「とうとう印籠を捨てたわね、それがお前達の最後だ!!」
四人のくノ一を従えたサクラは忍刀を突きつけると
勝ち誇ったように叫んだ。
すぐさま忍刀を構えたくノ一達がサスケとに襲いかかって来た。
サスケはまず、忍刀でサクラの一太刀を弾き飛ばし、も
頭を低くしてユリの一太刀を避けると、忍刀を大きく孤を描くように振るい、
横トンボ返りで乱れ舞うくノ一目掛けて走っていった。
しかし、ゲリラ戦法を得意とするくノ一組に、忍び仲間内ではすばしっこさの一、二を争う
サスケやの蹴りも忍刀もあっさりと交わされてしまう。
「逃げろ!」
サスケはマンションの階段まで追いつめられると、男の子にそういうのが
精一杯だった。
や男の子ともにマンションの屋上まで上りきってしまうと
そこは行き止まりだった。
すかさずコンクリート壁や階段を乗り越えてくノ一組が忍刀を構えて迫った。
サスケは彼女らの獣のようなぎらぎらした目に負けじと、睨みをきかしたが、
忍刀を構える前に彼女達の一人が吐き出した濃霧によって、屋上からまっさかさまに
下の廃材置き場目掛けて転落していった。
「サスケ!!」
の絶叫がこだまし、それを楽しむかのようにくノ一組は高笑いしながら
「お前の相手は私達じゃないわ。でも、お前は今日ここで確実に死ぬのよ!!」
と言い残して元来た階段を駆け下りて姿が見えなくなってしまった。
「そう。お前の相手はこの私よ。サスケのようにここから落ちてどちらかが死ぬまで容赦はしない。覚悟おし!!」
乗馬用鞭をかまえ、さっそうと階段を駆け上がってきたの実の母親は一人
つくねんと立ち尽くすに向けて宣言した。
伸縮自在な皮の鞭が大きく振り上げられた。
はひらりと身をかわして一回目の攻撃を避けた。
「前より腕を上げたね、、だが、避けてばかりでは長くは持たないよ!!」
バシッ、バシッと実の娘を威嚇するようにコンクリートの床
を鞭で打つミラはにんまりとほくそえんだ。
それ以後も、は、頭上でひゅんひゅん自由自在に鞭を振り回すミラと、
蛇のようにしなる鞭にうかつに近づくことも適わぬ有様だった。
「これがお前達の計画なの?私達をバラバラにして確実に一人ずつ消していくのが!!」
「問答無用!隙あり!」
「うわあっ!!」
忍刀を振るい、何とか隙を見て相手の懐に飛び込んで切りつけようとしたは、下から反動で跳ね上がった鞭のきつい二振りを
顔や左胸に食らって吹っ飛ばされた。
「うっ・・なぜ私達がこんな・・」
コンクリートの床にむなしく転がされたは、電気が走るような痛みに耐えながら
心中、腹ただしいやら情けない気持ち一杯で起き上がろうとした。