「いやはやハリー君ほど魔法薬学に優れてる者は、かれこれ何年ぶりだろうな。おめにかかったことがない!」
「いやいや間違いなく、母親の遺伝子が彼の中に息づいているのだろうよ。
それにしてもセブルス、パーティに出てきたのは正解だ。昨日退院したばかりだが、顔の具合が昨日と比べ、すこぶるよくなったようだ!
さぁさぁ、もっと蜂蜜酒をどうかね?」
ホスト(接待役)のスラグホーンの弁舌はお気に入りのハリー、、フェリシティー婦人を前に
まことに爽やかに進んだ。
彼はスネイプにオリーブ色の液体をなみなみと注ぐと、上機嫌で手渡した。
「えっ、先生、昨日退院なされたんですか?」
は目をふくろうのように見開いてスネイプに尋ねてしまった。
「ああ・・もう心配無用だ。ミス・。マダム・ポンフリーのおかげですこぶるよくなったからな」
ハリーは横目で、のドレス姿を、なめまわすようにみつめながら説明しているスネイプを睨んだ。
「先生を殺そうとした犯人・・女の人だったと聞きました・・もしかして先生の恋人ですか?」
ハリーはここですっと息を吸い込み、切り裂くような声で言った。
「ハリー!何てこというの!?」
が信じられない面持ちで彼を仰ぎ見た。
「すみません・・言い過ぎました。では失礼致します」
ハリーは、怒りに胸をたぎらせているスネイプに向かって失礼千万なお辞儀をすると
「行こう」との手を引っ張って人ごみの中へ姿を消した。