私の精一杯の想いを告げたいの 甘い甘いこの想いを あなたは受け取ってくれるかしら? そして、あっという間に放課後。 「渋沢くん、ちょっといいかな?」 意を決して部活へ行こうとしている渋沢くんを呼び止める。 「?あぁ」 「じゃあ、俺は先に行ってるな」 「あぁ、悪い」 すれ違い様、三上にポンっと肩に手を置かれた。 「頑張れよ」 耳もとで言われた小さな応援に思わず振り返った。 「三上‥」 ありがと、三上。 心の中で感謝の気持ちを述べる。 さぁ、私は私の想いを告げよう。 「渋沢くん。コレね。受け取って欲しいんだ」 俯いて精一杯手を伸ばした。緊張のあまり語尾が震える。 なんか身体全部が心臓になったみたい。 「‥‥俺に?」 私はコクコクと頷いた。 「え、あ、それって‥」 「私、渋沢くんのことが好きなの!」 うわ〜言っちゃった〜 メチャクチャ恥ずかしいよ〜/// 「‥渋沢くん?」 受け取られる気配がなくて恐る恐る顔を上げた。 やっぱり駄目かな‥ 「あ、ゴメン。なんか信じられなくて‥」 口元を手で隠しながら話す渋沢くんの顔は真っ赤で。 「ありがとう。喜んで受け取らせてもらうよ」 微笑んで受け取ってくれたのが嬉しくて。 「えっ‥それって‥」 「俺もが好きだ」 「ねぇ、渋沢くん。さっきの信じられないってどうして?」 「は三上と仲がいいだろう?それに三上のチョコは手づくりだと言っていたし」 「それは‥」 渋沢くんのチョコのついでだったから‥ 「三上からには好きな人がいるって聞いてたから諦めてたんだ」 「私も渋沢くんには好きな人がいるって三上から‥」 「えっ?」 「あれっ?」 ってことはなに?三上は最初からわかってたってこと? ‥なんかスッゴクムカついてきた。 アイツ絶対楽しんでたわね〜 「三上め〜(怒)」 私があんなに悩んだのはいったいなんだったのよ! 「ははは。なんとも三上らしいな」 「‥そうだね」 『三上らしい』で納得できちゃうらへんが悲しいよ。 「じゃあ、俺そろそろ部活行かないと」 そうだよね。 キャプテンが遅れてくってだけだってマズイだろうし。 悪いことしちゃったな。 「頑張ってね、渋沢くん」 微笑んで言ったら渋沢くんに抱き締められた。 「えっ、えっ、あの‥渋沢くん?」 「名前‥呼んでくれないか?」 「え?名前?」 「俺たち、両想いだろう?だから名前で呼んで欲しいんだ」 「でも‥」 そんなの恥ずかしくって呼べないよ〜/// 「一度だけでいいんだ。呼んでくれないか?」 渋沢くんのお願いに私が勝てるわけもなくて。 「‥か‥つろう///」 消えそうなほど小さい声で名前を呼ぶ。 きっと今の私の顔、真っ赤だよ‥。 私の言葉を聞いて渋沢くんは満足そうに微笑んだ。 「じゃあ行ってくるな、」 ちゅっ ‥‥思考停止。 え、え、ええぇ〜〜〜!!! いま起こったことを確認するかのように頬を手をやる。 笑顔で教室を出ていった克朗の後ろ姿を見送って思うことは一つだけ。 克朗って実は手、早い? END あとがき あ〜恥ずかしかった‥ 最後のところ、あんたら新婚サン? ヒロインの心の葛藤シーン(授業中)を削除しちゃったのでなんかいきなり放課後に。 まぁ、チョコは渡せたからいいですよね? 2002/02/05 |