青く澄み切った空には雲一つなく、すがすがしい。
自主練のためにバスケットコートへと行こうと走っていると、通りの桜の木の下に人影があることに気づいた。
「あれは・・・」
目立つ赤い髪のおかげで遠目でも誰なのかわかったので、心を浮きだたせながら走り寄っていく。
「おい」
届くかどうかの小さな声。後ろから声をかけると、桜木はふりかえった。
「流川」
あたたかく優しい風が、頬を撫でて心地いい。
その心地よさを増幅するのは桜木の表情。
「なにしてんだよ?」
疑問は当然。桜木の家はこっちじゃない。
バスケットコートの向こうだ。
「べつに。ここにいりゃ会えるとか思ってたわけじゃねえから」
「・・・」
「桜がきれーだなーって見てただけだ。それだけだからな」
「・・・」
・・・嘘が下手なやつ。
髪と同じように染まってる頬の色が真実を教えてくれるが、俺は言わなかった。
朝から会えてうれしいし、待っていてくれたのもうれしい。
だから。
「桜か」
そういって視線を桜に移す。
薄紅色に染まる桜は、ゆっくり左右に揺れながら、俺たちを見下ろしている。
ここ数日ですっかり暖かくなった。
つい先日まで息が白く染まっていたっていうのに。
「・・・」
桜を見上げながら、桜木の横顔も見る。
来年もこうして一緒に見てぇな。
「なんだよ?」
「べつに」
願いはあっても言葉には出せず、顔をそらした。
「来年も、一緒に桜を見るか?」
「・・・!」
同じことを考えてくれていたのかもしれない。
そう思ったらうれしくなった。
「・・・おう」









また来年もその次も、ずっとおまえの隣で・・・



















無双、鬼滅、コナンときたらスラダン。青春ですねー

2022/3/21


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