「鮭弁の奴って誰だっけ?」

「あ、それ私」

「で、唐揚げ弁当はジライヤと」

とある田舎町のスーパーで買い物メモをチェックするのはとサスケだ。

忍び仲間内では恒例のジャンケンに負けた二人はこうして、六人分の弁当を

買いに行かされていたのだった。

「暑い、暑い、暑いよ〜」

ようやく六人分の弁当の買出しが済んで、スーパーから出てきたはさんさんと輝く夏の太陽を恨めしげに

見やりながら呻いた。

「おいおい・・お前、それ、この間戦いで使ってた鉄扇じゃねーか・・」

はスーパーのレジ袋を腕にぶらさげたまま、デニムスカートのぽけっとから

いつも持ち歩いている折りたたみ式の扇を取り出した。

「いいの!これにはこういうれっきとした使い道があるんだから」

「それにしても暑い、だるい〜」

「夏生まれは平気よね〜こんな暑さぐらい・・」

は額にかかるほつれ毛をバサバサと暗緑色の扇であおぎ、

暑さなどものともしない夏男のサスケに苦笑いされていた。

「あ〜もうっ!何で皆でジャンケンしたら負ける人って決まってるんだろうね?」

は忌々しそうに三人分の弁当の入ったレジ袋を抱えながら呟いた。

「いっつもサスケか私じゃない?」

「きっとそういうとこは、前世からの切っても切れない腐れ縁なんだぜ。俺とお前は」

あはははと陽気に笑うこの男に半ば呆れただったが、次の瞬間、

爽快に自転車を飛ばす小学生に危うくぶつかりそうになった。


「うおっ!?危ねえじゃねえか!こっちは大事な昼飯抱えてんだぞ!!」

サスケは今しがた赤い自転車のペダルを踏んで通り過ぎていった

小学生に悪態をついた。

「危ないのはそっちだよ!自転車は急に止まれないっていうだろ?」

だが、自転車の小学生はくるりと振り返ると、謝るどころか生意気に

言い返す始末だった。

「うわ〜可愛げのない子ね〜」

はサスケの後ろからひょっこりと顔を覗かせると呟いた。

「おいおい・・ま、とにかく早く帰ろうぜ」

サスケは三人分の弁当袋をしっかりと抱えなおすと、ビニールハウスや田畑が立ち並ぶ

田舎道を横切ろうとした。




数分もたたないうちに悲鳴が上がったので二人はすっと足を止めた。

何とそこには灰色の車に追っかけられて逆戻りしてきた小学生の姿があった。

灰色の車は必死でペダルをこぐ自転車の後輪に衝突し、小学生を宙に放り投げた。

「大丈夫か?」

サスケは急いで倒れた小学生に駆け寄り、彼を助け起こした。

「あ、危ないっ!!」

だが、すぐさまの絹を裂くような悲鳴が上がり、サスケは弁当の袋を投げ出すと

と小学生の肩を抱いて道の端に避難させた。

「嘘、戻ってくる!?」

「何なんだ、いったい?」

が地面にしたたか打ちつけられ、乱れた長い髪をかきあげながら起き上がった時、

向こうにいったはずの小型車がバックしてくるのが分かった。

恐怖にかられたサスケはと小学生と共に走り出した。

そのまま走っていると、目の前に背の高いコンクリート塀があったので、

サスケの「あそこへ上れ!」の声で身軽なは助走をつけて

ひらりとコンクリート塀に飛び移り、サスケと小学生もわらにもすがる思いで

コンクリート塀に手をついてよじ登った。


「おいっ、この野郎!!」

危うくひき殺されるとこだったサスケは、ぴょんとライトバンの上に

飛び降りるといきり立った。

「誰もいない!?」

そして、そのまま彼は運転席に回り、強引にドアを開けたが

驚愕の事実に突き当たった。

「うわ、助けて、助けて〜!!」

また、小学生の悲鳴が上がった。

彼の首に、赤や紺碧の色とりどりの花のつるが巻きつき、締め上げようとしていたのだった。

「坊や!」

サスケはひょいと運転席側のドアを乗り越え、少年に巻きついた

植物のつるを外そうとやっきになった。

「退いて!このっ!」

だが、いち早くの鉄扇が振り上げられ、植物のつるを真っ二つに断ち切っていた。

切り裂かれた植物のつるは怒ったように、断ち切られた部分を振り上げ、鞭のようにしなって

三人を攻撃してきた。

、早く逃げろ!」

サスケは襲いかかるつるの攻撃をかいくぐり、少年の肩を抱いて走り出すと

唖然としている彼女に向かって叫んだ。



この頃のサスケの格好一番似合ってますよね〜ブルーのTシャツに短パンが涼しげな感じで好きです^^





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