「この裏切り者!公儀隠密の家の癖によりにもよってヌエと手を組むなんて!」
「とんでもない恥さらしだわ!」
「ええい、うるさいっ!どこまでも往生際の悪い娘め!いい加減に降参しな!」
「どうして、どうして父を殺したんだ!?」
「ええい、甘いぞ、ジライヤ!」
の振り上げた忍刀をレイピアーとマインゴーシュ(決闘用の左手用の短剣)で交差して受け止める
ミラ、ジライヤの投げた鉤縄を外そうとやっきになっているガリが
藪に隠れ、傷を庇うサスケの目の前を通り過ぎていった。
「鶴姫、サイゾウ、セイカイ、どこにいるんだ?」
彼は襲ってくる痛みに耐えながら、印籠のボタンを押して呼びかけた。
「すぐ来てくれ、大変なことが・・」
サスケは藪からちらちら顔を覗かせながら、ガリと闘うジライヤ、ミラと闘うの
方を悲痛な面持ちで眺めた。
ジライヤとガリのバトルは白熱してきており、激しい回し蹴りや拳の応酬が
繰り広げられていた。
一方、とミラは日本刀と洋剣を思い切り叩きつけ、火花を散らしあった。
そして、両者ともぶつかり合ったまま一歩も動こうとはしなかった。
だが、遂に二組とも決着のつく時がやってきた。
「これで終わりだ!小娘!」
「や〜っ!!」
両者の怒りは今や頂点に達していた。
二人は真正面からすさまじい雄叫びを上げて、突っ込んでいった。
怒りに任せて振り上げられるレイピアー、逆手持ちに構えた迫る忍刀。
そして、レイピアーが振り下ろされるよりも早く、僅差で間合いに飛び込んだの逆手切りが炸裂し、
ミラの肩を斜め上に突き上げるように切り裂いた。
ミラは驚きの余り大きく目を見開き、切られた箇所を押さえて
ばたりと倒れた。
一方、ガリもジライヤの回し蹴りを顔面に何度も喰らい、空に真紅の血潮を吹き上げた。
それでも彼は情け容赦なく、怒りと悲しみに任せて師匠のつけていた鋭く冷たい鍵爪を奪うと
それを何度も何度も叩きつけてこの戦いを終わらせた。