「ふーんだ、そう簡単にいい雰囲気になんてしてあげないんだから」
 一心不乱に振っていた剣を地面に下ろして、私は誰に言うでもなく呟いた。
 レイジとギルの部屋の前で出会った時、あの悪戯が上手くいく事を確信した。どうせ何かしらキッカケがあって、いい雰囲気になっちゃうに決まってるんだから。
 だけど、イチャイチャなんてさせてやらない。あの文章で散々慌てるがいいわ!

 ずーっと好きだったの。ずっと見てきたのよ。
 だけど絶対、ジーナローズ様には敵わないって思ってた。でもレイジの記憶が無くなって、もしかしてって、チャンスだって思ってたのに。
 ギルったら、見事に横から持っていくんだもの!
「…絶対私の方が有利、だったのにな」
 腕力で敵を斬り伏せていく私とは対照的に、諜報とか情報分析とか、頭脳戦はギルの専門で。絶対不利で過酷な状況も、ちょっとした隙を突いて見事に覆して。
 そう、今回もそう。
 私は女で、ギルは男で。私の方が圧倒的有利な状況なのに。
 ギルはそれを、ちょっとした隙を突いて見事に覆した。
「敵わないもの…」
 レイジを想う気持ちが負けてるなんて思わない。でも。ぶつかる事しか知らない私には出来ない事が、ギルには出来る…
 そう分かっちゃったら、勝てる気なんてしないじゃない?
 レイジはもちろん好き。でも、ギルも、やっぱり別の意味で好きなのよね。
 想い合ってるなら、友人としては応援してあげたくなる。
「認めてあげる。でも」
 そんな簡単に、いい雰囲気になんてしてあげない。イチャつかせてあげない。
 姑や小姑っていうのは付き物なのよ、ギル。
「覚悟してよね」

 とことんイジワルしてやるんだから!



小姑ヴィディア誕生。(笑)
そんな彼女に応援されつつイジられてると微笑ましいなぁ、なんて。

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これで終わりです。
読んで下さってありがとうございました!



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