バレンタイン当日。

蛍華、もう郭くんにチョコ渡した?」
教室にはいると、すぐに未衣がきた。
「まだ~」
パタ‥と机につっ伏して答えた。
「なんで?朝、一緒にいたじゃない」
そう、今日も郭くんが声をかけてくれて一緒に登校したのだ。
嫉妬諸々の悪意の視線を多分に感じながらだったけど。
「だって緊張しちゃって渡せなかったんだもん」
バレンタインって意識しちゃってるから一緒にいるだけで心臓バクバク。
顔、真っ赤だったかも。はっきり言って会話も上のそらだった気が‥。



「あ、そうだ。未衣、はい、コレ」
鞄からチョコを取り出して未衣に差し出す。
「何コレ?」
「なにってチョコだよ」
見てわからないかな?
「郭くんへの余り?」
「違うよ~未衣のために作ったんだもん」
これはホント。ラッピングも頑張った。
日頃の感謝の気持ちってやつ。いつもお世話になりっぱなしだし。
「ふ~ん。食べても平気?」
「失礼な。平気に決まってるじゃん」
‥‥たぶん。
「今、たぶんとか思わなかった?」
ギク‥
「そんなことないよ」
「本当に?」
「なぁ~氷耒、佐咲、チョコくれよ」
突然現れたのは男友達の遊。
「チョコ?うん、いいよ」
鞄の中からもう一つチョコを取り出す。
これは誰かにあげようと思って持ってきたやつ。
実はこっちが郭くんのチョコの余りなんだけど。
「はい」
「え?氷耒、マジでくれんの?」
驚いたように聞き返してきた遊を見上げた。
自分でくれって言ったのに、なんで驚くのよ。
「やった、ラッキー!なぁ、佐咲は?」
「そんなものあるわけないでしょ」
未衣は冷たくあしらう。
あはは、未衣らしいや。
「ちぇっ。ま、いいか。氷耒からもらえたし~サンキューな!」
遊は笑顔をふりまいてさっさといなくなった。
あんな感じであちこちに声かけているのかな?
「‥遊ってすごいね」
「どこが?」
「チョコくれって自分で言うところが」
ふつうは言えないよ。
ま、そう思ってるのは私だけかもしれないけど。





――放課後

蛍華、頑張って渡しておいでよ」
「うん。未衣、ありがと」
ゆっくりとした足取りで郭くんの教室に向かう。
あ~緊張するよ~
郭くん、まだ帰ってないよね?
教室に近づいていくと、女の子特有の黄色い声が聞こえてきた。
なんかすごく騒がしくない?
うわっ、なんか人集りができてる。
「郭くん、チョコ受け取ってくれない?」
「郭くん、これ受け取って」
人集りの中心にいるのはやっぱり郭くん。
嫉妬とかはなかった。
なんか自分とは別世界のことみたいで。
みんな郭くんが好きなんだなぁ。
でも私も負けないくらい郭くんのことが好きだから。
よし、私もチョコを渡しにいこう。



そう思って足を踏み出そうとしたら女の子の手元に目がいった。
綺麗にラッピングされた色とりどりのチョコレート。
それを見て自分のものが恥ずかしくなってきた。
どう見ても自分のチョコのほうが見劣りしている気がする。
ううん、気がするじゃない。
している。
私、郭くんにこんなもの渡す気だったの?
「‥氷耒?」
郭くんが私の名前を呼んでくれたのが聞こえた。
それを合図に私は教室を飛びだした。

















to be continued…













あとがき

これ、少し実話が入ってます。私の場合は、友チョコでしたが。
はぁ‥センス欲しい‥。

2002/02/22



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