「それでいってえどーするよ?」
「うーん、望み薄だな。取り合えず俺達で手分けして探そう」
「ぼたんさん、あなたなら飛影のいそうな居場所思いつかない?」
「無理だよ。ただでさえ神出鬼没な奴なんだから、
人間界にいる以外、細かい居場所までは霊界でも把握しきれてないよ」
四人は手短に議論したあげく、結局また振り出しに戻ってきてしまっていた。
「あー、あった!これなら居場所分かるかも!ほら、霊界七つ道具だよ!」
突如、素っ頓狂な声を上げて提案したぼたんに一同は面食らってしまった。
「霊界七つ道具?もしかして、それ、霊界探偵になった記念に浦飯さんに渡したもの?」
雪花は助手たるものの明確な記憶力でピンと来て言った。
「そう、それそれ!あんたにも簡単に説明したと思うけど、
その当時、指名手配中の蔵馬と飛影を探す為に幽助に使わせたんだよ!」
その後、ぼたんは道具を隠し場所に取りに戻ると張り切り、
残された三人は一時間後に近くの公園で落ち合うことにした。
「で、どれを使うんですか?」
「そ、そだね・・妖気計はどう?これならどんな妖怪でもキャッチ出来るよ!」
「でも、それじゃ私とか蔵馬君とか
色んな妖怪の人キャッチしちゃうんじゃ・・」
「あ、そか・・特定しにくいさね・・」
「じゃ、霊透レンズでそこいらをくまなく・・」
「あと一時間しかないのに?」
「じゃ、霊撃リングでそこいらの茂み破壊しまくっちゃ・・」
「相当焦ってません?ぼたんさん・・」
ぼたんがトランクを開けて道具を引っ張り出すたびに、蔵馬と雪花の鋭い指摘がなされた。
その後、苛立ちを隠せなくなった桑原によってぼたんのトランクは
引っ掻き回されてしまうのだが。
「そうだ。飛影を探す道具ではなく、こちらから呼びかける道具とかはあります?」
比較的四人の中では頭脳明晰な蔵馬が提案した。
「バーキャッロー!そんなもんありゃー最初っからやってらいー!」
短気な桑原が怒ったように反論した。
「あ、あるわ~!」
「え?」
「あ、あったんだ・・」
ずっこける桑原を尻目に、蔵馬と雪花は驚いて聞き返した。
「イタコ笛。この笛はね、普通には聞こえない人間の音波を発するんだ。
霊力が強い人が吹けば吹くほど遠くに居る人に知らせることが出来るのさ」
「じゃ、私が吹きますね。桑原さんは今、霊力が眠っているからあれだし、
私と飛影は故郷が一緒だから、同じ波長をキャッチしやすいし」
「んじゃぁ~雪花ちゃんに任せた!」
「あ、すごい音が出ると思うから耳塞いどいてくれ!」
雪花に笛を預けた後、ぼたんは残りの二人に警告した。
二人の男子生徒が数歩下がった後、雪花は笛を口にあてがって吹き鳴らした。
「た、確かに予想以上にすごい音だ・・」
「そうかぁ?俺にはなーんも聞こえねぇぜ」
蔵馬は雪花の高い霊力に辟易して、耳を両手でさらにきつく防いでいたが、
一人霊感が全く働かない桑原はぽかんとしていた。
(飛影、お願い。聞こえたらすぐに来て頂戴・・じゃないと浦飯さんが・・)
雪花は一定時間、笛を吹き鳴らすと、心の中で強く祈った。
「な、なんだ今のデカイ音は?」
近くの樫の木ががさがさっと揺れたかと思うと、彼女の祈りが通じたかのように
黒い影が降って来た。
「飛影、やっぱりあなた来てくれたんだ!」
「ん・・お前は・・」
手放しで喜ぶ雪花とぼたん、それを見守る蔵馬、ガン垂れている桑原を
一瞥した飛影は途端に不機嫌になった。
「ちっ、何のことだ!俺は貴様らに呼ばれたつもりはない」
「大城雪花、同郷のよしみとはいえ、お前、そんなに遊びで
俺を呼び出して面白いのか?いい迷惑だ」
服についた埃を払いながら飛影はぼやいた。
「待って、そんなんじゃ、そんなんじゃないの!」
そのまま立ち去ろうとした飛影に雪花は困ったように叫んだ。
「飛影・・実はこれが俺達のとこへ届いたんだ」
蔵馬が見かねたように例の脅迫状を差し出した。
「フン、幽助の奴、ざまあないな・・」
「おおかた暗黒武術会の優勝で天狗になってたんだろうが・・今頃後悔してるぜ」
脅迫状にさっと目を通した飛影は、読み終わるなり小馬鹿にしたように笑った。
「お前、いくら幽助の助手だからと言って面倒見が良すぎるぜ」
「悪いことはいわん。あいつのことは放っておけ。このままさっさと帰るんだな」
飛影はいい気味だとばかりに人間ばかり構う氷女に釘を刺した。
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