はさっきノックアウトしたドロドロの首根っこをつかんで立たせると、
何事かまだ事態が把握できていない敵陣目掛けて放り投げた。
「早く外へ!」
ドロドロ達が突然、放り込まれた同僚に当たって総崩れになっている隙に
は鶴姫とその連れの桜子に呼びかけて走り出した。
印籠で変化した鶴姫が宙返りをして、地下のガレージから明るい外へ
出てしまうと、ようやく事態を理解したドロドロ達が気付いて追いかけてきた。
はすでに外に出ていたが、とりあえず側にあった工事用の赤いコーンを投げつけ、
追いかけようとしてきた二人のドロドロに足止めを食らわせた。
そして、まだガレージ内ででけなげにも薙刀を振るって応戦している
桜子を助けに行こうとするとそうはさせぬと敵に囲まれた。
いったい何匹いるのだろう。
はぞろぞろとガレージから出てくるドロドロと応戦しながら焦った。
はドロドロの振り上げた槍をかいくぐり、向かってきた敵の反動を利用して
首元にきつい突きを入れた。
また振り上げられたドロドロの槍をしゃがんでよけ、右足を高く掲げて
首元に蹴りを入れてやった。
鶴姫は鶴姫で自分の前に群がるドロドロをばっさばっさと切捨て、今しがた斬り捨てた
ドロドロの胴を踏みつけると思い切り後ろに飛び上がった。
そして、建設中の建物の三階に飛び上がるとそこからレーザーガンを立て続けに
ぶっ放した。
たちまちを取り囲んでいたドロドロがオレンジ色の閃光に
当たってくず折れる。
その時だ。
「キャー、お姉さん助けて〜!」と絹を切り裂くような悲鳴が上がったので
建物の三階にいた鶴姫、一人で何匹ものドロドロをぶちのめした
は音源の方向を振り返った。
「あ、待てっ!」
は少女を抱きかかえて自分の脇をそそくさとすり抜けていった
抜けドロに気がついて叫んだ。
「桜子ちゃん!」
すぐに地面に降り立った鶴姫の周りにわんさかとドロドロが群がり、行く手を防いだ。