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「一体この部屋へどれだけの宝物を詰め込めば気が済むの?これじゃ寝るところがなくなっちゃうわ。」
「お前が寝るのは私と一緒の寝台だろう?別に無理に此処で寝ずとも・・・・おおそうか。その手があったな。」
「な・何?」
「お前に一つ宮をやろう。お前の身を飾る物だけを納める宮を。警備の者を置いて守らせるゆえ、お前は今迄通り私と寝れば良い。」
「・・・・・・・・・・あのね・・・・・」
溜息と脱力。
「宝物庫をこんな所に作ってどうするのよ。ただ場所が移動するだけじゃない。おまけに毎日毎日新しいのが届くのよ?
いくら身体があっても足りないわ。」
「毎日変えれば良い。」
「・・・・・あのね。メンフィス。昨日届いたので。貴方が。私に着けさせようとしている耳飾り。 一体いくつ目?」
「いくつ目だ?」
丁度200よ!?200!!」
「では首飾りにしよう。」
「それは300!!」
「腕輪は?」
「168!」
「ではあと32だな。」
「いらないって!!お願いだから、もうこれ以上私の部屋を荷物だらけにしないで!」
「だから宮をやると・・・」
「もっといらないって!」
それから床ににおいてあった箱を掛け声と共に持ち上げ、背を向ける。
ファラオがキャロルを側に置こうとして与えた部屋は、決して狭くは無いのだが、色々な調度と様々な箱や櫃で雑然としている。
兎に角量が多くて、キャロルは今それらを片付けようと躍起になっている最中なのだ。
メンフィスの不満そうな声が背後から聞こえる。
「せっかくお前を喜ばせようと思ったのに・・・欲の無い女がこれほど扱いにくいとはな・・・」
その言葉が少し寂しそうだったので、キャロルの胸がちくりと痛む。
「・・・・・・・・・・」
こっそり様子を伺うと、意外にも本当にしょんぼりした顔をしていた。
「メンフィス?どうしたの?」
「別に・・・」
「もしかして・・・私が何もいらないって言うからがっかりした?・・・だって本当に、もうこれ以上は何もいらないんだもの。」
「・・・・・・・・・・」
今度はファラオの口から溜息が漏れる。
「愛しい女を喜ばせるのに宝物や衣を贈る。女がそれらを身に着けて見せる。それを見て男がまた喜ぶ・・・・・
お前のためだけではなく、美しく装った姿を見て私も喜びたいと思うに、お前は私の望みを叶えてくれぬのか?
それにj此処暫く忙しかったからお前にもろくに逢えなかった。美しい物を見れば少しでも気が紛れるかと思っていたのだが・・・
やっと少し時間が出来たので来て見れば、お前はこんなことをしているし、少しも興味を示さぬし・・・」
「ごめんなさい・・・・」
それでもメンフィスがしょんぼりしているので、キャロルの胸の中の罪悪感がまた少し大きくなった。
「・・・・・じゃ、ちょっと待ってて。」
手近な箱をいくつか開け、一番気に入った胸飾りと衣装を抱えて隣の部屋へ行く。
さすがに慣れてしまった手で何とか身に着け、メンフィスに喜んでもらうつもりで衣装も着替えた。
着替えて姿を表すとメンフィスがまじまじと見つめている。
「良く似合う。」
「ありがとう。」
「だがそんな胸飾りや衣装より、やはりお前のほうが美しい。」
「!!」
持っていた衣装箱を落した。足の上に。
「いった〜〜〜い!!」
悲鳴を上げて飛び上がる。
「どうしたキャロル!」
「よ・・・よよよ・良くそんな・・・そんな恥ずかしい言葉が・・・」
ぼんと音を立てて赤くなった。白い肌が真っ赤に染まっている。
メンフィスが心底不思議そうに問うて来た。
「美しいものを美しいと言って何が可笑しい?・・・・お前は本当に物慣れぬ。」
それからにやりと笑った。
「そこがが良いのだがな。・・・ふふ、可愛いな。」
もっと赤くなる。葡萄酒を飲んだみたいに真っ赤だ。
「か・・・からかってるでしょ。」
「愛しいお前をからかう必要が何処にある?」
「うそよ、いじめてからかって遊んでるわ・・・きゃああっ」
「そんなことより足は大丈夫か?見せよ。」
「だ・大丈夫よ。ちょっと当たっただけよ。」
有無を言わさず寝台に下ろされ、サンダルを脱がされてメンフィスが足の間に座り込む。白い足首を持ち上げて調べられる。
「大丈夫だな。腫れておらぬし。」
だから言ったじゃない。空箱だったし。音が大きかっただけよ。」
そこで二人して気付いた。捲り上げて現れた足の白さに。
「・・・・・・・・・・」
「さあ、片付けの続きをするからどいて頂戴。」
「嫌だ。」
「いやだっ・・・って・・・・」
「もっと良く見せろ。」
「な・・・何するのよ。見せろって・・・あっ!?」
メンフィスが白い爪先に口付けていた。
「やめて。へ・・・変なことしないで。」
背筋がぞくぞくする。メンフィスの唇が触れた爪先からなにか不思議な感覚が流れ込んで、キャロルを酷く落ち着かない気持ちにさせる。
黒曜石の瞳が青珠の瞳を見上げ、意味ありげに笑った。
そのまま足を掲げる。高く高く。バランスを崩したキャロルが悲鳴と共に仰向けに倒れる。不意を突かれた衣を捲り上げられる。
あわてて押さえようとした両手を逞しい片手で封じ、引き締まった唇が白い爪先から足首へ、滑らかな内腿へと滑ってくる。
「こんなときに止めてって!まだ片付いてないのにっ・ああっ」
「そんなものは後だ・・・」
「やっ・まだ昼間なのにっ・あんっ・だめだって・・・ああん・ちょっ・だれか・・・」
侍女たちはとっくに下がっている。当然だ。こんな所に残っていたらファラオに手打ちされてしまう。
「ひどっ・あああ・・・あ・・・」
「無駄なことよ。何人たりともこの私には逆らえぬ。お前でもだ。」
キャロルが熱い溜息を付いて恨みがましい潤んだ視線を向ける。
「意地悪・・・そんなに・・・私を苛めて・・・楽しい?・・・ああ・・・・・っ」
「ふふふ・・・お前があまりにも可愛くてな・・・・ついつい構いたくなるのだ・・・お前が悪いのだぞ・・・」
「わたしが・・・あんっ・何を・・・した・・・っていうの・・・・あんっ・ああんっ。」
「全部だ。その瞳も白い肌も・・・私に話しかける声も・・・何度味わっても素晴らしいこの肢体も・・・」
言いながら白い太腿の付け根にくっきり紅い花びらを刻む。そのまま更に唇を進め、、舌を這わせる。
キャロルが顔を覆ったまま、快楽に声を上げる。
「あ・・・いや、いや・・・・ああ・あ・あう・・・」
水音が高くなる。尻が揺れる。メンフィスの舌の動きにあわせて、キャロルの肢体は白い魚のようにぴちぴち跳ねた。
「お前をいじめるのは本意ではないのだ・・・・お前があまりにも可愛いのがいけないのだ・・・さあ・・・・・お前を全て私に見せよ・・・・」
「いやあっ・こんな格好を・・・お願いだから許して・あっ・ああう・・・」
メンフィスが蕩けそうな笑みを浮かべながら囁く。
「何を言う・・・こんなに美しい、私を歓ばせるところを隠すものではない。」
キャロルは両手で顔を覆っている。震えているのは羞恥のためだろう。。
メンフィスはキャロルの白い膝を割り、逞しい体躯を進めた。その震え、悦びの震えに変えてやろう。
濡れた茂みと蜜に塗れた花びら。膨らんだ宝珠と私を溺れさせる泉。
午後の日差しを浴びて潤んだ花園が蜜を溢れさせ、男を誘う入り口がひくひく蠢いている。
メンフィスはじっくりとその全てを眺める。これが全て私のものだ。
そして己のいきり立った物を、わざとゆっくり焦らすように熱い泉に沈めてゆく。
白い喉が仰け反って悲鳴を上げた。
メンフィスが繋がったまま、キャロルの足を掴み、その白く小さな爪先に口付ける。
舌を這わせ、舐め回す。そのねっとりと暖かい感覚に、背筋を震わせ悲鳴を堪える。
首を打ち振ると黄金の髪がきらきらと光り、押さえた口から堪えきれない呻き声が漏れる。
そして。
無意識にその快感から逃れようとしたキャロルは己の中に沈んだメンフィスのものを擦ってしまい、紛れも無い快感の声を上げた。
「ああ・あ・う・う・あ・ああ・あああ・・・」
「・・・どうした?・・・?」
「あ・あは・はああん・・・あ・い・い・ああ・ああ・ああ・・・」
唇を放して男が囁く。背筋がぞくぞくする。
「あ・そんなこと・しない・で・ああ・あ・・・」
「何を言う・・・このように卑猥な格好で、全てを私に見せ、此処をこのように濡らしながら申すとは・・・」
足首を掴んでいるのとは別の手がすいと伸びて、不意に開かれたキャロルの宝珠を突く。腰が跳ねる。
「はあああん!」
紛れもない濡れた音、甘い悲鳴。悶える白い肢体、締まる泉。
何もかもが可愛くて、メンフィスは更に責める。爪先に舌を這わせ、尻を揉み、思い出したように宝珠を突いてやる。
挿れた物で時々、ほんの少しかき回してやる。
キャロルが懇願する。
「あ・も・もう・もうだめ・もうだめ・おねがい・おわらせて・おわらせてぇ・・・・っ」
声を喘がせ、息を切らす。ファラオの唇がゆっくり上がる。
「そうだな・・・・・どうしてやろうか・・・・私はまだまだ満足しておらぬのでな・・・・未だ十分味わっておらぬし
お前は勝手に達きそうだし・・・・」
それから肩に担いでいた足を一纏めにし、いきなり体の脇に下ろした。
白い肢体の中で男のものが捻れて凄まじい快感が突き上げる
「うあああああっ」
いきおいのまま腰をつかんで自分の膝に乗せ、圧し掛かってぐりぐり腰を回してやる。
「ああああああっ・あああっ・うあああぁぁぁああ―――っ」
力が抜けた。
「・・・・・勝手に達っしまいおって・・・・未だ満足しておらぬと申したであろう?・・・・・仕置きを致さねばな・・・・」
本当に嬉しそうに言いながら一度引き抜き、仰向けに転がして遠慮なく足を広げさせる。
白い太腿の奥の、左右に引っ張られて開いた花びらとその少し上の宝珠をしげしげと眺めた。
ささやかな茂みは蜜に塗れて肌に張り付き、あらわになった花びらは男を誘う。
快楽を受けた宝珠はこれ以上ないほど大きくなって蜜に塗れ、先刻まで男のものを受け入れていた泉は未だ物足り無いというように
ひくひく痙攣している。
「も・・・やめ・・・・・」
「嘘をつくな。」
一言で封じると指を伸ばす。膨らんだ宝珠を摘み上げ、捻って擦って突く。
すると白い腰が踊る。
「何処が嫌なのだ。そらそら、また溢れてきたぞ・・・・ぬるぬるだ・・・」
あふれ出た蜜を掬って塗りつけ、更にすべりがよくなったものを弄くり、もっと蜜を溢れさせる。
褥に大きな染みが出来てゆく。
泉を弄って指を挿れた。キャロルが背を震わせる。
大きく擦り上げ、親指で宝珠を同時に擦る。
「ひっ・ひあっ・ひいっ・うあ・あ・あああ・ああっ」
覆いかぶさって胸の頂を咥えてやる。嬌声が大きくなる。
「あああっ・あう・あうっ・あああああ・あああぁぁぁ・・・・」
「唇を放し、指で摘み上げながら囁く。
「未だいらぬか・・・・・?止めておこうか・・・・?」
「いやあっ・もっ・もっ・・・・」
「も・・・?言ってみよ・・・さあ・・・・」
「あああ・・・っ・・・もっ・・・もっと・・・ほしい・・・の・・・っ」
唇を塞ぐ。己のものを一気に突きたてる。激しく腰を打ち付けて、白い肢体を絶頂へと連れてゆく。
「あああああ―――っ・もっ・いくうっ・いっ・いいっ・いく・いく・いく・いくぅぅ・・・・っ」
片手で胸を、方手で宝珠を。摘み上げるとキャロルの肢体が硬直する。
同時に己のものを締め付けるキャロルの女の泉。
「・・・・・く・・・っ・・・ああ・・・・・・・」
メンフィスは溜息と共に、己の欲望全てを吐き出した。
「・・・・・いじわる・・・・」
「なにがだ?」
「・・・あんなことを・・・言わせるなんて・・・・」
「『いい』か?『もっと欲しい』か?・・・好い声だったぞ。・・・身も心も、魂まで蕩けるような鳴き声だった・・・・
言ったであろう?・・・お前を苛めるのは本意ではないのだ・・・お前があまりにもかわいいのがいけないのだ・・・・
その白い肢体を震わせ、その甘い声で私を酔わせる・・・・」
「やめて!恥ずかしいじゃない、もう!」
「止めぬよ・・・もっと鳴かせてやる・・・さあ・・・もっと私を蕩かしてくれ・・・・」
「あ・・・ん・・・」
繰り返される愛の言葉、身も心も蕩けるような愛撫。
そして繰り返される衣擦れの音と喘ぎ声、寝台の軋む音。
午睡の後にファラオの愛妃の身繕いをと参じた侍女はいたたまれずに方向転換し、扉を守る衛兵はあまりのことに鼻血を出す有様で、
溜まった書類を抱えた臣下たちは、何時になったらファラオの裁可が頂けるのかと頭を抱える羽目になった。
END
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