「それ、まだ痛むのか?」
ハヤテはサヤの隣に座ったに問いかけた。
今、ハヤテ達は「戦いが激しくなるからこそ、時には休息も必要」というモークのすすめで海水浴に出かけていた。
彼らを乗せたバスはのんびりと海水浴場に向けて走っていた。
「時々ピリピリとね。あの時、ハヤテ達と違って戦闘衣着ている上から刺されたんじゃなく、
直接刺されたから治りが遅いのかも。
しかも、どっかの黒いおせっかいのせいで、かなり深く突き刺さったらしいから」
前回、は氷度笠との戦いで、誤って黒騎士に羽交い絞めにされた為、
うっかりと毒針を首筋に食らってしまい、その時は異常がなかったものの、
後から刺された箇所が虫さされのように赤く腫れてしまい、なかなか腫れがひかないでいた。
「ちょっと見せてみろ」
「え?あの、別に大丈夫だから・・」
「あ〜、やっぱり少し腫れてるな・・」
がらがら状態のバスの席で、ハヤテはそっと彼女の首筋に手をやり、
絆創膏を少し剥がして状態を確認した。
「本当にそんなので海水にあたっても大丈夫なのか?けっこうしみるぞ」
「平気よ。もうほぼ直りかけてるし。痛くなったらすぐに海から上がるから。ね?」
はにこにこしているが、なおもハヤテは心配そうに問いかけてくる。
日ごろの疲れが蓄積したのか爆睡しているゴウキを除き、リョウマ、ヒカル、サヤが微笑ましそうに
この仲睦まじげな二人を見守っていたことは言うまでもない。