炎の中から現れた天帝はひどくおかんむりで、朱雀の巫女に

お前は七星士を集め損ねた、四神天地書を火にくべてしまった以上、もう手立てはなく、

すなわち朱雀神を読び出す儀式に失敗したのだ、「この愚か者め」と

いつになくきつい口調で叱責した。


「天帝様、それは言い過ぎではありませんか――」

「おい、ババア!!美朱がどれほど苦労してここまでやってきたと知ってて言ってるのかよ!!」



今にも泣き出しそうな美朱を不憫に思い、鬼宿とはついつい声を荒げてしまった。




「誰がババアだと誰が!!」

、白虎七星集め経験者のお前も何じゃ――皆を導くはずのお前がついていながら、儀式に失敗しおって!!わしに堂々と意見できる立場なのかえ!!」


案の定、天帝の怒りはすさまじく、鬼宿ももぴしゃりと黙らされてしまった。


それを見た美朱はぐっとあふれ出る涙をぬぐい、今日までに何人の者が犠牲になったり、大変な目に

あったか、それなのに私は巫女として朱雀を呼び出せなかった責任は大きい、それがくやしいと

酷く自分を責めて叫んだ。



それに心を動かされた天帝は表情ひとつ変えずに

「美朱、おぬしも少しは成長したようじゃな」と言い放った。


「朱雀を呼び出す方法は他にある」と新たな希望となる言葉を投げかけた。



「これまでとは比べ物にならぬ試練になるぞえ、それは経験者のお主がよく知っておろう、


ここで天帝はぎろりとを一瞥して言った。


「は、はい・・」


彼女は天帝の気迫にただただ圧倒されて頷くしかなかった。


朱雀の巫女は固く決意をし「どんなことをしてもやります」と天帝に向けて宣言した。


巫女の心に強く打たれた天帝は何やら両手を組み合わせ、目を閉じて念を送り始めた。


次の瞬間、白光に輝く玉がそれぞれの七星士達の側に舞い降り、

それはそれぞれの能力を高めるアイテムへと変化した。


星宿、にはなめらかな光沢の赤と白の神剣、翼宿には金剛石に輝く鉄扇、軫宿には神水、

柳宿には真ん中にエメラルド色の宝石がはめこまれた乳白色の腕輪、張宿には知恵の巻物、

井宿には新しい数珠が授けられた。


驚く面々に天帝は「なーに、これまで頑張ってきたほんの褒美じゃ」

と初めてねぎらう様な微笑を見せた。



「これはお前たちの力をさらに高めてくれるものじゃ」

最後に美朱に四神天地書の残り灰を授けてしまうと

彼女はとても嬉しそうに「太一君、私、頑張ります」と言った。


「しゃーないな」

「お付き合致します」

「美朱一人じゃ危なかっしいたらありゃしない」

「乗りかかった船だしね」

「俺も忘れんなよ」


翼宿、張宿、柳宿、、鬼宿は口々に頼もしい言葉を

朱雀の巫女にかけると決意を新たにした。





上空を飛ぶカモメの鳴き声に、磯の匂いが海風に乗ってかすかに運ばれてくる。

穏やかな海原が望める港に大型船舶は停泊していた。


「まだ出航前なのに、もう船酔いしたの?」

は、屈強そうな紅南国の武人の足にしがみつく翼宿にあきれかえって言った。


「俺は山の男なの!しゃーないやないか」


翼宿は何でこんな情けない姿を、一番見られたくない人物に見られなくてはいけないかと

真っ赤になって言い訳していた。



「四人とも、こっち向いて!」


「あらぁ?」


その可愛らしい声に反射的にポーズをとってしまった鬼宿、柳宿、、翼宿は


ばっちりとその姿を美朱のポロライドカメラに収められてしまった。



「なにこれ!?ちょっと、こんなことしたら、皆に私達のこと誤解されるじゃない!!」

「あーら、瞬時とはいえ、の肩に手なんか回しちゃって――」

「おっ、ほんとだ!いやーこれ、綺麗に撮れてるよな〜ばっちり証拠押さえてるじゃねえか」


美朱の焼き終わったカメラから出てきた写真を見て、


途端には怒り出し、翼宿は得意そうな顔をし、柳宿、鬼宿は面白そうに声をあげた。



そこには女らしく首を傾けてポーズを取る柳宿、きりっとした顔を決めた鬼宿、

満面の笑みでの肩に手を回して抱き寄せた翼宿の姿があった。



「いやーすまん、すまん、つい、お前を男や思っとった時の癖がでてな〜」


「絶対にわざとやったでしょう!?まったくなんて馴れ馴れしい!!これだから山賊ってのはどいつもこいつも

やらしい・・」


翼宿の悪びれない態度にの怒りは増すばかりだった。






それから美朱の皆で写真を撮ろう!との鶴の一声で


皇帝、張宿、井宿達もぞくぞくと集まり、それぞれ好きな場所に陣取った。



「だーめよ、動いちゃ、あと、八枚撮るんだから!」


、こっちきて、張宿と俺と写ろうや」


「嫌〜、また変なことするんでしょう!?絶対安全な陛下の側でけっこうよ」


「え、何故私なのだ!?」


「こら、翼宿!を引っ張らない!星宿まで動いちゃうでしょ!!」


すたこらさっさと星宿の右隣に場所を取ったは満足そうに


中腰になって微笑んだ。


そんなこんなでようやくシャッターが切られ、朱雀七星士と白虎七星士一名は


集合写真に収まったのだった。











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