「ジニ―!」

ウィ―ズリ―夫人が暖炉の側から、ひとっとびで近づいてきて愛しい末娘を抱きしめた。

無事、秘密の部屋からジニ―を助け出したハリー、ロン、 、記憶喪失の人は、ダンブルドア校長の部屋に居た。

ウィ―ズリ―夫人は歓喜の余り、娘を救出してくれたハリー、 、ロンを何度も、何度も力強く抱きしめるありさまだった。

ダンブルドアのデスクには、組み分け帽子、グリフィンドールの宝剣、リドルの日記が並べられた。

ハリーはダンブルドアに一部始終を語った。

全て彼が語り尽くしたとき、校長はかすかに微笑み、暖炉の火が半月形の眼鏡にチラチラと映った。

「わしが一番興味があるのは、ヴォルデモ―ト卿がどうやってジニ―に魔法をかけたということじゃな。わしの個人的情報に

 よると、卿は、現在アルバニアの森に隠れているらしいが」

「な、何ですって!?例のあの人がジニ―に魔法をかけたのですって??」

ウィ―ズリ―夫人は素っ頓狂な声を上げた。

「この日記です。トムは16歳のときにこれを書いたんです」

ハリーは静かに日記を開いた。

「おお・・彼はホグワーツ始まって以来の最高の秀才といえるじゃろう。彼がトム・リドルと呼ばれていたことを知るものはほとんどいない。

卒業後、トムは消え、あちこちに旅をし、闇の魔術にどっぷりと沈み込んだ。

あの聡明でハンサムな男の子、かつて首席だった子をヴォルデモ―トと考える者はほとんどいなかった」

「でも、ジニ―はその人と何の関係が――――」ウィーズリー夫人が金切り声を上げた。

「日記なの。あた、あたし、いつもその日記にか、書いてたの。そしたら、その人がずーっと返事をくれたわ。」

ジニーがしゃくりあげた。

「まあ!ジニ―!!」ウィ―ズリ―夫人が仰天して叫んだ。

「ママとパパがいつも言ってるでしょう!?脳みそがどこにあるか分からないのに、

一人で勝手に考えることができるものは信用しちゃいけないって!!」


「ごめんなさい!!ママが準備してくれた本の中にこれがあったの。だから、だから・・」

「ミス・ウィ―ズリ―はすぐ医務室に行きなさい。」ダンブルドアが、きっぱりした口調でジニ―の話を中断した。

「過酷な試練じゃったろう。処罰はなしじゃ。ゆっくりと休むがよい」

ダンブルドアはそうジニ―の背中に呼びかけた。

「さて、今、マダム・ポンフリーがバジリスクの犠牲者達にマンドレイクのジュースを飲ませておる。もうすぐ目を覚ますであろう。」

「じゃあ、ハ―マイオニ―は大丈夫なんだ!!」

ロンが嬉しそうに言った。


「さて、三人組よ。わしの記憶ではこれ以上規則を破ったら、三人を退校処分にせざるをえないといいましたな。」

ダンブルドアが言った。

三人はすぐに石のように固まった。

「これこれ、そんなにかたまらんでもよい!前言撤回じゃ。三人共、「ホグワーツ特別功労賞」を授与し、グリフィンドールに300点を与えよう。」

「ありがとうございます!!」三人の声が上ずった。 は嬉し泣きしていた。

「ところで、ギルデロイ、さっきから一言もしゃべっておらんようじゃが・・どうした?」

そこで校長が初めて部屋の隅に立たずむ呆けた人物を見た。

「あの、それは・・ロックハート先生がロンに忘却術をかけようとしたら・・杖が逆噴射したんです」

が気まずそうに説明した。

「何と!」ダンブルドアの目がいつもの二倍に見開かれた。

「すぐにロックハート先生を医務室に連れて行っておくれ」

「わかりました」

ロンがてきぱきと答えて、彼をを出口へと引っ張っていった。


「ハリー、 お座り。」

「まずは、ハリー。礼を言おう。秘密の部屋で君はわしに誠の信頼を示してくれた。

そうでなければ、フォークスは君のとこにこなかったに違いない。」

校長は膝の上の不死鳥を撫ぜながら感謝の言葉を述べた。

「お礼を申し上げたいのは私たちのほうです。あの時、フォークスが助けにきてくれなかったら皆、どうなっていたか・・」

が目を真っ赤泣きはらしながら言った。

「ありがとう、 。君にもわしから礼を言わねばならん。あれだけの恐怖と極限状況の中、君は自分の命よりも、友の命を優先させ、その白虎に

 指示を与え、バジリスクからハリーを見事に護った。ワシは君の並ならぬ優れた勇気に脱帽しよう。」

ダンブルドアはそういうと、おいおい泣いている の頭を優しく撫ぜた。

今は小さなクリーム色の猫に戻った白虎が、 の膝の上で甘えたように鳴いた。


「そして、この猫は勇敢な奴じゃ。立派に主の命令を実行し、その忠誠心をしめした。賢い奴じゃ。」

ダンブルドアはそういうと猫の頭をクシャクシャと撫ぜた。猫は嬉しいのか立て続けにくしゃみを連発した。

「先生、トムは僕が自分にすごく似ていると言いました。でも、僕はあいつに似ていると思いません。

だって、僕はグリフィンドール生ですから。しかし、組み分け帽子は僕をスリザリンにいれようとしました。

それに、蛇語を話せるからで僕は、一時期、スリザリンの継承者だと皆から言われました。」

彼は思いつめたように湧き上がる気持ちを述べた。

「ハリー。運命とは皮肉なものじゃ。」ダンブルドアは静かに語った。

あの夜、ハリーに傷を負わせたヴォルデモ―トは誤って、自分の力の一部を移してしまったことを。

「それじゃ、僕はやはりスリザリンに入るべきなんだ。」ハリーはがっくりとうなだれた。

「ハリー、君がグリフィンドールに属するという確証が欲しいのなら、これを良く見てみなさい。」

そう言ってダンブルドアは机の上に置かれていた血まみれの剣をハリーに手渡した。

も横から一緒に覗き込んだ。剣の柄に書かれていた言葉はこうだった。





ゴドリック・グリフィンドール






「真のグリフィンドール生だけが、帽子からおもいもかけぬこの剣が取り出せるのじゃよ。ハリー」

ダンブルドアの一言で彼の顔が明るく輝いた。

「良かったね」 はそんな彼を見てにっこりと微笑んだ。


「ハリー、 、大広間にいくがよい。お祝いの宴が始まっておる」

「ああそうじゃ、 」出口に駆けていく彼女にダンブルドアは声をかけた。


「闇の魔術の防衛術の新しい先生が必要じゃ。わしは一応新聞に広告を出すつもりなんじゃが・・

 どうじゃ?まず、君の周りにそれにふさわしき人物はおらんかね??」

ダンブルドアが意味ありげにウィンクした。

(まさか、ルーピンさんのことを言っているのだろうか?でも何で知ってるの?)


の頭に、ルーマニアで家庭教師をしている貧乏な彼の姿が脳裏に浮かんだ。

「ええ、今のところは・・」いかにも適格な人物がいない振りをして、 はゴニョゴニョと答えたが、

顔が笑っていたので、ダンブルドアに見抜かれてしまった。

「何でそんなに嬉しそうなの?」ハリーが二人を見て小首を傾げた。

「何でもない」 はまた微笑んでごまかした。




今夜の祝宴は、今までとはまた違うとびきり華やかなものになった。

全校生徒は事件解決とグリフィンドールが寮対抗杯を二年連続、ハリー、ロン、 のおかげで獲得できたことなど、嬉しい出来事で、

学校からのお祝いとして期末試験のキャンセルのボーナスをもらった。

校長はロックハートが記憶喪失のため、来学期学校に戻ることが出来ないと告げた。

それから、森番のルビウス・ハグリッドがアズカバンから無事、生還し、このお祝いの席に姿を現した。

ハーマイオニ―は「あなたが解決したのね!やったわ!!」と叫んでハリー、 に思いっきり抱きついた。

が、ロンにはもじもじして抱きつかず、二人共まじめくさって握手したことに二人は驚いた。

「あの二人、いい感じだね。」 がハリーをこづいて、ひやかしたので彼はウッと喉を詰まらせ、せきこんでしまった。

「ところで、あなたロックハート先生を引っ叩いたって本当?」

ハーマイオニ―が信じられない話を持ち出してきて尋ねた。

「ロン!ああ、もう、余計なことを!」

「すみません・・」

の一睨みでロンはこそこそ、その場で縮こまった。

「でもさ、いい音だった。僕、一瞬スカッとしたよ」

ハリーがその場面を思い出して、噴出した。

「ハリー!!何を言うの!?」 は青ざめた。

、いい根性してるわね。仮にも先生を殴るなんて・・」

ハーマイオニーが怒ったように言った。

「ごめんなさい!!」 は慌ててハリーの後ろに隠れた。

「本当はそんなことしたら許さないつもりだったんだけど・・いい!!今日だけ特別!!一杯いい事したんだから

 免除!!」ハーマイオニ―はそういうとふんっと横を向いた。

「ところで、あの日記どうなったの?燃やした?つぶした?」 がハリーにだけ聞こえるように小声で言った。

。君って時々恐ろしいよね」ハリーが何気なく口にした。

とりあえず、要点をまとめてハリーは に説明してやった。

「ドラコのお父さんが?」

「うん、彼が書店でジニ―の大鍋の中に日記を滑り込ませたんだ。」

「やっぱりあの父親、徹底的な悪玉だったのね」 がラズベリー・タルトを口に放り込みながら頷いた。

「で、彼の召使であるドビーをハリーが解放したってわけね」

「それがさ、どうやったかって言うと、日記をね、ある方法でマルフォイ氏に投げ返したんだ」

ハリーがことさら楽しそうに言った。

「え?どうやって、教えてよ」 がさらに彼ににじりよって尋ねた。

「やっぱりこれは僕とドビーだけの秘密にしよう!もったいない!」

ハリーがニッコリと彼女の顔を見て、いった。

「教えなさいよ、肝心なとこじゃない!!」

は憤慨した。

「いやだ」

「何でよ?」

「食事中だろう?」

「 関係ないわ、最後ぐらい言いなさい」

「どうしようかな?」

「言いなさい!!」


外では満月がぼんやりと輝いていた。



秘密の部屋が無事、終了しました。次回からはいよいよアズカバン編に入ります。引き続き、お楽しみくださいませ。

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