知っていたけど知らなかった 貴方の存在

わかるけどわからない この感情の名前



ほら、再び魔法がかかる‥
















次の日。天気は相変わらず雨だった。
きっと昨日と同じでまた練習はないのだろう。
何となくそのまま家に帰るのが嫌で。
別に本が読みたいというワケでもないのに俺は昨日と同じように図書館へ向かった。
昨日と同じように図書館には人気がなかった。
違ったのはカウンターにいるのが昨日の1年生じゃなく、先輩だってことぐらい。
俺はまた適当に本を見繕って窓際の椅子に腰掛けた。
時計の音と外の雨音が館内を支配する。
ふと先輩のほうを見た。その顔つきは真剣で。
昨日と同じように課題でもやっているのだろうか。
俺はジッとその横顔を見ていた。
なぜだろう。
確かに整っているが美人というほどでもない。
どこにでもいる普通の女の子なのに。
なのに何故か惹きつけられる。何故かずっと見ていたいと感じる。
そう感じるのも不思議だが、何より不思議なのは
何で俺はこんなにも彼女のことを気にしているんだろう‥
今までだってその姿を見たことがなかったわけじゃないのに
その名前を聞いたことがなかったわけじゃないのに
何で急に?
自問自答してみてもわからない。
俺の視線に気付いたのか、先輩が俺のほうを見た。
交わされる視線。
俺も先輩も互いに何も言わず、ただ見つめ合っていた。





どのくらい見つめ合っていただろう。
不意に身体が動いた。別に何をしたかったわけでもない。
俺の意思に関係なく勝手に動いた。でも嫌悪感はぜんぜんなくて。
まるで何かの魔法にかかったみたいだった。
甘い甘い魅惑の魔法に‥
先輩に引き寄せられるように足が動く。
同じように先輩も此方に歩んでくる。
目の前に立っても俺たちは何も言わなかった。
大きな黒い瞳。
至近距離で見る先輩の瞳はとても綺麗で。
その瞳の中に映る自分の姿を見ていたらキスしたいと思った。
「先輩‥」
俺が頬に手を添えると、その黒い瞳の奥が揺らいだ気がした。
少し泣きそうな顔をして先輩は瞳を閉じた。
それを合図に俺は自分の唇を先輩のそれに重ねた。









降り続ける雨は、より強く‥

















to be continued…













あとがき

え〜っと‥どうなってるんでしょう?(汗)
っていうか会話してないし‥
ワケわかんない話ですね。書いてる私も何がなんだか…ι
頭で考えるよりも身体が先に動いたってことにしておいてください。

2002/02/04



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