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今、アーデス・ベイと・は、ロックナーやミラ、
その他、盗掘集団のメンバーと激しい銃撃戦を繰り広げていた。
が体勢を低くして、大理石の壁の影からミラを狙えば、ロックナーが
六連発銃で撃ち返し、アーデスがを助けようとロックナーを狙えば、
ミラが機関銃でガンガン撃ち返してくる始末だった。
はあまりにも凄まじい銃撃に反撃することが出来ずに耳を塞ぎ、
アーデスは一心不乱に機関銃の弾の詰め替えを行っていた。
その間にリックは木箱の山に隠れ、折りたたみ式ナイフでエヴリンの手首と足首を縛っ
ていた綱を切り落とした。
アーデスは勇猛果敢にも大理石の壁に隠れるのをやめ、思い切って反撃に出た。
アーデスは機関銃を構えて二階の欄干の柵を盾に横っ飛びに走りながら乱射し
まくった。
も床に這いつくばると、六連発銃のホルスターを外し、
狩猟用のショットガンに切り替えた。
だが、アーデスのようにはうまくいかないので大理石の壁から確実に闇撃ちして、
ピストルで打ってくるアラブ人兵士の数を減らすしかなかった。
エヴリンが放り込まれるはずだった燃え盛る棺にアラブ人兵士二人が吹っ飛ばされてきた。
突然、人間二人を飲み込んだ火竜が躍り上がり、薄暗い館内をぱっと照らした。
だ。
体の自由が利くようになったエヴリンを連れ出そうとしていたリックを、アラブ人兵士が
銃で狙っていたので、すかさず、はショットガンの引き金を引いて
彼らを守ったのだ。
リックは彼女の無言の援助に感謝の意を示し、
すぐに肩にかけていたライフルの引き金を引いて近くにいた兵士を撃ち殺した。
「また貴様か!」
引き金を引きまくって並み居る兵士達を撃ち殺していたリックに気付いたイムホテップは
憎憎しげに吼えた。
リックはイムホテップの怨念に満ちた目に、一瞬ひるんだが、鼻腔を膨らませ、
特大の一発をミイラの肩にぶちこんだ。
それからリックはしつこく撃ってくる追撃者から逃れるため、エヴリンにピストルを
渡すと、パッと木箱の陰から走り出て、ライフルを撃ちながら後退した。
エヴリンも彼を援護しようと手渡されたピストルを発砲しまくった。
ふとリックは髑髏のマークが描かれた可燃物に入った木箱に目をつけ、
ライフルを発射して木箱を破壊した。
彼の狙い通り、火薬が沢山つまった木箱を大爆発を起こし、近くに居た兵士達は
皆、火達磨になって逃げ惑った。
その隙にエヴリンはリックに護衛されながら、機関銃やピストルの弾が届きにくい階段を
上っていた。
二人が無事、安全圏に入ったことを確認したアーデスは一気に前線へと
躍り出て、欄干から機関銃の猛攻撃を浴びせた。
「あの火薬箱を狙え!」
アーデスは再び、大理石の壁に隠れながらショットガンの引き金を引く
に命じた。
彼女は弾に当たるのは怖かったが、体中の勇気を振り絞って、思い切って
壁の影から飛び出ると、真っ先に目に付いた劇物の箱目掛けてショットガンをぶっ放した。
彼女の奇襲は大成功で、それを予測できなかったミラとそのほかの兵士達は
大量の火炎と爆音に驚いて崩れ落ちた。
その後、アーデスとはひるむことなく、可燃物ばかり入った箱を狙い、
機関銃やショットガンで次々に爆発させていった。
「今だ、エヴリン、上に行け、行くんだ、急げ!」
リックは強盗集団が火薬の大爆発で床にはいつくばって動けないのを確認しながら
最愛の妻に命じた。