「上っがり!!」
パンッ!!と蛮が最後のカードを叩きつけた。
「ふえーん、えっとぉ・・・ヒック、これで、えっと・・・」
「サドンデスで6・5!オレ様の勝ちーっ、ヒック、なにしてもらおっか・・・なっと」
「うぅぅぅ・・・きぼぢわる・・・わかったから・・・ト、トイレ・・・」

ゴロンと転がったウオッカの瓶に、トイレに立った銀次がけつまづいてマンガのように派手にひっくり返った。
その様子に、笑い上戸の蛮がひきつけたように腹を抱える。
ガンガン酒を飲みながら10回以上行っていたババ抜きに勝利した蛮は、珍しく真っ赤ッ赤の顔でゴロリと横になり、楽しい思考に頬を緩ませはじめた。


「うえぇ〜・・・も・・・蛮ちゃん酒強すぎ・・・参った、参りました・・・」
ユデダコのような顔をしてペコッと頭を下げた銀次は、そのままつんのめってまともに顔面を強打した。再びゲラゲラと蛮のバカ笑いが響く。
「さってと・・・覚悟は決まったか?」
「うー・・・約束だもんな・・・わかったよ、なにすりゃいいんでしょーうかっ、と・・・」


「負けたらドレイ」
二人がたまにやる、ヒマつぶしのゲーム。ここ何戦か銀次の連勝中だったため、ようやく勝った蛮はウキウキとしているのが丸見えで。


「んーじゃ、マッパになって、ここにおねんねしなさーい♪ぎ・ん・じくーん?」
上機嫌の蛮が、ベッドに子猫のように飛び乗ってポンポンと枕をたたく。相当に酔っ払っている証拠に、言葉がおかしい。
「へえっ!?」
「さっさと、しろぉーっ!」
右手を高く上げるしぐさがマリーアにそっくりだと思った。
かわいい声でとんでもないムチャを言うところも、似ている。
やはり、育ての親の影響は大きいのかもしれない。だとすれば・・・逆らえるはずも、ない。

(かみさま・・・どうかオレをおまもりください・・・)
銀次は心の中で十字を切った。







頼み込んで頼み込んで、ようやく電気だけは消してもらった部屋の中。
「・・・ぅ・・・っ」
ベルトでベッドの柵につながれた腕をよじらせ、銀次がうめく。
「・・・・・・」
段々とせわしなく乱れていく吐息。
身体の奥からこみ上げるアルコールの匂いが、銀次の意識をますます官能に満たしていく。
執拗に自分の肌を這っていた蛮の唇が、指にとって代わった。
「よさそーじゃねぇの・・・?」
「・・・ばっ・・・んちゃ」
愛撫の右手を休めることなく、左手の指で蛮は夜目にも艶やかな己の漆黒の髪を掻きあげる。
灰暗い闇に浮かぶ、美しすぎる蛮の姿はいつもの恥じらいはなく、ただただ妖艶に・・・素っ裸の銀次を、一糸乱れぬ格好のままで愉しそうに愛撫し続けている。
弄ぶように、慈しむように銀次を昂めていく優美な白い指、紅い舌。
銀次の表情を味わい尽くすような紫蒼の双眸は、幻惑の光を宿して・・・

「・・・っあ!・・・っ・・・くっ・・・」
ガッシとせき止められた根元に、耐え切れず銀次が声を漏らす。
「誰がイっていいつったよ?」
「・・・ひっ・・・どいよっ・・・!こんなメチャクチャ誘っといて、させてくんないなんてー!!」
「テメェのいつもの注文は、もっとひどいぜ?今日はオレが遊ぶんだから、黙ってろ」
自由自在に銀次の心を弄ぶ、魅惑的な蛮の眼差しが昂ぶった身体にからみつく・・・
「・・・う・・ぅ・・・」

さんざん好き勝手なコトをいつも要求してきただけに、銀次は強く出れなかった。
「・・あ・・・っ!」
パクン・・・と自身を咥えられて、銀次がのけぞる。
苦しそうにはちきれそうに自分の口内で涙を流す銀次の身体が、かわいい・・・と蛮は思う。
いつも、こんなにも自分を求めているのかと・・・ほほえましくなるような。

ハァ・・・ハァ・・・と上がっていく息遣い

熱を帯びた蜂蜜の結晶がとけていくように

鳶色の双眸はやがて、快楽に満たされて黄金の輝きを放つ

湿った肌の熱さ 汗でこごる金の髪

ヒクヒクと痙攣し、射精を待ち望む身体

自分の内を激しく貪っているときと同じ、たまらなく煽られるその姿に蛮が思わず息を呑む


「あ・・・ッ・・・ば・・・んっ・・・」
「銀次・・・」
汗を浮かべ、眉間を寄せる銀次の切なげな表情に、蛮の情欲が鎌首をもたげる。
自分の身体が熱を帯び、銀次に犯されているかのような錯覚を感じて。
半ば立ち上がった自分のモノがトランクスに擦れるかすかな痛みを、蛮は感じた。


「蛮・・・ちゃ・・んっ・・・!・・・オレ・・・も・・・うっ・・・」
一筋の銀糸が蛮の唇と銀次自身をつなぎ、やがて断ち切れる。
「いいぜ、出せよ・・・」
再び、蛮がいとしげに銀次を含む。
「だ・・・めっ・・・!とって!これとってよ・・・っ!」
腕をしばるベルトを外せと、銀次がわめく。
「とってやんね・・・イイから、イけって・・・」
銀次の脚の間で、蛮の頭が上下に揺れ、激しさを増す。
「蛮ちゃ・・・蛮ちゃん・・・!!早く!」
「・・・出せって・・・言ってんだ・・・ろ」
「・・・じゃあ持ってきてよ!・・・洗面・・・器ッ・・・!」
「・・・・・はぁ???」










「・・・ォェー」


「・・・・・のわああああああっ!!??」












ガンガンガンガンガンガン・・・・・頭の中で鐘が鳴る




「いらっしゃいませぇーvvvドラッグウメのスタンプカードはお持ちでしょうか?」
いつもはかわいく聞こえる、甲高い女の声が今日は恨めしい。
「・・・いえ・・いいです・・・」
「ではまたお願いしますぅーvvvバファリン、798円、ソルマックSS、980円、ポカリスエット、118円が二本、ですね、ありがとうございますぅ、お会計は・・・」
♪〜♪♪・・・銀次のケータイが鳴った。
「あ、ちょっとすいません・・・」
プツ
「もしもし・・・」


”ファブリーズも買ってこいっ!くさくて死ぬっ!!”

ぶちっ
・・・ツーツーツー・・・・・・

「あの、すいません・・・ファブリーズっていうやつも・・・ください・・・」
「はぁーいvvvほのかに香るタイプと、無香料がございますが?」
「・・・においはもう・・・コリゴリです・・・」
「???」




黄金の太陽の輝きが、宿酔いの頭にまぶしい・・・
高くついたゲームの罰金で、銀次のなけなしの小遣いはスッテンテンになってしまった。
「さすがに強いなぁ・・・ババ抜きってのがマズかったか・・・なんたって、本物の魔女だもんね・・・」
ガックリとこうべを垂れて、最強のJokerの待つアパートへ銀次は歩き出す。




とびきり綺麗で気の強い

蒼い瞳のオレのJoker

目が回るほど振り回されても

やっぱり絶対 君がいい


ずっと恋していられそう vvv
















御礼の言葉

転載許可をいただき早速UP。(こういうときしか素早くないダメダメ管理人)
何度読んでも飽きません。も〜う素敵すぎvvv
美優サマの書く文章はホント素敵としか言いようがなくて私のツボなんですよね〜
美優サマ、ありがとうございました!

2003/01/13 up



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