「奴らは・・奴らは・・陛下に怪我をさせなかっただね」

「そうですが、これは手痛い裏切りです。私とて民に手を上げたくはなかったのですが、あなた方

 が陰謀を食い止めてくれなければ最悪の事態が起きていたでしょう」

裏切り者のニカブリクを短剣の一突きにしてルーシーを守ったトランプキンはと話し込んでいた。

甘味な誘惑に揃いも揃って落ちかけたピーターとカスピアンも、人狼と渡り合ったエドマンドが氷壁ごしに映った

白い魔女の腹を突き刺してくれたおかげで助かっていた。

「僕がいなくても兄さんだけで勝てた相手だもんな・・」

見事、今回の陰謀を阻止した功労者のエドマンドはびっくりしてしばらく口が利けないピーターに

さらりと言ってのけるとトランプキンと話し込んでいるの元へ行った。


女王、ミラースは次の手を考えているに違いない。すぐに対策を立てなければ」

「僕が力になる。絶対にあなたを守ってみせる」

「奴らの思うようにはさせないから」

「え、ええ・・とても頼もしいお言葉をありがとう。エドマンド王」


エドマンドは、カスピアンとピーターが砕け散った氷壁を眺めて放心しているのをいいことに

ちゃっかりとの華奢な手を握り締めて熱っぽく囁きかけていた。

も大勢の森の民と自分を守ってくれる男手がこんなに近くにいることを改めて

ありがたいと思うようになっていた。



多くの血が流された前夜が過ぎ、一行は陰鬱な朝を迎えた。

「私は期待を裏切った・・」

遺跡の土台石の上でカスピアンは風に吹かれながら憂鬱そうに呟いた。

「一時の過ちとはいえ、白い魔女の誘惑に落ちかけ、善良な赤い魔女を見捨てようと・・」

「私は何があろうともあなたを信じています」

「善き王におなりなさい。歴史上最も崇高な矛盾を抱えた王に」

「危機に瀕したナルニアとそれを守ろうとする若き女王を救ったテルマール人の王に」

長年王子の家庭教師を務めてきたコルネリウス博士は、悩み苦しむ若き王子に

そう言って気持ちを少しでも楽にするようにすすめた。



エドマンドの言葉通り、一行が沈んでいる暇はなかった。

太陽が高く昇ると同時に、大勢のテルマールの軍勢が攻めてきたのだ。

ナルニア現女王であるはその近代的な軍隊の規模に言葉を失った。

しばらくの間、ピーター、、エドマンド、カスピアンは困惑して互いの顔を見つめていた。


金色の甲冑をまとい、白馬に跨って登場したミラースは威風堂々とした様を見せつけていた。


「信じられん。あの暗い森に小さな女の子一人を行かせるのか?アスランを探しに行かせる為に!」

遺跡の中で作戦を練るピーターにトランプキンは怒りを含んだ眼差しを向けた。

「信じられないかもしれないが信じてくれ。これが最後の手段なんだ」

ピーターは熱っぽく言った。

「私も反対です。どうしてもルーシー女王に行かせるなら、私が・・」

トランプキンと同じく森を知り尽くしているも大反対だった。


「悪いけどはここにいて」

「私が一緒に行くわ。あなたの動きをきっとミラースは監視している」

しかし、そんな彼女の意見を打ち破った者がいた。

スーザン女王である。冷静な彼女は森の統治者である彼女の動きをあの狡賢いミラースが見逃すはずはないとふんでいた。

「アスランと若き女王陛下の為に」

リーピチープが腰帯からすっと剣を抜いて敬礼した。

「アスランと若き女王陛下の為に」

アナグマもしわがれ声でに敬意を表した。

「ミラースは暴君でとんでもない人殺しだが、国王の座に就いた以上、民の目もあるし、伝統を無視出来ない」

「そこを逆手に取れば勝機はある」

長年、叔父の実態を目にしてきたカスピアンはを勇気づけるように言った。


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