青く澄み切った空には雲一つなく、すがすがしい。
今日は休みだし、なにをしようか。
ただごろごろしてるのは何となくもったいなく感じて、財布だけ持って家を出た。
峠に走りに行こうかと思ったけど、ちらっと隣の家を見て、恋人であるの顔が浮かび、インターホンを鳴らした。
「あら、啓介くん」
「おはようございます。、います?」
なら、今出かけたところよ。桜の話していたから、見に行ったんじゃないかしら」
「そうですか。ありがとうございます」
おばさんにあいさつして、をさがしに公園を目指す。
桜が咲いてる公園って言ったらこの辺りじゃあそこしかない。
目的の公園にはすぐについた。ぐるっと中を見渡して、人影が桜の木の下にあるのを見つけた。
「あれは・・・」
遠目でも誰なのかわかったので、心を浮きだたせながら歩み寄っていく。

長いウェーブがかった栗色の髪。声をかけると、はふりかえった。
「あれ?啓介、どうしたの?」
「散歩」
あたたかく優しい風が、頬を撫でて心地いい。
その心地よさを増幅するのはの表情。
「啓介も見に来たの?」
「あぁ」
「桜、きれいに咲き誇ってるね」
「そうだな」
そういっては視線を桜に移す。
薄紅色に染まる桜は、ゆっくり左右に揺れながら、俺たちを見下ろしている。
ここ数日ですっかり暖かくなったな。
つい先日まで粉雪が舞っていたっていうのに。
「・・・」
桜を見上げながら、の横顔も見つめる。
は桜が好きだよな。
それは幼馴染だから知ってるし、その表情を見てればよくわかる。

「あ、うん、なに?」
ぼーっと桜を見つめていたの視線を呼び戻して、俺のほうを向かせる。
「次見にくるときは俺に声かけろよ」
「・・・!」
「・・・」
「・・・ふふふ」
「笑うなよ」
「ごめん、くすぐったくて。私愛されてるね」
カッコつけるなんてできねぇんだ。悔しいけど。
ちっさいころからふりまわされてばかりの俺。
「そうだよね、うん。声かけなくてごめんね」
「おう」
「次もその次も、一緒に見に来よう。約束ね?」
にっこり笑って上目遣いでそう言われてしまえば、もう不機嫌なんて吹っ飛んじまって。
あー・・・我ながら単純。
でも、好きだし。
ずっと好きだから、きっと一生勝てねえ。
「あぁ」









今も来年もその次も、ずっと隣にいたいんだ・・・



















ラストは啓介くんでした。前に桜ネタ書いたことあるんですが、挫折したんです・・・。
年上ヒロインちゃんで書いたら、後ろをついてまわるワンコ啓介になってしまった。

2022/04/04


Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!