resoluton





「キャロル・・・来たのか?」
「こんな夜にわざわざ此処へ呼び出して・・・なんの用?」
「・・・・・今日・・・婚儀の日取りが正式に決まった。」
「ああ・・・皆が大喜びしていたのはそのためね。」
「お前はどうなのだ?」
「勿論嬉しいわ・・・・・これでやっと解放されるもの・・・おめでとう御座います、ファラオ。」
ファラオは黙ったまま、階の玉座を見上げていた。
昼間は喧騒と熱気に包まれるその場所は、夜の闇に包まれた今はファラオと黄金の娘以外誰もいない。
がらんとした、虚ろで寒々しい空間だった。





「長い間、あそこに一人で座るのが当たり前だと思っていた・・・ファラオたる者、横に並ぶ者など必要ないと思っていた。
 例え姉上でも、席は階上ではない・・・・・」
それからキャロルを手招きし、白い手を握って階を上り始める。
「来い・・・お前には見せてやろう。」
壇上は、見上げるときより狭く見えた。此処に、毎日ファラオは座ってただ淡々と日々を過ごしていたのだろうか。
このエジプトでは貴重な木を使い、金を貼り輝石で象嵌を施した、豪華なよそよそしい玉座。
黙って見つめていると不意にファラオが言った。
「座ってみるか?」
「何を言っているの?此処に座るのは貴方だけよ。このエジプトのファラオ。地上の神。貴方だけ。」
面白そうに唇が上がった。
「自分を外つ国の者だというお前に、それは通じるまい。」
可笑しそうに笑いながらキャロルの腕を掴んで無理矢理座らせる。
「どうだ?この世の全てを見下ろす気分にならぬか?」
キャロルも少し笑った。そして立ち上がる。
「私には無理ね。この世全てを見下ろす椅子は、私には広すぎて落ち着かないわ。見るだけならこんなに小さいのに。」
ファラオがキャロルの腕を捕らえたまま玉座に腰を下ろす。
「なに?」
「お前と共に座るのも良いかも知れぬ。」
「・・・・・?どういうこと?」
「階を広げよう。椅子をもう一つ作って、お前は私の隣に座るのだ。」
「?どういうこと?隣に座るのはアイシスでしょう?」
「いや。私とお前のだ。」
もう片方の腕が伸びて、白い頬を撫でる。
「ファラオの隣に座るのは王妃になるアイシスでしょう?だって日取りが決まったって・・・まさか!」
「私とお前の婚儀だ。姉上との婚約はとうに破棄していると、あれほどに申したではないか・・・」
「嫌よ!」
腕を振り払って階を駆け下りようとする。その細い腰に鋼の腕が巻きついた。
「お・・・っと。落ちるぞ、気をつけろ。此処から落ちれば只では済まぬ。」
「放してよ。一言も言わないで何故そんなことを決めたの?」
「言えばお前は飛び立っていってしまうのだろう?決めたのだ。お前を妻に、王妃にすると。皆には黙っているように命じたからな・・・
 お前が逃れられると思ったのは無理も無いが・・・」
そのまま無理矢理膝の上に抱え上げる。黄金の髪に指を沈め、顎を捕らえて深く口付ける。
拒絶の言葉は意味を成さないまま、くぐもって消えた。
片腕で必死の抵抗を封じ、もう片方の指で衣を解く。現れた白い肌に、男は幾度漏らしたか分からない感嘆の声を上げる。
「綺麗だ・・・お前は本当に美しい・・・」
熱い指が肌に触れる。触れたところから火がともる。それを悟られまいともがく。
「こんな所で・・・嫌よ・・・っ」
答えは白い胸への愛撫だった。掌で胸の膨らみを包み、ゆっくり擦って肌触りを味わう。
指先でほんのり薄紅色に染まっている乳首と、その周りを撫でてみる。
「・・・っ」
微かな溜息を零してしまったキャロルが慌てて唇を引き結ぶ。





「お前が欲しいのだ・・・」
「伽をしろ・・・と?部屋へ・・・来れば良いでしょ・・・?」
柔らかな愛撫を受けながら、キャロルが切れ切れに呻く。
「欲しい・・・今此処で。伽ではない・・・『お前』が欲しい。」
そう言ったファラオの瞳が月明かり以外の何かに輝いている。
再び口付けられる。深く深く。舌を絡め、吸い上げ、擦り付けられて怯える口内を蹂躙し、抵抗する意欲を奪われる。
ねっとりと濃厚な口付けから解放されると、銀の糸が月の光に輝いた。
「もう私はお前が居なければ眠れぬ身体になってしまった・・・これはお前のせいだから、お前が責任を取らねばならぬ・・・」
「あんっ・かっ・勝手に人のせいに・あう・しないで・ああっ」
「その声だ・・・夜毎その声を聞くたびに、私の中の雄が狂う・・・お前が欲しい・・・ずっと・・・ずっと・・・側に置いて、
 全部私の物にして・・・」
指は止まることなく白い胸の頂を摘み上げ、捻る。あるいは指の腹できゅっと押して埋め込もうとし、また転がしてみる。
「んっ・んんっ・はあっ・はあ・あ・あん・う・くう・・・っ」
「その溜息も・・・嬌声も・・・喘ぎ声も・・・」
首筋に唇を這わせて紅い花びらを刻む。一つ二つと所有の証が咲いてゆく。
「いや・・・痕・痕を・・・つけないで・あんっ!!」
乳首を甘く咬まれて背筋がぞくりと震える。思わず声が上がる。
「お前の全てが私を狂わせる・・・もうお前から離れられぬ・・・ 女など・・・飽きるほど抱いてきたこの私が・・・」
乳房を掴んで揉みしだき、また頂を転がす。
キャロルが歯を食いしばる。
「んっ・んんっ・くうっ・ふっ・ふうん・くっ・くっ・・・・うあ・・・あ・・・っ」
「だから・・・今度は私がお前を捕らえる。私を虜にしたその罪に、王妃という名の罰を与えてやる。一生かけてその身で償え・・・愛している・・・」
膝を開かれる。なんの躊躇いも無く指が滑って花びらを擦り上げる。
「どうだ?好いだろう?」
「あ・いや・いやよ・こんな姿・あ・ああ・だ・だれか・に・・・ひっ」
花びらを割って宝珠を摘まれる。腰が跳ね上がる。
「黙っていれば良い・・・いや、そうするとお前の鳴き声が聞けぬな・・・」
「あ・ひっ・ひいっ・ひいっ・あ・やっ・やああっ」
「その鳴き声で私を捕らえろ・・・さすれば快楽という罰を与えてやろう・・・お互いに、二度と離れられなくなるように・・・」
「ゆっくりと己の女が頭を擡げる。それを誤魔化そうと必死で歯を食いしばる。
「う・ううっ・わ・わたしを・くう・くっ・抱くなら・部屋へ・・・くううん・くっ・くふっ・ふっ」
腰に何か熱い塊がある。それが紛れもなく欲望だと気付いたときには、白い衣を捲りあげられ、腰を掴まれていた。
喉を突いて出そうな悲鳴を堪える。歯を食いしばってしまう。
濡れた泉に熱い物が当てられた。
「お前を・・・喰らい尽くすまで収まらぬ・・・お前だけを・・・全部・・・!」
後ろからねじ込まれた。
「はあああああぁぁぁん!・・・う・・・あ・・・・っ・・・・・・・・っ」
今までに感じたどんな欲望より熱くて太かった。衝撃に背を反らし、身を捩って声を上げる。
「う・・・・・あ・・・・・・・・っ」
いきなり胸を摘まれた。男の物は動いていないのに、胸に与えられた衝撃だけで登り詰める。
「あ・あ―――っ!!」
下の唇がきつく締まって男が呻く。
「くうっ・・・未だだぞ・・・これからなのだ・・・・」
荒い息を付いた、その胸をまた弄られる。
快楽が次々に襲ってきて、身を捩って逃れようとする意志は、やがて自ら快楽を求める本能になる。
狭い椅子の上で、いつしかキャロルは快楽を啄んで囀る黄金の小鳥だった。




何度も何度も。男の上で上り詰め、達し、男のものを締め付けて狂った。
その度に理性が崩れて、女の本能が、欲望が目覚める。
「い・・・いやあ・・・ああ・・・こんな・・・あはあんっ・ふっ・・・・」
「もっと鳴け・・・・此処でお前と交わるのは・・・最高だな・・・・・くっ」
「ああっ・いやっ・いやあっ・・・こ・こんな・おちるっ・おち・・・ああうっ・ふあっ・うあっ・おちる・・・うっ」
「ああ・・・堕ちて来い・・・私の中へ・・・わたしの・・・腕の中へ・・・・・」
人気の無い部屋の、あまねく天下を見下ろす玉座の上で。
男に抱かれてあられもなく、黄金の小鳥が淫らに囀り、鳴き声を上げる。。
嬌声を堪えようと白い指で唇を押さえ、大きく足を広げ、足の付け根を男の熱い杭で貫かれて身悶える。
響き渡るのは喘ぎ声と押さえた悲鳴と、玉座が立てる音と・・・・それを上回るような水音。
「もっ・やめっ・いやあっ・ああっ・ひいっ・ひいいっ・・ああ・ああああっ」
「いやだ・・・お前を・・・妻に・・・わたしの・・・全部私の・・・ものに・・・」
耳元で一言づつ区切りながら唸るように囁く。そしてその度に強く強く突き上げる。
最奥まで男の杭で貫かれ、キャロルの喉から悲鳴が上がる。
「ひいいっ・ひいっ・ひいっ・もっ・だめ・も・いっちゃうっ・いっちゃうからっ・たすけっ・たすけっ・ああ・いく・いく・いく・・・・・・・っ」
掠れた声を上げてキャロルが首を折る。白い肢体の力が抜けて、逞しい腕に掛かる重さが増す。
白い尻に、何か熱いものが音を立てて迸るのを感じた。





汗をまとい、薔薇色に染まった背を抱き締める。
衣はとうに肩から滑り落ち、両の乳房を隠す物は何も無い。
足を開かせ、自分の太腿の上に膝を立たせて向かい合わせに坐らせる。濡れた泉が音を立てた。
項垂れた唇を啄み、片手を滑らせて紅く凝った乳首を摘みあげる。
ひくんと肩が震えてキャロルがかぶりを振った。
「・・・いや・・・もう・・・放し・・・」
「お前が『王妃になる』と言いさえすれば・・・な・・・」
「・・・いやよ・・・」
「王妃になることがか・・・?此処で答えることがか・・・?」
「・・・もう・・・・・やめ・・・」
「・・・ファラオとして命じる・・・・王妃はお前だ。お前を妻にすると、この私が決めた。」
言いながら白い胸を鷲掴みにし、揉みしだき、そしてしゃぶり付いて歯を立てる。拒否の言葉が溜息と嬌声になる。
「あ・・・は・・・もう・・・もう・・・い・・・や・・・・・・」
「嘘をつけ・・・蕩けそうだぞ・・・」
腰を掴まれた。一瞬後に耳に響く、ずぶずぶと卑猥な音。力を取り戻した熱い杭が、再びキャロルを犯してゆく。
「はあっ!ん!あああああぁぁぁ・・・ああぁぁ・・・・・っ」
もうたまらない。腰が踊る。尻が動く。自ら中を擦り付け、男の膝の上で踊り狂う。
「そら・・・もっと・・・もっと踊れ・・・もっと・・・もっとだ・・・・・っ」
「ああっ・い・いやっ・いやあっ・もう・もう・・・」
「なにが・・・・?・・・申してみよ・・・」
「あ・ああ・あ・ああんっ・ん・くううっ」
「何だ・・・申せ・・・」
「あ・お・おくに・おくにあたるっ・ひっ・ひいいんっ・ひっ・くうっ」
「ちがうだろう・・・?妻になると・・・王妃になると・・・申せ・・・」
「そっ・それ・は・それは・・・っ・あ・あはっ・はあんっ」
我を忘れ、男の誘いに合わせて舌を絡め、抱き締め合う。
胸を揉みしだき、腰を廻し、尻を上下させ、突き上げて内部をかき回す。
蕩けた肉が、限界までいきり立った太い肉棒に絡みつく。
太く硬くなった杭が、熱く蕩けた内部を最奥まで貫いて蠢く。
ファラオと愛人ではなく、男と女の交わりを求めて高みを目指して駆け上ってゆく。
「そら・申せ・申せっ・うっ・ふっ・っ」
「あ・いやっ・いやあぁっ・おく・おくにっ・おくにっ・・・あ・あたる・・・・っ・はあ・はあああんっ」
流れ出した熱い蜜が玉座に滴り、糸を引いて床へ落ちて行く。
肌のぶつかる音と水音がさらに大きくなり、激しくなる。
「ああ・あ・はあ・はあ・お・おねが・も・も・も・・・っ」
「・・・なに・・・が・・・?」
欲望に潤んだ黒曜石の瞳が青珠の瞳を見つめる。
青い瞳は荒々しい隼の餌食と化し、、最早快楽以外何も見ていない。
「・・・も・・・だめ・・・あなた・・・が・・・ほし・・・・・・・・おねが・・・あっ!?ああああああっ!!」
キャロルの懇願に言葉では答えず、繰り出された強烈な突き上げ。
がくがく揺すぶられ、壊れた人形のように男の膝の上で踊りまわる。
何度も痙攣し、意識が飛ぶ。もう何を口走っているのかも分からない。
王妃になどなりたくない。本当に愛してくれるならそれだけで良い。今のこの快楽だけを味わっていたい。
黄金の小鳥が隼の激情を全て受け止め、歓喜と快楽の絶叫を上げて身を震わせる。
男は痙攣する肢体を抱き締め、小さな肢体に己の欲望全てを何度も注ぎ込んだ。





「キャロル・・・私は一生、いや、未来永劫お前の虜だ・・・」
力尽き果て、抜け殻のようになった暖かい身体を抱いてファラオは誓う。
お前を王妃にする。私の隣に座るのは、生涯かけてこの女だけだと。





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