回してやると一層足を大きく開いて理の舌を受け入れた。
唇に押し当てられた理の指もためらいなくしゃぶり、その指が次に自分をどうしてくるか
分かっているかのようにたっぷりと唾液を含ませながら丁寧に舐め上げる。
「あぁッ………ァ……」

くちゅっくぷくぷっぬちゃぐぷっ。

たっぷりと琉風の唾液で濡らされた理が嘗め回されていた秘部に埋め込まれ掻き回される。
「あッあんッあハァッ」
SEXの時、今のような粘着質でいやらしい音が聞こえればいつもならすぐに恥ずかしがるのに、
もっと音が立つように理の指の動きに合わせて琉風は腰を揺らしていた。
「あッあぁッいぃっあはァァァァッッ」
じゅぷぅっとそそり立つ雄を根元までしゃぶられ突き出すようにその腰が浮く。
「どっちもがっ…気持ちいいっ気持ちいぃよぉっ」
「イィだろうな・お前こうやって音立てて混ぜられんのスキだろ」
「好きっ…好きだからもっと…もっとかき混ぜて…あぁッあハァァァァァァッッ!」

ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃじゅるるっじゅぷぷっ。

雄を咥内に含まれたまま舐め啜られ、指の腹で内壁を摺りながら3本の指が琉風の秘部をめちゃくちゃにかき混ぜる。
琉風は自分で両足を抱え、大きく足を広げながら与えられる激しい悦に目尻から涙を流した。
「あぅんッえっちなおとが聞こえてくるよっ…俺のっおれのアソコからっ…あぁぁぁ気持ちいいっイっちゃうイくぅイっちゃうよぉぉッ!!」
卑猥な音と雄と秘部を同時に攻められた琉風は我慢も出来ずに絶頂を吐露する。
「イけ・スケベ声張り上げていつも通り激しくな」
琉風の雄の先端に唇を押し当てながらそうしゃべった後、きつくそれを吸い上げ
細かく指を震わせ秘部に振動を与えるように動かしてやる。

「あぁッあッあはァァァッッアァァァァーーーーーッッ!!!」

腰を左右にくねらせ、理の咥内に勢いよく琉風は精を吐き出していた。
理の言う通りにあられもない嬌声を張り上げ、胸や腹部に精を散らす様を見ながら笑い、
琉風の秘部から指を引き抜くと自らの前を寛げ始める。
「はぁ…はぁ…は…ぁ…ァ…」
ダークロードは酔いが回りやすいが逆に酔いがさめるのも早い。
そしてその間の記憶はいくら泥酔状態になっても鮮明に残る。
琉風も例外ではなく今までの自らの痴態をしっかり覚えているのかその顔はみるみる羞恥で赤く染まっていった。
「待って理待って…あぁぁッ」
足に添えていた手を離した琉風の代わりに理の手がさらに大きく左右にひらかせ、
琉風の足の間に身を割りいれてくる理の胸に手を当てて離させようとするが、
秘部に当てられた熱い塊――――理の雄に自然と身体は悦び腰が揺れてしまう。
「お前が指くらいで満足できるわけねえだろ」
「おねがいまってっ…あッ…あはァァッッ」
琉風の心が今の状況についていかなくても指で十分に慣らされた秘部はその先を欲しており、
押し付けられた理の雄を物欲しげにヒクヒクと秘部を蠢かせていた。
「お前が待てつってもスケベなココが待てんのか?」
「アァァッアァァァァッッ!!!」
ずん。押し当てた雄を一気に奥まで突いた状態で理がぴたりと動きを止める。
「やめて欲しいのか」
「……ッ…」
小さくではあったが首を振った琉風に理は満足げに笑って覆いかぶさった。
「あぁッことわりことわりぃっそこっそこぉぉッあぁッあはァァァーーーーーッッ!!!」

* * *

ホワイトデー理×琉風編。
お酒が入ると本音を漏らすという典型的な例?


                


「澪マスの手作り…ですか?」
ホワイトデーの夜。
明亭の澪の部屋にきた呂揮は、渡されたピンク色のマシュマロの入った袋を手に
ものすごく驚いたような顔で机に頬杖をついている澪を見た。
「うん。意外性を求めてみたんだけど、鳩が豆鉄砲くらったような呂揮の顔が見れたから
 頑張った甲斐があったよ。四季奈のお墨付きだから味は保障するよ?」
「…すごく美味しい、です」
マシュマロの一つを食べた呂揮の率直な感想だった。
マシュマロのやわらかい優しい甘さと中に入っているいちごの甘酸っぱさはいくらでも食べれそうな気がしてくる。
美味しいのももちろんだったが、澪が自分のために作ってくれたことが呂揮にとってなによりも嬉しかった。
「あ、一気に全部食べるのもったいないんで後でゆっくり味わって食べますね」
持ってきた道具袋に残りのマシュマロを大事そうにしまっている後ろ姿を可愛い。
などと思われ愛でられている事は呂揮は気づいていなかった。
「…で、今日は泊まっていけそう?」
「彩マスには明日の昼には戻りますって伝えてありますから」
恥ずかしそうにしながら言う呂揮に手を伸ばして指先を撫ぜて絡めてやる。
「そう、じゃあ今夜は時間を気にせずに2人っきりで過ごせるね」
「…はい」
指を絡め返し小さくだが呂揮は返事をかえした。
「そうと分かれば急ぐ必要もなくなったし…たまには一緒にお茶でも飲まない?
 鈴さんから新種の茶葉を頂いたんだけど」
「じゃあ俺淹れますね、どの缶ですか?」
「左手の緑色の缶かな」
「緑色…これかな」
新しそうな緑色の缶を見つけて呂揮はお茶の準備を始めた。

「…………?」
違和感を感じたのはカップに入れたお茶を注いでいる時だった。
最初はなんだか身体がほわっとする感覚がしたと思ったら、今度はじわじわと湧き上がるような熱。
最後には僅かな動きで服が擦れる事ですら声を上げてしまいそうになり呂揮はその場から一歩も動けなくなってしまった。

これはまるで―――――――――。

「気づいちゃった?」
「…あぁぁッ!」
背後に澪が来ていた。と思ったときには呂揮の身体は浮き、すぐ側のソファに
うつ伏せに押し倒されていた。その時に上げた声が突然の澪の行動に対する驚きなんだと言い聞かせる。
ただ押し倒されただけで、身体を軽く触れられただけでイきそうになるくらい
気持ちよかったせいだとは思いたくなかった。
「媚薬…ですねこれ」
「正解。出所はどこでしょう」
「さっきのマシュマロっ…」
「残念それははずれ。だってすぐ食べてくれるかどうかなんて分からないでしょう?
 変に食べること進めたら呂揮だとすぐ分かっちゃいそうだし、あれは俺なりに結構一生懸命作ったから
 普通に美味しく食べてもらいたかったから」
「…………………」
それから呂揮は無言で頭上で焚かれている香炉を見上げる。
澪の部屋にいた時からずっと焚かれていたものだ。マシュマロではない、
お茶に仕込んでいたとしてまだ飲んでいない今疑うとすればこれしかなかった。
「そう当たり。香炉だよ。煙を吸う事で同様の効果が得られるように作ってもらったの」
澪の腕に抱きしめられながら自分の意思とは関係なしに湧き上がってくる欲を
否定するかのように呂揮はふるふると首を振った。
「だって澪マスも同じ場所にいるのに…!」
息を乱す呂揮に反して、淡い紫色の髪の毛を弄ぶ澪のその姿はその影響を受けていないかの如く涼しげだ。
「俺はそうならないお薬を飲んでるからね。他のメンバーにはこの部屋に近づかないよう言ってあるし…
 今いやらしい気持ちになるのは呂揮だけだよ」
「そんなっ…ふあ…あぁっふぁんッ」
呂揮の臀部をぐにぐにと何度か揉んだ後、ころりと仰向けにひっくり返して
快楽のために瞳を潤ませる呂揮の頭を優しく優しく撫でてやる。
「大丈夫。ちゃんと気持ちよくして満足させてあげるよ。――――俺の今から言う質問に呂揮が正直に答えられたらね」
「しつ…もん…?」
「3日前の夜、本当は俺になんていいたかったの?」
「!!!」
呂揮にとっては聞かれたくない質問だったのだろう。顔を逸らすそれを許さず、
やんわりと顎を捉えて自分の方へと視線を合わさせる。
「ブリトニアに行くって言った時呂揮は『わかりました、いってらっしゃい』って言ったよね。
 本当は…俺になんて言いたかったの?」
「あぁッ」
もう片手が足の間をきゅうっと緩く圧迫し、ただそれだけの行為で呂揮の身体はぴくんっと震える。
その様子を楽しげに見つめながら呂揮の服に手をかけていった。
「ほら呂揮言いなさい、正直にね」
「何もっ何もありませんッ!…言いたい事なんて他になにも…!」
「俺は正直にって言ったはずだよ」
全裸にされ、既にそそり立っている雄には目もくれずにどこからか取り出したローションを指につけて秘部になじませていく。
その動きもひどくゆっくりとしたもので、焦れた快感となって呂揮を苛んだ。
「そんなもの欲しそうな目で見ても駄目。言うまであげないよ」
「あぁッふあっふあぁぁっ」
秘部に入れられていった澪の人差し指はじれったい快楽となり呂揮の腰は淫らに泳ぐ。
もっと、もっととどんなに望んでも決定的なものをいつまで経っても与えようせずゆっくりとした抜き差しを繰り返すばかりだ。
きっとそれは呂揮が言うまで続けられるのだろう。
心の奥底で呂揮が隠している『本当の答え』を。

「…って…」

言いなさいと言われてからどのくらい時間が経ったのかは分からない。
ただ分かるのはもうこれ以上1秒だって触ってもらえず焦らされる事が耐えられないという事実だけ。

「行かないでって…言いたかった…。ブリトニアになんか行かないで今日は俺と一緒に居てって…!!」
「…いい子」
「ふぁ…あ…んあぁぁぁぁぁッッ……!!!!」
指が引き抜かれ、代わりに望んだ男の雄が呂揮の秘部を押し広げる感触にそれだけで呂揮は達してしまう。
「あ…ふぁ…はァんッッ!」
どくどくと精を放っている中一気に最奥まで貫かれ、呂揮は短い悲鳴を上げながら断続的に
イってしまっているのか小刻みに痙攣を繰り返す。
「あ…ァ…きもち…イィ…ッ……」
激しい絶頂に酔いしれるがそれだけでは満足できず、熱を宿したままの呂揮の身体を澪はそっと抱きしめた。
「油断するとすぐそうやって本音を隠すんだから。アユタヤの時の素直な呂揮は何所へいったの?」
「ごめんなさい…ごめんなさいッ…あぁっふあぁぁっ」
澪が呂揮の頭を撫でるその動きだけで過敏に秘部を狭くさせ己の雄を締め付けてくる。
「今日は聞き分けのない悪い子になりなさい。許してあげるから」
「俺の事…一晩中離さないで…もぉ何処にも行かないで…して…いっぱいしてぇっ…!」
普段あまり言う事のない恋人の淫らで可愛いおねだりを聞きながら、その言葉を紡いだ唇にご褒美のキスを与えてやる。
「いいよ、いくらでも抱いてあげる。『次は』寝室に行こうね。今は………」
「あぁっふァんッふあぁんッあぁッアァァァァ…ァ………………!!」
首にかかる澪の吐息も、長い髪が胸に広がるのにすら今の呂揮にとっては愛撫となる。
そしてもっともっと激しい突き上げるような悦を秘部に感じながら、
呂揮はそれを与える男の身体を愛おしげに抱きしめた。

* * *

ホワイトデー澪×呂揮編。
ソファで1回戦、その後ベッドで2回戦…だけでは済まされない!(ぁ

 

                


 

 

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