「それより美朱は大丈夫なのか?まさか入水自殺を図るなんて・・鬼宿のことであんなに苦しんだあげく・・」

「星宿様が一緒について下さってるから大丈夫。にしても、さきほどの美朱を助けた星宿様素敵だったわぁ~

 あの状態をこうしてっと・・や~~ん、恥ずかしい~~柳宿ど~~しましょ!」

しばらくして、美朱と星宿の姿が小部屋にないことに気づいた畢宿に、柳宿は安心させるように話してやっていた。


「また始まったで・・いつもの熱発作が・・」

翼宿があほらしといいたげに呟いた。

「翼宿、余計なこといわないこと!」

ここで危機を察した畢宿はびしりと釘を刺した。


「私も一度溺れてみようかしら♪」

星宿の何ともロマンチックな救出劇にすっかり舞い上がった柳宿は

めくるめく妄想の世界に突入していた。


「ぎゃははは!!そのまんま沈むのがオチや!」


「だーかーら黙ってなさいと言ったのに・・」


当然、思ったことをすぐ口にしてしまう翼宿はばかでかい声で

妄想世界を破壊し、怒った柳宿の強烈な鉄拳をくらって

畢宿の隣の壁に激突して果てた。



「ねえ、張宿、待ってよ~ほんとに鬼宿が宮殿内に現れたっていうの?」


「ほんとです、偶然、兵士の話が聞こえて・・」



「ああっ!」


杖にすがった翼宿、柳宿、張宿、畢宿は冷たい針のような雨を

顔に受けて待ち構えている黒ずくめの姿の鬼宿を発見して立ち止まった。


「朱雀の巫女はどこにいる?」


「鬼宿、あんた、まだ――」


「おんどれ、しょうこりもなくのこのこまたきよったか・・痛っ!」


「翼宿、下手に動いたら傷が広がる・・」


杖にすがってうずくまった翼宿を、畢宿はひどく心配して支えた。


「お前らに用はねえ、とっとと引っ込んでろ!

 それから朱雀の巫女を片付けたら、次に俺に香水をぶちまけてずらかった畢宿を殺す!

 あいつのおかげであれから鼻も目の調子もよくねーんだ・・。おい、

 朱雀の巫女と白虎七星の畢宿をさっさと出せ!」



「鬼宿!!まだ目が覚めないのか!?お前のお探しの一人、畢宿は目の前だ!」

柳宿に着せてもらった宮廷衣装に身を包んだ畢宿が、悲壮な声を上げた。

「お前、なにしとんねん!自分から危険に飛び込むな、ドアホ!!」

翼宿は真っ青になり、慌てて、彼女を後ろ手に匿おうとした。

「な、お、お前、女だったのかよ・・だが、女でも手加減しねえ、たっぷり可愛がって

 殺してやる!」

それを聞いた鬼宿は一瞬、驚いていたが、すぐにいやらしい笑いに顔をゆがめ、狙いを定めた。


「鬼宿!!」


いつでもやりあえるよう鞘に手をかけた、畢宿の目の前に

立ちはだかったのは怒りに打ち震える星宿だった。



「朱雀の巫女にも、その娘にも指一本触れさせぬ!!」


「どうしてもというなら、私と戦って奪うがよい!!」


彼は堂々とした怒りを持って、鬼宿に打ち向かった。






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