「む、りん!」

「殺生丸様、あれは・・」

犬夜叉達と別れた後、姫は殺生丸のもこもこにつかまり、さる渓谷の

上空を飛行していた。

渓谷の割れ目を油断なく睨みつけ、体内に蓄積した雷撃を放電しようとしている阿吽。

その何十メートル上では危なっかしい足場をよじ登り、千年草の実を今まさにつかんだ幼い少女。

・・奴らを片付けろ」

「りんは私が」

「はい!」

次の瞬間、殺生丸はぱっと彼女を突き放すと阿吽の待機する岸壁へと追いやった。

阿吽の側に降り立った姫は、氷龍叉戟を崖の割れ目に向け、ばっと這い上がってきた

魑魅魍魎目掛けて六角結晶の冷気弾をお見舞いした。

氷の矛から繰り出された、特大の六角結晶の散弾でりんを狙った魑魅魍魎は一撃で吹き飛んだ。

その間に殺生丸は軽やかな身のこなしで急勾配をひょいひょい飛び移りながら、千年草の実をつかんだものの、

崩壊した足場からまっさかさまに落っこちたりんをキャッチしていた。

彼は気を失っている幼女を、自らの鋭い毒の爪で傷つけないように抱きかかえていた。

幼女の手には今しがたつかんだ千年草の実が大事そうに握られていた。

「りんちゃん!」

阿吽の手綱を巧みに操り、切り立った岸壁のてっぺんに登ってきた姫は

着物が岩肌ですれてあちこち破けたうえに、気を失っている幼女を見て叫んだ。

「案ずるな。気を失っているだけだ」

殺生丸は彼女の腕にりんを預けると安心させるように言ってやった。


その頃、森の奥では奈落の毒虫に刺された邪見が体中に回り始めた猛毒に苦しんでいた。

「あ〜・・お日様が沈んでいく。りんはやはり間に合わなかった・・」

「おまけにもう目がかすんできた〜ああ・・ああ・・幻覚?」

「ああっ、本物!せ、殺生丸様、それに!」

目の前には思いもかけない銀髪の貴公子とその連れの半妖の女。

殺生丸は驚き桃の木の部下にりんが採ってきた千年草を投げてやった。

その所業に感激した邪見はわき目も振らずに千年草を頭から

むしゃむしゃと平らげてしまった。

「邪見様、死なないで・・」

「そうなの・・そんなにあのちっちゃい奴のことをこの娘は思っているのね・・」

阿吽の背中で眠るりんを姫は感慨深そうに見つめていた。

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