翌朝、かごめたちが目覚めるとそこに雪女の姿はなかった。
急な用が出来ましてしばらく留守にします。夕刻までは戻りますので
食事など召し上がり、皆様の旅のお疲れが取れるまでお休みにおなり下さい。
より
漆塗りの文机の上に置手紙が置いてあった。
それを手に取った弥勒は「ああ・・お起きして最初にお話したいことがあったのに」
とひどく残念がる始末だった。
「竜神様、どうかこの四魂のかけらをお守り下さい」
「最悪の事態が起こる予感が致します」
そのころは森の奥の沼地に隠された銀のほこらに手を合わせ、この山の主に一心不乱に拝んでいるところだった。
実は彼女は、一番安全だと思われる竜神様の頭中と、銀のほこらの中に刀々斎に頼んで作ってもらった氷の矛に
四魂のかけらをしこんであったのだった。
「四魂のかけらはここか!」
「湖の中みたい。あっ、な、何あれ!?」
「よ、妖怪じゃぁ!!」
「我が四魂の欠片を狙う愚か者はお前達か?」
の秘密の安息場所に、弓や錫や鉄砕牙を手に手にかごめたちが現れるのはそう長くはかからなかった。
「やはり奈落の言っていたことは本当だったのか、犬夜叉」
湖の底から白竜に乗ってざんぶと表れたは苦々しそうに言い放った。
「お前たちがここに来ぬことを願っていたのに・・だが、来た以上、死んでもらう、犬夜叉、覚悟!!」
「お前たち、湖や森を荒らす盗っ人どもを殺ってしまえ!!」
は怒りに打ち震え、湖や森に潜んでいる雑魚妖怪にいっきに命令を下した。
「何ぃ!?」
犬夜叉は竜神の背から飛び降りて、氷の矛で目にも留まらぬ速さで襲いかかってきたにひるんだが、
なんとかその攻撃を化け刀の鉄砕牙で受け止めた。
「この四魂の欠片は私のものだ!!奪うことは許さない!!」
犬夜叉は執拗にせめてくると必死に戦っていた。
「他の妖怪の馬鹿どもと違って、私には正当な使い道があるのだ!!」
氷の矛と鉄砕牙が激しくぶつかりあい、火花がくだけ散った。
さすが天下の刀鍛冶、刀々斎が竜神の牙とがこぼした氷の結晶をもとに作っただけあって、
鉄砕牙の直接攻撃を堂々と受け止める力と、かなりの破壊力があった。