白鳥



                                                         裏バージョン





「無駄だ。羽を切られている。その鳥はもはや飛び立つことは出来ぬ。」
ぺたりと檻の前に座り込んでキャロルは項垂れている。
「後宮の庭に放す。其処なら外敵に襲われる心配もあるまい。」
そう言いながら少女の腕を取って立たせ、もう一度抱きしめて耳元で囁く。
「何度も言っているだろう。私は気に入ったものは必ず手に入れると。お前は私のもの。決して逃しはせぬ。」
キャロルは潤んだ瞳で檻の中の白鳥を見た。
その姿が、まるで自分のようだった。





そのまま抱えられて長椅子まで連れて行かれる。
ファラオは机から杯を取り上げ、一口含むと少女に口移しで飲ませた。
ほんの少量だけ。だが少女にはそれで十分だった、
くらりと世界が回り、身体を支えていられなくなる。
倒れるように長椅子に横になると、ファラオが隣に腰を下ろした。
ぼんやりと眺めているとファラオはゆっくりと杯を空け、机に戻したその手でキャロルの額に触れた。
様子を確かめるように頬を撫で、装身具を外し始める。
次に何をされるか悟って少女がもがく。酒の酔いが身体の自由を奪っている。
やっと起き上がった肩を押さえつけられて長椅子に押し倒される。
「いやっ・・・放して、放してっ」
「逃がしはせぬと申したであろう。」
「・・・・・くっ・・・・・」
口付けされ、それ以上のことをされないように歯を食いしばったが、男の唇はすぐさま離れた。
そして指が少女の衣装を解き始める。
必死に抵抗し、暴れるが、メンフィスは片手で易々とキャロルの抵抗を封じ、こんなことを言ってのけた。
「あの鳥、足を縛ってある。お前も縛ろうか。そうだな・・・黄金の鎖を作らせよう。
 黄金細工の腕輪と足輪をはめるが良い。日中は外してやるが、夜はそれに鎖を付ける。
 寝室の柱に繋ぎ、決して逃れられぬように。」
闇夜のような瞳に炎が揺らめいている。欲情の炎、嫉妬の炎だ。
「兄など・・・・・兄などお前の中から消してやる。お前は私のものだ。誰にも渡さぬ。」
白い胸に顔を埋め、くぐもった声で言い放つと片手で乳房を掴む。
褐色の掌がゆっくりとふくらみを撫で、指先が頂を摘みあげる。
「ひっ・・・・・う、くぅっ・・・・・」
ひくりと肩を揺らして少女が悶える。
「鳴け。その声で。私を悦ばせよ、私の黄金の小鳥。」
指が頂を転がしている。抵抗を封じた片手を解いて少女の背に回し、抱きしめながら
もう一方のふくらみを唇に収める。
「あっ・やめっ・止めて・あああっ・あっ」
自由になった両腕で男の肩を掴み、何とか引き離そうとしながら、身体は間違いなく男の愛撫に反応している。
乳首が硬くなっている。
舌先に感じたその硬さを味わい、わざと大きな音を立てて離す。
赤く充血し、唾液に濡れた頂がメンフィスの理性を吹き飛ばした。
もう一方も同じように吸い付き、舐め回し、たっぷりと唾液で汚す。
そうしながら片手で腰帯を解き、少女の衣装を一枚の布に変えてしまう。
「あっ・いや・いやっ・誰か・誰か助けて・あ・ああっ」
「誰も来ぬ。扉を閉ざせばお前の声は外へは漏れぬ。それに私以外にお前の鳴き声を聞かせはせぬ。
 ・・・・・言っただろう。お前の全てはわたしのものだと。」
言いざま、少女の悲鳴を唇で塞ぎ、布を引きむしって夜目にも白い肢体を目の前に晒した。
「いやあぁっ!!お願い・許して・もう止めて・・・あっ!?あああっ」
「嫌だと言いながら・・・・・此処はもう濡れているぞ。」
男の指がキャロルの泉に突き立っていた。
「あうっ・あああっ・・・いやあ・・・ああっ・あっ」
纏う物もなく白い肢体を男の前に晒し、肩を押さえつけられ、足はメンフィスの膝で押さえつけられて動けない。
男の指が泉を犯し、ごく僅かに内部で蠢いている。
じわじわと蜜が溢れて来る。
身体が炙られるようだ。
「ほう・・・今までの、どんな女よりお前は好さそうだ。これくらいで溢れるとは。
 ・・・・・じっくりかわいがってやろう・・・」
「うっ・くっ・くうっ・あう・っ・・・・あああ・・・・・」
白い肢体が上気して薔薇色に染まっている。淫獄の炎にその身を苛まれて。
指の動きが大きくなるにつれて、零れ落ちる鳴き声が高くなる。
「あ・はあっ・ああ・ああっ・ああうっ・んんっ・くっ・くうっ」
「好いだろう・・・?我慢せずにもっと声を出せ。誰も聞いておらぬ。」
「あ・い・いや・・・・いや・よ・だっ・だれ・がっ・あああああっ」
「ではこうだ。」
「あ・ひいっ!うくっ・くくうっ・ううんっ・あ・あああああっ!」
指が二本に増え、内部を大きく擦り上げられる。
かき回されて蜜が流れ落ちる。
「此処はどうだ?」
二本の指とは別に、親指が宝珠を探り出し、ゆっくりと触れる。
もはや理性は切れる寸前だった。
「あ・あああっ・あう・ああっ・あっ・あぅんっ・あああぁぁぁあああっ」
「もっと鳴け。もっと好い声で私を酔わせよ・・・・・そら・・・・・」
メンフィスの指が宝珠を擦り上げ、内部をかき回す。
それがだんだん早くなると、キャロルの鳴き声が高く切なくなる。
「ああ・ああっ・あっ・あっ・あうっ・うっく・うっ・ひっ・ひっ・ひぃっ・ひあっ・あ・っ・・・ああぁぁ・・・―――――っ!!」
全身を痙攣させ、長く高らかな悲鳴を上げてキャロルは達した。





荒い息を吐き、、くたりと横たわった白い肢体を見下ろして、メンフィスは満足そうな顔を見せた。
「好い声だった・・・だがもう少し欲しいな。」
ゆっくり覆いかぶさり、半開きになった唇を奪う。
自らの舌で口内を犯しながら指で泉のありかを確かめ、自分自身を突き立てた。
キャロルの肢体がひくひく震え、メンフィスを締め付ける。
「・・・・・っく・・・・・ああ・・・好いな・・・お前の身体は最高だ・・・・・」
とめどなく涙を流しながら、青い瞳が虚ろに黒い瞳を見上げる。
気付かない振りで白い首筋に顔を埋め、ファラオは言った。
「お前を王妃にする・・・そう決めた。姉上には明日の朝一番で婚約破棄の使者を出す。」
「!!お願い。それだけは・・・やめ・・・あっ!」
最奥まで突かれる
「もう遅い。書状は出来上がった。」
机の上の、あのパピルス。
ゆっくり大きく突き上げられながらキャロルは哀願した。
「お・おねが・・・ああっ・それだけ・それだけは・やめっ・やめて・っく・ああっ・あああっ」
「もう遅いと申した。」
腰を擦り付けながら男は言い募る。
「あああ・ああっ・たすけ・たすけ・て・も・やめっ・あああっ」
「兄など忘れろ。その白い胸から消えるまで、何度でも抱いてやる。」
「いやっ・いやっ・たすけ・ああっ・あああぁあ」
「誰に助けを求める?此処には私しか居らぬ。お前は最早私のものだ。」
「ああぁあっ・いやぁぁ・いやぁっ・いっ・ひっ・ひああっ」
「キャロル・・・愛している・・・愛している・・・誰にも渡さぬ・・・家族の元へなど決して返さぬ・・・」
抱きしめられ、胸を捏ね回され、内部を突き上げられ、かき回され。
悲鳴は嬌声となり、腰を揺らし、蜜を垂れ流しながらキャロルが狂う。
いっそ私のこと以外、何も考えられなくなれば良い.。
「ひいぃっ・ひぃっ・うあっ・あああっ・あああ・・・ああぁぁぁああっ」
「消えろ・・・消してしまえ・・・何もかも・・・全部・・・・・っ」
「うあっ・ああああぁっ・ひいぃっ・うあああっあ・ああっ・あああぁぁ――――――っ!!!」
「キャロルッ・・・・・!!」
絶叫を上げながら、宙を掻いた白い腕が痙攣し、ぱたりと長椅子の上に落ちる。
男は少女の痙攣を、この世の物とは思えないほどの快感の中で感じながら、
想いの全てを少女の中に注ぎ込んだ。





翌朝、キャロルはファラオの腕に抱かれたまま、共にファラオの肩衣に包まって目覚めた。
そして使者は発った後だった。





                                                               END





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