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「ギルヴァイス様、最近ますます仕事がハードになってるねー」
「そりゃあ、本格的に動いてらっしゃるから」
「大変だねー」
「仕方ないよ。レイジ様記憶無くしてらっしゃるし、ギルヴァイス様が動かなきゃこの軍回らなくなっちゃう」
そんな会話が、廊下の向こう側から響いてくる。声からするとフィリスとディール辺りだろうか。思わず足が止まった。
…ギルの奴…そんな無理して…
その会話を曲がり角で偶然耳にして、やりきれない気持ちになった。平然と仕事をこなし、記憶の無い俺のフォローまでしてくれるギルヴァイス。アイツに甘え負担をかけてしまっている――そう思うと、情けなくて。
唐突に湧いた決意を胸に秘めて、俺はもときた方向に踵を返した。
その時は考え事で頭が一杯だったものだから。
「でも仕事中のギルヴァイス様、すんごい楽しそうだよねー」
「レイジ様と一緒に居られるのが嬉しいんでしょ」
「そっか」
「そうだよ」
こんな、フィリスとディールの会話は耳に届かなかった。
短いですが、ここまでー
フィリスとディールの口調が分からんため、適当です…
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